ツイッターで一晩に60本売れる「サバイバルゲーム用メガネ」
エアソフトガンとBB弾を使って撃ち合う「大人の戦争ごっこ」ともいうべき、「サバイバルゲーム」。名前ぐらいは聞いたことがある方も多いだろう。しかし、専門誌「アームズマガジン」の発行部数が2万部ということから、実際の競技人口はそれほど大きいものではないと言えよう。そのサバイバルゲーム専用メガネが、意外な売れ方をしているという。日経MJ5月11日号のコラムで紹介されている。
岐阜県大野町の眼鏡店「スマイル・アイ」の経営者は、自身が友人に誘われてハマったサバイバルゲームに参加しているうちに、一般的なゴーグルではなく、もっと目を保護する製品の必要性を感じ、レンズメーカーと共同開発してサバイバルゲーム専用メガネを開発したという。価格は1万4千円だ。
驚くべきは、その売り方と売れ行きだ。主に店主のツイッターを通して売っており、「一晩で60本売れる」と店主は言う。店主のツイッターのフォロアーは約3,300人と、決して多くはない。実際には、リツイート(転送)されてもっと多くの人にリーチしているものと思われるが、それでも「サバイバルゲーム専用メガネ」という、極めてニッチな商品が驚くほど売れていると言えるだろう。
どんなにニッチでも、そこに「ニーズ」を持った人がいるのであれば、モノは売れる。
サバイバルゲームをやる中で、「より扱いやすく、確実の目を保護して欲しい」というニーズを持った、細分化された顧客候補=セグメントを捉えたのだ。
確実に「ターゲット」を獲得するためには、その手前でしっかりした「セグメンテーション(顧客細分化)」が必要である。そして、何を基準に細分化するのかと言えば、「どんなニーズを持った顧客候補のカタマリがいるのか?」を考えるのである。いくつかの顧客候補のカタマリ=セグメントの中から、もっとも高いニーズを持ったカタマリをターゲットとして抽出することが基本なのである。
さて、世の中の「シニアマーケティング」を見てみると、その「セグメンテーション」がほとんどできていないのが実情だ。「高齢者」という「十把一絡げ」に扱っている例が散見される。それがシニアマーケティングが失敗する例の典型である。「高齢者」をセグメントしていても、せいぜいが、「前期高齢者か後期高齢者か」「男性か女性か」ぐらいのものだったりする。前述の通り、「セグメンテーション」は、「どんなニーズを持っているのか?」を基準に細分化するのである。「年齢」や「性別」といった、いわゆる「属性」で細分化するのではない。
十把一絡げにするのではなく、顧客を細分化(セグメンテーション)すること。そして、「セグメンテーションはニーズで括る」という、マーケティングの大原則をしっかり押さえることが肝要である。
(初出:一般社団法人日本元気シニア総研・メールマガジン)
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