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5 posts from September 2012

2012.09.27

【連載リンク】金森努のロングセラー商品の戦略を聞く!・第13回:キャノン「EOS Kiss」

 今回はキャノン「EOS Kiss」。もうすぐ発売20周年なので、立派なロングセラーですね。実は金森は写真部だったという過去がありまして・・・。

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  1993年に発売を開始して以来、ファミリー向け一眼レフカメラとして不動の地位を確立している「EOS Kiss」。これまでに、初代「EOS Kiss」をはじめとするフィルムカメラ7種、2003年に発表した「EOS Kiss Digital」をはじめとするデジタルカメラ10種が発売されています。イメージコミュニケーション企画本部・カメラマーケティング部部長の中村真一氏に聞きました。


○記事はこちらから!→http://bit.ly/SaDCwE


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2012.09.24

専門誌がAKBとエヴァに取り組む意図とは:月刊販促会議の場合

 今月号はAKB48。来月はエヴァンゲリオン。何の話題かといえば、「月刊販促会議」の特集記事である。同紙はれっきとした販促・イベント・SP(Sales Promotion)の専門誌である。その証拠に、AKB48の前の特集は「ネット×リアルの集客・販促」だったり、「シニア市場のプロモーション」だったり、と専門誌らしいカタイ切り口に徹している。アイドルやアニメを特集に据えた意図は何だろうか。

月刊「販促会議」
http://www.sendenkaigi.com/books/back-number-hansokukaigi/867

 販促会議の記事はキャラクタータイアップ販促特集第1弾として、「検証!AKB48起用プロモーションの効果」という特集になっている。来月はそのキャラクターがエヴァンゲリオンだというわけだ。表紙には元AKB48メンバーの前田敦子が微笑んでいるが、内容はしっかりと販促の専門記事が並んでいる。

■手に取らせてこそ

 「出版不況」ともいわれる昨今だが、雑誌の落ち込みはその中でも特にひどいという。その原因は消費者の活字離れやネットメディアの台頭など諸説があるが、いわゆる「雑誌離れ」は確実に進んでいる。その環境下では、専門誌といえども「まず、手に取ってもらえること」を考えなくて部数は伸びない。定期購読者以外への拡販効果を狙ったのが販促会議の意図であることは間違いない。消費者の態度変容モデルである「AIDMA」で考えれば、A(Attention:注目喚起)→I(Interest:興味喚起)までをまずは獲得する作戦だ。
 だが、いくら興味を持って手に取ってもらっても、購買行動=A(Action)まで至らなければ意味がない。果たして、どのようなターゲットを想定してD(Desire:欲求喚起)→M(Memory:記憶)→A(Action:購買行動)とAIDMAを進ませようと考えたのであろうか。

■専門家だって趣味がある

 一つは離反顧客の再獲得を狙ったものだと考えられる。但し、狙いは「企業内個人」である。経費削減の折、企業は定期購読誌を減らしている。「会社が買ってくれないなら仕方ないか…」と、諦めてしまった読者に対し、キャッチーな特集をぶつけて自分の財布のひもをほどかせる戦法だ。その点、国民的アイドルであるAKB48なら、自分自身が少なからずファンである可能性も高く、個人の関心にヒットする可能性も高い。欲求喚起がなされ、購買までつながる期待が持てる。

■周辺層獲得を狙う

 もう一つは、販促の専門家以外を狙っての展開だ。雑誌を手に取って、目次を見ると「AKB48起用企業キャンペーンの裏側」などという記事が目に入る。アサヒ飲料 ワンダ/江崎グリコ アイスの実/NTTドコモ 応援学割…などのキャンペーンが列挙されている。一消費者として目にとまった、もしくは参加したキャンペーンも多いだろう。そんなキャンペーンの「裏側」といわれては、興味が掻き立てられないワケがない。ちょっと「販促・イベント・SP」という領域に興味がある新たな読者を引きこむ効果も狙っているはずだ。

■チャネルをおさえる

 前述のように、キャッチーな特集は離反客と新規客双方に対して、「まず手に取らせる」ことを狙ったものであるが、そのためにもまず、販売チャネルである書店に注文を出してもらい、店頭に並べてもらうことが欠かせない。ターゲットである最終消費者のことを意識しても、つい忘れがちになるのがチャネル対策だ。その意味では、専門誌でありながら書店主の誰もが知っているキャラクターを特集タイトルと表紙に持ってくるのは大正解であるといえる。その成果として「注文票にいつもは見かけない書店名を見つけたり、注文量がいつもと一桁違ったりという効果もありました」(関係者談)ということだ。

 ターゲットの購買動機と行動を考えて離反客を取り戻す。新規客獲得のための間口を広げる。そして、そのために流通チャネルをおさえる。そうした展開は基本であるが、専門誌という枠にとらわれない柔軟な特集企画が今回の「月刊販促会議」の成功要因であるといえる。市場縮小は多くの業種でも共通の悩みだ。この事例からも学ぶべきだろう。


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2012.09.18

「親孝行」を訴求するNTTコミュニケーションズの意図とは?

 NTTコミュニケーションズより、『「親子間のデジタル・コミュニケーション」に関する調査レポート』というニュースリリースが配信されていた。『離れて暮らす親に… 広がる “デジタル親孝行” 親とのコミュニケーションはデジタル派 → 親孝行意識や帰省頻度 アナログ派よりも高』というタイトルの興味深い内容であるが、その狙いは何だろうか。

 調査対象者は<両親と離れて暮らす30歳から49歳までの男女計1,000名を対象>だが、その中で、<離れて暮らす親に手紙を送ったり、固定電話で会話をするといった手段を“アナログ手段”、パソコンや携帯のメールを使ったり、インターネット通話を活用する手段を“デジタル手段”と定義して分類した結果、“デジタル手段のみ”を活用していると答えた人が50.0%と最多で、“アナログ手段のみ”と答えた人の19.3%、ならびに“アナログとデジタルを併用”と答えた28.4%を大きく上回>ったという。具体的にデジタルとは、<「携帯・スマートフォンでの通話」(88.4%)、次いで「(PC・携帯などの)文字メール」(44.0%)、「(PC・携帯などの)画像つきメール」(14.4%)>だという。
 さて、タイトルにもある、「離れて暮らす親とのコミュニケーション」だが、<離れながらも「週1回以上」の高い頻度でコミュニケーションをとっている人は、デジタル派では約3人に1人(31.8%)と、30、40代の全体平均29.4%やアナログ派の20.2%よりも高いことが分か>ったという。また、<帰省シーズンに里帰りをする頻度については、「多い」と答えた人はデジタル派で52.8%と、これも平均(51.0%)より高かったのに対し、アナログ派は44.0%>だったという。

 その他、<デジタル派のコミュニケーション手段として「(PC・携帯などの)画像つきメール」が一定の割合(14.4%)で活用されているというデータに基づき、「日常的に親に写真を送る頻度」について、デジタル、アナログの手段を問わず調べたところ、「頻繁にある」「たまにある」と答えたデジタル派の割合は33.2%となり、3人に1人が一定の頻度で親に写真を送る習慣があることがわかりました。これは、アナログ派の21.6%よりも高い割合となっています>など、他にも興味深い数字が並ぶが、結局の所、この調査のオチはどこに行くかといえば同社のクラウドサービスにつながる。
 【NTTコミュニケーションズ「思い出あんしん保管 for マイポケット」 サービス】
  公式サイトURL: http://omoide.ntt.com/

 同サービスは<大切なアルバムをデジタル化するサービスです。公式ウェブサイトからお申込みいただき、アルバムを受付センターにお送りいただくだけで、デジタル化されたデータの入ったDVDをご自宅にお届けします。届いた後は、NTTコミュニケーションズのオンラインストレージサービス“マイポケット” にアップロードしてデータ保管したり、テレビ用DVDで楽しんだり、パソコンで加工したりして楽しむことができます>というものだ。

 世界的な広告グループであるヤングアンドルビカム(日本では電通ヤングアンドルビカム)のブランド価値評価システム「BAV(Brand Asset Valuator)」によれば、 Brandの価値は4つの柱(4pillar)で構成されているという。Relevance(適合)、Differentiation(差異)、Esteem(尊敬)、Knowledge(知識)である。わかりやすくいえば、どれだけ消費者にとって自分にピッタリと感じることができ、他と差異化ができていて、尊敬に値する対象であり、よく知られているかという要素だ。

 NTTコミュニケーションズの提供サービスに類似したクラウドサービスは他にもあるだろう。また、今後も登場してくるに違いない。Differentiationを発揮するのは難しい。そこで、消費者にいかにアピールするかが問題となる。
 同社のブランド価値は、誰もが知っている知名度だ。その点においてKnowledgeは活かすべき武器である。だがそれだけでは具体的にサービス利用にはつながらない。そこで、「親孝行」というある年代にはキャッチーな切り口での訴求をしているのだ。つまり、「このサービスは自分にピッタリだ」と思わせる。Relevanceを高めているのである。

 誰にでも受け入れられるサービスを提供するのは難しい。故に、ターゲットを絞り、そのターゲットの関心事を切り口で「自分にピッタリ」というKBF(Key Buying Factor=購入理由)を訴求するのがこのリリースの意図なのである。

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2012.09.10

試して買って、食べてみて!ロッテ「チョコパイ」の場合

 9月9日付日経MJ記事によれば、ロッテはチョコレートケーキ菓子「チョコパイ」の発売30周年を前に、製品リニューアルと大規模販促を展開するという。その狙いは何だろうか?

 製品リニューアルは既に完了し、8月21日に発売が開始されているという。ケーキ生地のしっとり感や口溶けの良さを向上し、チョコレートの風味も向上させたという。しかし、そこまでは「いいモノを作る」という話。モノ(Product)がいいだけでは売れない。ロッテは販売店の棚をしっかり押さえるというチャネル(Place)の支配力に長けているため、配荷も順調に進むだろう。だが、問題はそこからだ。消費者に手に取って、買ってもらわなければ話にならない。そこで、広告・販促(Promotion)の攻勢と、それと連動した価格(Price)設定が求められる。

 日経MJの記事によれば、広告・販促攻勢は30周年を迎える来年9月まで続くという。CMの投下量もかなりのものになるだろう。店頭販促(POP)も充実させるようだ。だが、ここはそれ以上に「売り方の工夫」に注目してみたい。
 ロッテが今回展開したのは「ばら売り」である。通常は店頭予想価格298円前後の6個入り箱や9個入り大袋で販売されているが、「お試し」用の1個30円の小袋も併せて陳列。スーパー、コンビニで100万個を売り、通常品の販売につなげるという。

 消費者の態度変容モデルにAMTULというものがある。Awareness=認知→Memory=記憶→Trial=試用→Usage=日常利用→Loyalty=ロイヤル顧客化である。そのフレームで考えれば、CMの大量投下で認知は獲得できる。売り場の棚を良位置で獲得し、POPを並べれば、「買いたくなったらいつでも買おう」という記憶を消費者に植え付けられる。だが、せっかくリニューアルしても普段から購入習慣がない消費者の手に取らせることは難しい。そこで、「お試し・30円のばら売り」なのだ。つまり、Trial=試用。棚(Place)は、通常商品の横だけではなく、レジ横などの好位置も確保してくるだろう。そして、30円という価格設定(Price)も絶妙だ。レジ横の「ついで買い」の定番、「チロルチョコ」は20円。それと10円差でかなりのボリュームと満足感が得られるのである。ついつい手が伸びる人も多いだろう。

 それでも菓子になかなか手を伸ばさない人もいる。そんな人にはどうするか。チョコレートが溶ける暑い季節が終わったら、ばら包装品を用いて街頭サンプリングキャンペーンも展開されるだろう。そうして、徹底した試用(Trial)を促進し、通常商品の日常利用(Usage)につなげていくのである。

 「チョコパイ」が製品を全面リニューアルするのは初めてだという。ロングセラー商品も黙っていては売れない時代だ。故に、昨今、製品リニューアルなどで勝負をかける例が散見される。ロングセラー商品はロイヤル顧客を持っているという優位点があるが、その顧客がやがて歳を取って離脱していくというリスクも抱えている。故に、リニューアルで新たな顧客層を取り込んでいくことが欠かせないのである。
 「チョコパイ」は広告・ばら売りなどの攻勢でどこまで試用(Trial)→日常利用(Usage)という顧客を取り込めるかが、定番の座に君臨し続けるカギとなると予想される。

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2012.09.05

「見てるだけ」ではない、ニッセンの新展開!

 「見てるだけ~」を覚えているだろうか。1994年放映のカタログ通販・ニッセンのCMだ。
英文学者(元大学教授)、フェミニスト運動家のタレント・田嶋 陽子の起用でも話題になった。

 

 女性グループがアパレル店の店頭で口々に「見てるだけ~」と言って商品を品定めして店を出て行く。キャッチコピーは「店で調べて家で買う」だ。
 さて、それから20年近く経過した今日、ニッセンは新たな「見てるだけ」の展開を始めた。いや、見てるだけではなく、写真を撮ってもいいのである。

 2012年9月4日付・日本経済新聞消費欄コラム「旬スポット」には「撮ってもいい試着室」という記事が掲載された。ニッセンがセガと提携し、「梅田ジョイポリス」で始めたサービスだ。
 通販でしか手に入らない服を1着100~200円払って試着(500円で試着し放題)し、最新のプリントシール機を使用して撮影するというしくみだ。無料で髪をセットする美容室の出張サービスもあるという。

 カタログ通販がメインのニッセンにとって接点の少ない、プリントシール機を利用する層の開拓はブランドを高齢化させないためにも欠かせない。また、ZOZOTOWNなどのネットアパレル通販の成長に指をくわえてみているわけにも行かないのだ。顧客接点をどう作るか。その試行の一つがこのセガとの提携なのである。だが、誰でも彼でも接点を作ればいいというわけではない。同社の商品にお金を払ってもいいという、高関与度を持った見込み客を取り込みたい。故に、最低100円を払って試着をさせるという「足切り」のハードルを設けているのである。

 この展開をフレームワークで考えてみよう。今まで接点のなかった顧客層に「お試し体験」をさせるという考え方は、通販事業者の基本の基である「AMTUL」つまり、Awareness:認知→Memory:記憶→Trial:試用→Usage:日常使用→Loyal:ロイヤル顧客化という消費者の態度変容プロセスで設計されている。特に「認知」がない消費者を「試用」させるというのが、シールプリント機でのお試し撮影のキモなのである。

 ニッセンの狙いはそこだけではない。プリント機で撮影した画像はデジタルになっている。記事では<画像データは携帯電話で友人らに送れるので、自慢したり交換したりして楽しめる>とある。これはネット時代の態度変容モデル「AISAS」つまり、Attention:注目→Interest:興味→Search:検索→Action:購買行動→Share:共有というプロセスのうち、有料試着撮影という議事購買をして、その結果がシェアされるAISASの後半を狙ったものだといえるだろう。

 「見てるだけ~」のCMから18年。古くて新しいO2O(ONLINE TO OFFLINE)というキーワードも登場してきているが、ポイントは「自社にとって必要なターゲットを見極めること」と、「その行動を確実に促進させること」に他ならない。その意味では、型にはまった概念やフレームワークにとらわれる必要はなく、課題解決のための独自のプロセス設計が求められるのだ。ニッセンのユニークな施策に注目してみたい。

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