« Contact | Main | 「セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング」徹底攻略セミナー »

2019.05.03

ティファニーの新コンセプトショップと令和の消費

 ティファニーは東京・原宿に新しいコンセプトショップ「ティファニー@キャットストリート」を4月19日から約3年間の期間限定でオープンさせた。その狙いは何だろうか。

 FASHION PRESSでその概要が報じられている。( https://www.fashion-press.net/news/48726
 6層の売り場から成り、最上階には日本発のカフェを併設している。猫と@を組み合わせたオリジナルロゴに、ティファニーブルーを効かせた店舗デザインが特長だ。目玉は、<最下層となる1階では、ティファニーのジュエリーがショーケースの外にディスプレイされているため、気軽に手にとって試着可能(FASHION PRESS記事より)>という点だろう。そこで購入した商品には、<、イニシャルやデザインパターン、自分の描いたイラストをその場で刻印できる「パーソナライゼーション プログラム」も展開される(同)>という。また、カフェでは<映画『ティファニーで朝食を』に登場したクロワッサンやコーヒーの他、様々なアメリカのフードとドリンクが原宿で味わえる(同)>他、<フォトジェニックな撮影スポット(同)>も設けられているという。

 それらの新しい施策の狙いは、「体験」だ。同店のオープンを報じた日経MJ4月29日号では<体験を重視した店舗でこれまでティファニーに関心のなかった層に訴求する(同紙)>としている。消費が高度化して、単なるモノだけでは売れなくなってきている。ことにリーマンショックからようやく経済が回復してきた2010年以降、平成の末期ぐらいからは、「買わない・所有しないこと」がスタンダードになってきた。その時代における消費は、モノより体験=コトに重きが置かれるようになってきた。いわゆる「コト消費」である。購買決定要因は、最後の大量消費の時代であった昭和の最後~平成初期のバブル経済時代の「イバリが効く(見栄が張れる)」とは大きく変化している。「いかに自分にとって意味があるか」。つまり、「体験」を通じて自分にとっての「最適(relevant)な価値」があるか。「共感(resonant)」できるかが購買決定要因になっているのだ。「ティファニー@キャットストリート」は、ティファニーというブランドネームだけではもはや購入されることは難しい消費者の増加に対応するための、新しい令和の時代に向けた消費に対応するべく取り組んでいるといえるだろう。
 その意味では、<ストアオープンを記念して、ストアのオリジナルロゴを刻印したタグチャームとキーチャームが、同店のみ、数量限定で登場(FASHION PRESS記事より)>という、限定モノも今日的な意味を持ってくる。博報堂生活総合研究所は、「その日、その瞬間にしか体験できないコト」をコト消費がさらに進化した、「トキ消費」と名付けている。「オープンしたばかりのコンセプトショップに足を運び、そこで体験をして、その時にしか手に入らない限定商品を購入する」というのも、コト消費であり、トキ消費の一種だと考えられるだろう。

 新しい令和の時代になり、消費は一層高度化し、ビジネスは難しくなっていくかもしれない。その中で、新しい潮流をいち早く捉えて、対応していけるようにしたいものである。

|

« Contact | Main | 「セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング」徹底攻略セミナー »