「舌磨き市場」の拡大
皆さんは普段、どのような口腔ケアを行っているだろうか?ほとんどの人にとって、「歯磨き」は子どもの頃からすっかり習慣化しているだろうが、「舌磨き」をする人はまだまだ少ないようだ。日経MJ1月13日号の記事によると、ライオンが18年に20~30代を対象に実施した調査では、2週間に1回以上舌を磨いている人は44%。そのうち9割近くが歯ブラシで舌を磨いており、舌クリーナーを使用する人は1割のみだったという。口の中には数千億個の細菌が含まれ、舌に付着しているものも多い。細菌がたんぱく質を分解し、口臭の原因となる化合物が発生する。
歯ブラシで舌磨きをすると、刺激が強すぎて、デリケートな舌を傷つけてしまう恐れがあるという。しかし、専用の舌クリーナーが普及していなかった理由の一つは、供給するメーカーが少なかったからだという。国内トップシェアを持つシキエン(新潟市)は、社長を含めてわずか5人の小さな会社だという。そこに、19年に大手のライオンが参入してきた。専用特設コーナーを設置する小売店も出始めているという。
「ニーズ」は「ふ(不・負)」の付く言葉に隠れている。口臭の「不快」、歯ブラシで舌をゴシゴシしてしまう「負荷」。市場のより一層の口腔ケアに対する潜在ニーズが顕在化し、専用舌クリーナーによる口腔ケアの市場が拡大するだろう。調査会社の富士経済(東京・中央)によると、19年の市場規模は前年比17%増の8億9千万円で、今後の拡大が予想されるという。
シニア世代になると、唾液の分泌量が減る「ドライマウス」になる傾向があり、唾液の力で歯の表面や舌、粘膜に付いた細菌を洗い流す自浄作用が低下する。口臭の原因にもなる。この、新しい、専用舌クリーナーによる口腔ケアは、シニア世代こそ、いち早く取り入れていくべきではないだろうか。
(初出:一般社団法人日本元気シニア総研メールマガジン)
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