« October 2013 | Main | January 2015 »

2 posts from January 2014

2014.01.07

マーケティングとはビジネスの総合格闘技である。だから・・・

昨日書いた年始に参加した新年会の話の続き。
参加者と議論した中で、「そもそも、フレームワークやケースを学ぶ意味はどこにあるのか?」という論点が少し出た。時間切れであまり話せなかったので、「基本の基」ではあるが、下記にポイントをまとめたい。

■マーケティングの本質とは何か?

 ビジネスに欠かせないリソースは「人・物・金」であるとよくいわれる。それを勉強の科目領域に分けると、人=HRM(Human Resource Management)・リーダーシップなど、物=マーケティング、金=アカウンティング・ファイナンスなど・・・のようになる。マーケが物とされるのは、恐らくどのような物(製品)を作るのか、その物をどう売るのかを考える時に必要とされるからなのだろう。だが、実際にはマーケティングは組織の中の人・物・金を総動員して企画・実行されるものだ。故に、私はいつも「マーケティングはビジネスの総合格闘技である」と述べている。

■格闘技の基本とは?

 格闘技には様々な流派があるが、その多くは「基本となるのは“”である」という点で共通している。型はどのようなシーンで、どのような型を繰り出すかということと、その型を用いる時にどのような力の入れ方や動きをするべきなのかを正しく理解することが肝要だ。そして、様々な型を学びつつ、それが自分に染みついて自然と身体が動くようになるまで繰り返すのである。
ビジネスの総合格闘技においても型の重要性は変わることはない。そして、それが「フレームワーク」なのである。フレームワークを学んで徹底的に使い込む練習をすれば、やがてそれを用いるべきシーンに遭遇した時に自然とどのフレームワークを用いればよいのか、分析や検討のポイントは何なのかが分かるようになるのである。

■格闘技を実戦で使えるようになるには?

 一通り型を覚えたら、次は実践練習だ。多くの格闘技では「組み手」が行われる。ビジネスの総合格闘技においての組み手は、ビジネスケースを用いたグループワークである。過去の企業活動の事例をまとめたビジネスケースを読み解き、ケースの時点に身を置いたとして、どのような意思決定をすべきかを考える。その時に、型=フレームワークを用いてグループワークの参加者が討議していく。それは、現実のビジネスの仮想体験であり、実戦に際して正しく思考・検討できるために繰り返し行うべき訓練なのである。その中で「型」は「技」に昇華するのである。

 「フレームワークは所詮、型通りの思考であり、それで答えが出るとは限らない」「ケース(事例)は過去の出来事で、その成功・失敗が再現するとは限らない」故に、「フレームワークやケースをいくら学んでもビジネスができるようにはならない」・・・という論理展開をする人は世の中にままいる。しかし、いくら基礎体力(ビジネスでは知力)が優れている者でも、我流でゴリ押しばかりしていては、負けもするし、思わぬ怪我をしたりもする。やはり、勝率を高め、致命傷を回避するためには型の訓練と組み手での練習が重要なのだ。

|

2014.01.06

自分は起業家なのか職人なのか

今日から仕事初めです。
本年もよろしくお願いいたします。

正月休み中にとある新年会に参加した。
正月らしく、「起業します!」という景気のいい宣言が相次いだが、年始挨拶の3分間スピーチとして、それにちなんだ話をした。
結構、大事な話だと自分では思っているのでここに当日話したことをもう少し詳しく記したい。

起業するということは、既存の組織を離れて自主独立するということだが、その時に自分の適性と目指す方向性を明確にするべきだと私は考えている。
独立を目指す人には大きく2つのタイプがあると思う。「起業家」と「職人」だ。

起業家はどんどん仕事量と社員の規模を拡大し、ビジネスを大きくしていくことを目指す。(その過程でIPOを行ったりする)。その代わり、社員を雇用してその生活や人生の責任を負いながら、払った賃金以上の成果を上げさせるマネジメントが求められる。
一方、職人は一人(もしくは気の合う極めて少人数の仲間だけ=全員役員)で動くにはある程度インカムの上限が見えてしまうが、その代わり社員を雇用してその生活や人生の責任を負うことなく、自分が好きで納得のいく仕事だけを納得いくレベルで仕上げて稼いでいくことができる。

ロバート・キヨサキの「金持ち父さん貧乏父さん」では、前者は「Business Owner(企業オーナー)」、後者は「Small Business Owner(個人事業主)」として、リターンを考えれば前者だよね的な論になっていたように記憶しているが、大事なのは自分が目指すのはリターンの大きさなのか、仕事の楽しさなのかと、自分の適性がどちらに向いているのかということなのだ。
楽しく仕事をして、結果としてリターンも大きくなる。また、仕事内容や質にもこだわりつつ、グループダイナミズムを発揮して規模拡大をしていくということもできるかもしれない。しかし、現実には結構それは二律背反だったりする。その時、自分はどちらを選ぶのかということだ。

両者をごっちゃにしたり、間違えたりして独立・起業する人がいるが、それは結構悲劇だ。そして、それは、本来職人である人が、起業家を目指して社員として雇用した人をはじめ周囲の人を巻き込みまくった時に悲劇は最大化する。

もちろん、ビジネススクールの教員でもある私の立場からすれば、正しい学びによって悲劇を回避することも十分可能だと言っておくが、自分自身の目指す方向性と適性に合っていない選択をしていると、折に触れ、問題が起こった時に感じる苦労はぬぐい去りがたいものになるだろう。

正月から起業に対してネガティブな話をするつもりは毛頭ない。だが、オチを付けるなら、「誰もが起業して規模を拡大することを目指すよりも、職人ってのもいいもんだよ」とだけ言いたい。これは2005年2月に独立してほぼ丸9年間、職人としてやってきた私の持論でもある。
さらに最後に「職人は決して一人ではない」ということも付け加えたい。世の中には一人で頑張っている職人も多数いる。その仲間と協働すればいいのだ。私自身もコンサルティングの大きな案件の時は、自分と異なる専門領域を持った職人仲間に声をかけてチームを作って対応している。私はこれを「オーシャンズ11方式」と呼んでいる。

既存の組織を離れて独立・起業するハードルが低くなり、様々な働き方が可能になってきた今日、その実行を志す時には、よく自分自身の目指す方向性(=ターゲティング)と適性(=ポジショニング)を見極めることをお勧めしたい。

|

« October 2013 | Main | January 2015 »