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2020.04.29

イオンの介護食が取り込むニーズとは?

日経MJ4月10日号の記事によると、イオンが介護食シリーズ「トップバリュ
柔らかシリーズ」を8年ぶりに全面刷新し、メニューを拡大したということだ。高齢化で在宅介護を選ぶ人が増えたことにより、介護食はキューピーなどの大手のほか、アイリスオーヤマなど異業種からの新規参入も増え、競争が激しくなっているという。

「ニーズ」とは、「顧客の現状と理想的な状態のギャップ=未充足な状態」のことである。「未充足」なので、何らかの「ふ(不・負)」の付く言葉が隠されている。

「トップバリュ 柔らかシリーズ」刷新のポイントを見ていくと、電子レンジで温めるだけで食べられるパッケージを全ての商品で採用し、火を使って暖めたり食器に移し替えたりという「手間を減らしたい=負荷」というニーズに応えている。品目も増やした。「シニアには和食・魚や野菜」と思いがちであるが、実は要望が強かった洋食や肉メニューなどを追加したという。つまり、「メニューの不足、不満」という未充足ニーズを解消したわけだ。また、容量と価格も見直している。1つあたり100~160グラム入りで税別138円で販売していたものを、80~150グラムで128円とした。「食べきれないので、不要」、少しでも安く、金額の負担を減らしたい」という「不・負の字」を解消している。

販路は、全国にあるイオンの総合スーパー(GMS)約700店ということだが、高齢者同士で介護する「老々介護」も増えており、高齢者は遠くのスーパーまで行く「負担」を削減したいというニーズを持っているので、イオンの小商圏型小型スーパー「まいばすけっと」での販売も望まれる所だ。

記事中で紹介されている富士経済の調査によれば、政府の医療費削減ための在宅介護推進によって、在宅高齢者の食事市場は19年の166億円から、25年には53%増の254億円になると予測されている。中でも、「在宅向けやわらか食」は19年の47億から、25年は59%増の75億円まで膨らみ、高齢者の食事市場全体を上回る成長が期待されているという。

「ニーズはふ(不・負)の字に隠れている」が、わかりやすい「ふの字」はあらかた刈り尽くされてしまっているという意見もある。しかし、顧客の声をよく聴き、顧客の実態をつぶさに観察すれば、まだまだ、解消すべき「ふの字」はたくさんあることを、この事例は教えてくれていると言えるだろう。

(初出:一般社団法人日本元気シニア総研・メールマガジン)

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