My Photo

サイト内検索


  • ウェブ全体から検索
    ココログ全体から検索
    このブログ内を検索

【マーケティング講座】

お勧めマーケティング関連書籍

  • 金森 努: 3訂版 図解よくわかるこれからのマーケティング(DOBOOKS)
    初めての人から実務者まで、「マーケティングを体系的に理解し、使えるようになること」を目的として刊行した本書は、2016年に「最新版」として第2版が発売されました。 それから6年が経過し、デジタル技術の進化やコロナ禍という大きな出来事もあり、世の中は既に「ニューノーマル」に突入しています。 その時代の変化に合わせて本文内容の改訂、新項目の追加や事例の差し替えなどを大幅に行ないました。
  • 金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)

    金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)
    「マーケティングって、なんとなく知っている」「マーケティングのフレームワークは、わかっているつもりだけど業務で使いこなせていない」・・・という方は意外と多いのが実情です。 「知っている」「わかっている」と、「使える」の間には、結構大きな溝があるのです。 その溝を、最低限の9つのフレームワークをしっかり理解し、「自分の業務で使いこなせる」ようになることを目指したのがこの書籍です。 前著、「最新版図解よくわかるこれからのマーケティング」は、「教科書」的にマーケティング全体を網羅しているのに対して、こちらの「9のフレームワーク・・・」は、「実務で使いこなすための「マニュアル」です。 もちろん、フレームワークをしっかり理解するための、実事例も豊富に掲載しています。 「よくわかる・・・」同様、多くの企業研修テキストとしてもご採用いただいています。

  • 金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)

    金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)
    旧版(水色の表紙)は6年間で1万部を販売し、それを機に内容の刷新を図りました。新章「ブランド」「社内マーケティングとマーケティングの実行」なども設け、旧版の70%を加筆修正・新項目の追加などを行っています。本書最新版は発売以来、10ヶ月で既に初版3千部を完売。以降増刷を重ね、約1万部を販売していおり、多くの個人の方、大学や企業研修で「マーケティングのテキスト」としてご愛顧いただいております。

  • 金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)

    金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)
    ヒット商品ネタ51連発!このブログ記事のネタを選りすぐってコンパクトで読みやすく図表付きに再編集しました!

  • 金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)

    金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)
    打倒「もしドラ」!を目論んだ(笑)ストーリー展開のマーケティング本。初心者にもわかりやすいマーケティングの全体像に基づき、実践・実務家も納得のリアリティーにこだわりました!

  • 金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える

    金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える
    ペンギンの世界を舞台に「考えるとはどういうことか」「論理的思考(ロジカルシンキング)とは何か」を考える、スラスラ読めて身につく本です。初心者の入門書として、一度学んだ人の復習にと活用できます。

  • 金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本

    金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本
    マーケティングをストーリーで学び、「知っている」が「使える」になる本。1つ1つのフレームワークが、面白いように「つながっていく」感覚を実感してください!

  • 金森 努: “いま”をつかむマーケティング

    金森 努: “いま”をつかむマーケティング
    7編の取材を含む、2010年のヒット商品など約30事例をフレームワークで切りまくった「マーケティング職人・金森」渾身の1冊。フレームワークを学びたい人にも、フレームワークの具体例を知りたい人にも、朝礼で話せるコネタが欲しい人にも役に立つこと間違いなしです!

  • 長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語

    長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語
    「分かるとできるは違う」と言われるが、両者間には距離がある。実業務のどこで使えるのか気づけない。だから使えない。本書はお菓子メーカーのマーケティング部を舞台にした「若者2人の成長物語」を通して、戦略思考、論理思考、クリティカル・シンキングなどの、様々な思考法が展開されていく。ストーリーで「使いどころ」をつかめば、実践できない悩みの解消が図れるだろう。 (★★★★★)

  • ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」

    ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」
    フレームワークの「使用上の注意」は、「人の心はフレームワークだけでは切れない」を常に認識することだ。「行動経済学」に注目すれば、経済合理性に背く人の行動の謎の意味が見えてくる。謎の解明を様々なユニークな実験を通して、著者ダン・アリエリー節で語る本書は、「フレームワーク思考」に偏りすぎた人の目から何枚もウロコを落としてくれるはずだ。 (★★★★★)

  • セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践

    セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践
    「顧客はドリルが欲しいのではない、穴が空けたいのだ」や、「マーケティング近視眼(Marketing Myopia)」で有名なレビット教授の名著。製品とは何か。サービスとは何か。顧客とは何か。そして、マーケティングとは何かと問う、今まさに考え直すべき原点が克明に記されている名著。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
    コトラーはマーケティングは「製品中心(Product out)=1.0」「消費者中心(Customer Centric)=2.0」。それが「人間中心・価値主導(Social)=3.0」にバージョンアップしたと論じている。本書は「マーケティング戦略」の本というよりは、今日の「企業のあるべき姿」を示しているといえる。その意味では、「では、どうするのか?」に関しては、新たなソーシャルメディアの趨勢などに考慮しつつ、従来のコトラー流2.0を十分に理解しておくことが必要だ。 (★★★★)

  • 鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)

    鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)
    広告に関する本は、いわゆる広告論や広告制作の手法を述べていても、マーケティング理論を前提としたものは少なかったように思います。「マーケティングの中における広告ビジネス」を具体的にまとめました。さらに、当Blogで「勝手分析」した事例を企業取材によって、マーケティングと広告の狙いを検証しました。多くの現役広告人と広告人を目指す人に読んでいただきたいと思います。

  • 金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)

    金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)
    金森の著書です。フレームワークやキーワードやセオリー、事例をマーケティングマネジメントの流れに沿って102項目で詳説しました。フレームワークの使いこなしと事例には特にこだわりました。金森のオリジナル理論もあり!

  • 山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える

    山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える
    リーダーの戦略や、チャレンジャーがリーダーを倒す方法など、ポーター、コトラーの理論を更に実践的な事例と独自フレームワークで解説した良書。事例がちょっと古いが、今、読み返してもためになる。在庫が少ないので、中古本でも出ていれば即買いをお勧め。 (★★★★)

  • 金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)

    金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)
    このBlog記事一話一話が見開きで図解されたわかりやすい本になりました。ヒット商品のヒミツをフレームワークで斬りまくった、ネタ56連発。是非一冊!

  • 後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて

    後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて
    「レスポンス広告」とは資料・サンプルの請求や商品の注文を消費者から獲得するための広告のこと。そのための方法論は、ブランドイメージをよくするといった目的とは全く異なる。本書は多数の広告サンプル(精度の高いダミー)を用いてレスポンス広告のキモを具体的かつ詳細に解説している。「レスポンス広告の鬼」たる筆者ならではの渾身の1冊。 (★★★★★)

  • ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン

    ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン
    どんなすばらしいマーケティングプランも、結局は人が動かなければ成功しない。故に、リーダーシップ論が重要となる。本書はコッター教授の「企業変革8ステップ」が寓話の中でわかりやすく記されている良書である。金森絶賛の一冊です。 (★★★★★)

  • マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則

    マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則
    2000年発売の良書。旧タイトル「ティッピング・ポイント」が文庫本化されたもの。クチコミの本ではなく、イノベーションの普及が何かのきっかけで一気に進む様を、各種の事例を元に解明した、普及論にも通じる内容。(うっかりリストに入れ忘れてました)。オススメです。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学

    野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学
    経済分野最強のジャーナリスト勝見 明紙と、経営学の大家野中 郁次郎先生という黄金コンビによる傑作。いくつもの企業でのイノベーション事例を物語風に紹介しながら、その変革の要諦を解明、さらなる提言をメッセージしている。読み応え十分。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの本質

    野中 郁次郎: イノベーションの本質
    最新刊の「イノベーションの作法」に比べると、少々こちらは「野中理論」の難しい部分が表面に出ているように思えるが、発売当初、ナレッジマネジメントの観点からしか読んでいなかったが、読み返してみれば、本書の1つめの事例である「サントリー・DAKARA」はマーケティングでも有名事例である。むしろ、本書での解説は、マーケティングのフレームワーク上の整合ではなく、そのコンセプト開発に力点が置かれており、その精緻な記述は圧巻であった。読み直して得した気分になったので、ここで併せて紹介する。 (★★★★)

  • グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業

    グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業
    だいぶ発売されてから時間が経ってしまったのですが・・・。 二度目に読んで、「お勧め」しようと思いました。 そのわけは、一度目は「いかに顧客と優良な関係を構築することが重要か」という当たり前なことを力説しているだけの本だと思ったからです。 事実、そうなんです。アドボカシー(advocacy=支援)という新しい言葉を遣っただけで。 ただ、その「当たり前なこと」のまとめ方が秀逸であり、我々マーケターにとっては「当たり前」でも、その考え方がどうしても理解できない石頭な人に読ませると、なかなか効果的だと分かりました。 さて、皆さんもそんな人が周りにいたら読ませてみては? (★★★)

  • レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」

    レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」
    ダイレクトマーケティングの創始者であり、金森の心の師でもある、レスター・ワンダーマンの「BEING DIRECT」(英文名)が12年ぶりに改訂されました。 詳しくは、Blog本文の10月16日の記事を参照ください。 必読の書です。 前版は電通出版だったので入手が少々面倒でしたが、今回は一般の出版社からの刊行なので、アマゾンで購入できます。この本の画像をクリックすれば、アマゾンのサイトにリンクしますので、是非! (★★★★★)

  • フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式

    フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式
    実は、この本は金森の入院中の頂き物。結構はまりました。 スウェーデンの売れっ子セミナー講師が自らのセミナーで用いている30の設問を、気の利いたイラストに載せて紹介している。「レンガの使い方を10通り挙げなさい」のような、「ん?どこかの自己啓発セミナーで聞いたな~」というようなネタもありますが、ひねりの効いた問いかけもいっぱい。ざっと流し読みしたら20分で読み終わってしまう絵本になってしまいますが、本気で問いかけの答えを考えると、なかなか論理思考も鍛えられます。金森もお気に入りの問いかけは出典を明らかにして、自分の企業研修で使わせてもらっています。 ちなみに、この本の2(続編)も出ています。2冊揃えば送料も無料。「あわせて買いたい!」。 (★★★★★)

  • パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う

    パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う
    重要な本をお薦めするのを忘れていました。この本も結構、私の座右の書となっています。「ミッションステートメント」の重要性もコラム等で繰り返し述べてきました。それがしっかりしていないが故に、会社自体が方向性を見失い、社員も求心力をなくす。また、顧客のことも忘れてしまう。ミッションステートメントは壁に黄ばんだ紙に書いてあるものを、朝礼で呪文のように唱和するためのものではないのです。社員全員、全階層がそれを本当に理解し、行動できれば会社に強大なパワーが生まれるはずです。この本は「強い企業の強いステートメント」が紹介・解説された良書です。 (★★★★)

  • エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学

    エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学
    もはや絶版でプレミアがついて現在ユーズドで3万円!(昨年までは2万円以下でした。定価は8千円弱)。 しかし、一度は翻訳版とはいえ原書を読みたいもの。 私のコラムでもよく取り上げています。 様々なマーケティングの入門書にも部分的に取り上げられていますが、誤った解釈も多く、「イノベーションの普及速度」などの重要項目も抜けています。 ただ、基本的には社会学の学術書なので、完読するのはチトごついかも。(それで星4つ。内容的には断然5つですが。)3万円ですが、手にはいるならラッキー。 10万円にならないうちに・・・? (★★★★)

  • ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業

    ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業
    すみません。これは宣伝です。 Blogにも「共著で実践的なナレッジマネジメントの本を出しました」と紹介いたしましたが、この度第二版(重版)ができました。 初版で終わったしまうことの多いビジネス書において重版はうれしい! まだお読みになっていない方は是非! (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪

    フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪
    これも分かっている人向き。 コトラーの中では「最も今日的な本」であると言えるでしょう。コトラー大先生と私ごときを並べて語るのは不遜の極みですが、私が旧社電通ワンダーマンのニューズレターや日経BizPlusの連載でしきりに訴えてきた内容が集約されている気がします。うーん、大先生と何か視点が共有できているようで読んでいて嬉しくなってしまった一冊でした。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト
    今度は分かっている人向け。そういう人はたぶんもう買っていると思いますが・・・。 コトラー特有の大作ではなく、マーケティングの中でも重要なコンセプトを80に集約して解説を加えた、ある意味他のコトラー本の「攻略本」とも言える。 常にデスクサイドに置いておき、用語集として使うもよし、ネタに困ったときにパラパラと眺める「ネタ本」としてもよし。マーケター必携の本であると言えましょう。 (★★★★★)

« August 2012 | Main | October 2012 »

September 2012の5件の記事

2012.09.27

【連載リンク】金森努のロングセラー商品の戦略を聞く!・第13回:キャノン「EOS Kiss」

 今回はキャノン「EOS Kiss」。もうすぐ発売20周年なので、立派なロングセラーですね。実は金森は写真部だったという過去がありまして・・・。

 ・ ・ ・ ・ ・ 

  1993年に発売を開始して以来、ファミリー向け一眼レフカメラとして不動の地位を確立している「EOS Kiss」。これまでに、初代「EOS Kiss」をはじめとするフィルムカメラ7種、2003年に発表した「EOS Kiss Digital」をはじめとするデジタルカメラ10種が発売されています。イメージコミュニケーション企画本部・カメラマーケティング部部長の中村真一氏に聞きました。


○記事はこちらから!→http://bit.ly/SaDCwE


2012.09.24

専門誌がAKBとエヴァに取り組む意図とは:月刊販促会議の場合

 今月号はAKB48。来月はエヴァンゲリオン。何の話題かといえば、「月刊販促会議」の特集記事である。同紙はれっきとした販促・イベント・SP(Sales Promotion)の専門誌である。その証拠に、AKB48の前の特集は「ネット×リアルの集客・販促」だったり、「シニア市場のプロモーション」だったり、と専門誌らしいカタイ切り口に徹している。アイドルやアニメを特集に据えた意図は何だろうか。

月刊「販促会議」
http://www.sendenkaigi.com/books/back-number-hansokukaigi/867

 販促会議の記事はキャラクタータイアップ販促特集第1弾として、「検証!AKB48起用プロモーションの効果」という特集になっている。来月はそのキャラクターがエヴァンゲリオンだというわけだ。表紙には元AKB48メンバーの前田敦子が微笑んでいるが、内容はしっかりと販促の専門記事が並んでいる。

■手に取らせてこそ

 「出版不況」ともいわれる昨今だが、雑誌の落ち込みはその中でも特にひどいという。その原因は消費者の活字離れやネットメディアの台頭など諸説があるが、いわゆる「雑誌離れ」は確実に進んでいる。その環境下では、専門誌といえども「まず、手に取ってもらえること」を考えなくて部数は伸びない。定期購読者以外への拡販効果を狙ったのが販促会議の意図であることは間違いない。消費者の態度変容モデルである「AIDMA」で考えれば、A(Attention:注目喚起)→I(Interest:興味喚起)までをまずは獲得する作戦だ。
 だが、いくら興味を持って手に取ってもらっても、購買行動=A(Action)まで至らなければ意味がない。果たして、どのようなターゲットを想定してD(Desire:欲求喚起)→M(Memory:記憶)→A(Action:購買行動)とAIDMAを進ませようと考えたのであろうか。

■専門家だって趣味がある

 一つは離反顧客の再獲得を狙ったものだと考えられる。但し、狙いは「企業内個人」である。経費削減の折、企業は定期購読誌を減らしている。「会社が買ってくれないなら仕方ないか…」と、諦めてしまった読者に対し、キャッチーな特集をぶつけて自分の財布のひもをほどかせる戦法だ。その点、国民的アイドルであるAKB48なら、自分自身が少なからずファンである可能性も高く、個人の関心にヒットする可能性も高い。欲求喚起がなされ、購買までつながる期待が持てる。

■周辺層獲得を狙う

 もう一つは、販促の専門家以外を狙っての展開だ。雑誌を手に取って、目次を見ると「AKB48起用企業キャンペーンの裏側」などという記事が目に入る。アサヒ飲料 ワンダ/江崎グリコ アイスの実/NTTドコモ 応援学割…などのキャンペーンが列挙されている。一消費者として目にとまった、もしくは参加したキャンペーンも多いだろう。そんなキャンペーンの「裏側」といわれては、興味が掻き立てられないワケがない。ちょっと「販促・イベント・SP」という領域に興味がある新たな読者を引きこむ効果も狙っているはずだ。

■チャネルをおさえる

 前述のように、キャッチーな特集は離反客と新規客双方に対して、「まず手に取らせる」ことを狙ったものであるが、そのためにもまず、販売チャネルである書店に注文を出してもらい、店頭に並べてもらうことが欠かせない。ターゲットである最終消費者のことを意識しても、つい忘れがちになるのがチャネル対策だ。その意味では、専門誌でありながら書店主の誰もが知っているキャラクターを特集タイトルと表紙に持ってくるのは大正解であるといえる。その成果として「注文票にいつもは見かけない書店名を見つけたり、注文量がいつもと一桁違ったりという効果もありました」(関係者談)ということだ。

 ターゲットの購買動機と行動を考えて離反客を取り戻す。新規客獲得のための間口を広げる。そして、そのために流通チャネルをおさえる。そうした展開は基本であるが、専門誌という枠にとらわれない柔軟な特集企画が今回の「月刊販促会議」の成功要因であるといえる。市場縮小は多くの業種でも共通の悩みだ。この事例からも学ぶべきだろう。


2012.09.18

「親孝行」を訴求するNTTコミュニケーションズの意図とは?

 NTTコミュニケーションズより、『「親子間のデジタル・コミュニケーション」に関する調査レポート』というニュースリリースが配信されていた。『離れて暮らす親に… 広がる “デジタル親孝行” 親とのコミュニケーションはデジタル派 → 親孝行意識や帰省頻度 アナログ派よりも高』というタイトルの興味深い内容であるが、その狙いは何だろうか。

 調査対象者は<両親と離れて暮らす30歳から49歳までの男女計1,000名を対象>だが、その中で、<離れて暮らす親に手紙を送ったり、固定電話で会話をするといった手段を“アナログ手段”、パソコンや携帯のメールを使ったり、インターネット通話を活用する手段を“デジタル手段”と定義して分類した結果、“デジタル手段のみ”を活用していると答えた人が50.0%と最多で、“アナログ手段のみ”と答えた人の19.3%、ならびに“アナログとデジタルを併用”と答えた28.4%を大きく上回>ったという。具体的にデジタルとは、<「携帯・スマートフォンでの通話」(88.4%)、次いで「(PC・携帯などの)文字メール」(44.0%)、「(PC・携帯などの)画像つきメール」(14.4%)>だという。
 さて、タイトルにもある、「離れて暮らす親とのコミュニケーション」だが、<離れながらも「週1回以上」の高い頻度でコミュニケーションをとっている人は、デジタル派では約3人に1人(31.8%)と、30、40代の全体平均29.4%やアナログ派の20.2%よりも高いことが分か>ったという。また、<帰省シーズンに里帰りをする頻度については、「多い」と答えた人はデジタル派で52.8%と、これも平均(51.0%)より高かったのに対し、アナログ派は44.0%>だったという。

 その他、<デジタル派のコミュニケーション手段として「(PC・携帯などの)画像つきメール」が一定の割合(14.4%)で活用されているというデータに基づき、「日常的に親に写真を送る頻度」について、デジタル、アナログの手段を問わず調べたところ、「頻繁にある」「たまにある」と答えたデジタル派の割合は33.2%となり、3人に1人が一定の頻度で親に写真を送る習慣があることがわかりました。これは、アナログ派の21.6%よりも高い割合となっています>など、他にも興味深い数字が並ぶが、結局の所、この調査のオチはどこに行くかといえば同社のクラウドサービスにつながる。
 【NTTコミュニケーションズ「思い出あんしん保管 for マイポケット」 サービス】
  公式サイトURL: http://omoide.ntt.com/

 同サービスは<大切なアルバムをデジタル化するサービスです。公式ウェブサイトからお申込みいただき、アルバムを受付センターにお送りいただくだけで、デジタル化されたデータの入ったDVDをご自宅にお届けします。届いた後は、NTTコミュニケーションズのオンラインストレージサービス“マイポケット” にアップロードしてデータ保管したり、テレビ用DVDで楽しんだり、パソコンで加工したりして楽しむことができます>というものだ。

 世界的な広告グループであるヤングアンドルビカム(日本では電通ヤングアンドルビカム)のブランド価値評価システム「BAV(Brand Asset Valuator)」によれば、 Brandの価値は4つの柱(4pillar)で構成されているという。Relevance(適合)、Differentiation(差異)、Esteem(尊敬)、Knowledge(知識)である。わかりやすくいえば、どれだけ消費者にとって自分にピッタリと感じることができ、他と差異化ができていて、尊敬に値する対象であり、よく知られているかという要素だ。

 NTTコミュニケーションズの提供サービスに類似したクラウドサービスは他にもあるだろう。また、今後も登場してくるに違いない。Differentiationを発揮するのは難しい。そこで、消費者にいかにアピールするかが問題となる。
 同社のブランド価値は、誰もが知っている知名度だ。その点においてKnowledgeは活かすべき武器である。だがそれだけでは具体的にサービス利用にはつながらない。そこで、「親孝行」というある年代にはキャッチーな切り口での訴求をしているのだ。つまり、「このサービスは自分にピッタリだ」と思わせる。Relevanceを高めているのである。

 誰にでも受け入れられるサービスを提供するのは難しい。故に、ターゲットを絞り、そのターゲットの関心事を切り口で「自分にピッタリ」というKBF(Key Buying Factor=購入理由)を訴求するのがこのリリースの意図なのである。

2012.09.10

試して買って、食べてみて!ロッテ「チョコパイ」の場合

 9月9日付日経MJ記事によれば、ロッテはチョコレートケーキ菓子「チョコパイ」の発売30周年を前に、製品リニューアルと大規模販促を展開するという。その狙いは何だろうか?

 製品リニューアルは既に完了し、8月21日に発売が開始されているという。ケーキ生地のしっとり感や口溶けの良さを向上し、チョコレートの風味も向上させたという。しかし、そこまでは「いいモノを作る」という話。モノ(Product)がいいだけでは売れない。ロッテは販売店の棚をしっかり押さえるというチャネル(Place)の支配力に長けているため、配荷も順調に進むだろう。だが、問題はそこからだ。消費者に手に取って、買ってもらわなければ話にならない。そこで、広告・販促(Promotion)の攻勢と、それと連動した価格(Price)設定が求められる。

 日経MJの記事によれば、広告・販促攻勢は30周年を迎える来年9月まで続くという。CMの投下量もかなりのものになるだろう。店頭販促(POP)も充実させるようだ。だが、ここはそれ以上に「売り方の工夫」に注目してみたい。
 ロッテが今回展開したのは「ばら売り」である。通常は店頭予想価格298円前後の6個入り箱や9個入り大袋で販売されているが、「お試し」用の1個30円の小袋も併せて陳列。スーパー、コンビニで100万個を売り、通常品の販売につなげるという。

 消費者の態度変容モデルにAMTULというものがある。Awareness=認知→Memory=記憶→Trial=試用→Usage=日常利用→Loyalty=ロイヤル顧客化である。そのフレームで考えれば、CMの大量投下で認知は獲得できる。売り場の棚を良位置で獲得し、POPを並べれば、「買いたくなったらいつでも買おう」という記憶を消費者に植え付けられる。だが、せっかくリニューアルしても普段から購入習慣がない消費者の手に取らせることは難しい。そこで、「お試し・30円のばら売り」なのだ。つまり、Trial=試用。棚(Place)は、通常商品の横だけではなく、レジ横などの好位置も確保してくるだろう。そして、30円という価格設定(Price)も絶妙だ。レジ横の「ついで買い」の定番、「チロルチョコ」は20円。それと10円差でかなりのボリュームと満足感が得られるのである。ついつい手が伸びる人も多いだろう。

 それでも菓子になかなか手を伸ばさない人もいる。そんな人にはどうするか。チョコレートが溶ける暑い季節が終わったら、ばら包装品を用いて街頭サンプリングキャンペーンも展開されるだろう。そうして、徹底した試用(Trial)を促進し、通常商品の日常利用(Usage)につなげていくのである。

 「チョコパイ」が製品を全面リニューアルするのは初めてだという。ロングセラー商品も黙っていては売れない時代だ。故に、昨今、製品リニューアルなどで勝負をかける例が散見される。ロングセラー商品はロイヤル顧客を持っているという優位点があるが、その顧客がやがて歳を取って離脱していくというリスクも抱えている。故に、リニューアルで新たな顧客層を取り込んでいくことが欠かせないのである。
 「チョコパイ」は広告・ばら売りなどの攻勢でどこまで試用(Trial)→日常利用(Usage)という顧客を取り込めるかが、定番の座に君臨し続けるカギとなると予想される。

2012.09.05

「見てるだけ」ではない、ニッセンの新展開!

 「見てるだけ~」を覚えているだろうか。1994年放映のカタログ通販・ニッセンのCMだ。
英文学者(元大学教授)、フェミニスト運動家のタレント・田嶋 陽子の起用でも話題になった。

 

 女性グループがアパレル店の店頭で口々に「見てるだけ~」と言って商品を品定めして店を出て行く。キャッチコピーは「店で調べて家で買う」だ。
 さて、それから20年近く経過した今日、ニッセンは新たな「見てるだけ」の展開を始めた。いや、見てるだけではなく、写真を撮ってもいいのである。

 2012年9月4日付・日本経済新聞消費欄コラム「旬スポット」には「撮ってもいい試着室」という記事が掲載された。ニッセンがセガと提携し、「梅田ジョイポリス」で始めたサービスだ。
 通販でしか手に入らない服を1着100~200円払って試着(500円で試着し放題)し、最新のプリントシール機を使用して撮影するというしくみだ。無料で髪をセットする美容室の出張サービスもあるという。

 カタログ通販がメインのニッセンにとって接点の少ない、プリントシール機を利用する層の開拓はブランドを高齢化させないためにも欠かせない。また、ZOZOTOWNなどのネットアパレル通販の成長に指をくわえてみているわけにも行かないのだ。顧客接点をどう作るか。その試行の一つがこのセガとの提携なのである。だが、誰でも彼でも接点を作ればいいというわけではない。同社の商品にお金を払ってもいいという、高関与度を持った見込み客を取り込みたい。故に、最低100円を払って試着をさせるという「足切り」のハードルを設けているのである。

 この展開をフレームワークで考えてみよう。今まで接点のなかった顧客層に「お試し体験」をさせるという考え方は、通販事業者の基本の基である「AMTUL」つまり、Awareness:認知→Memory:記憶→Trial:試用→Usage:日常使用→Loyal:ロイヤル顧客化という消費者の態度変容プロセスで設計されている。特に「認知」がない消費者を「試用」させるというのが、シールプリント機でのお試し撮影のキモなのである。

 ニッセンの狙いはそこだけではない。プリント機で撮影した画像はデジタルになっている。記事では<画像データは携帯電話で友人らに送れるので、自慢したり交換したりして楽しめる>とある。これはネット時代の態度変容モデル「AISAS」つまり、Attention:注目→Interest:興味→Search:検索→Action:購買行動→Share:共有というプロセスのうち、有料試着撮影という議事購買をして、その結果がシェアされるAISASの後半を狙ったものだといえるだろう。

 「見てるだけ~」のCMから18年。古くて新しいO2O(ONLINE TO OFFLINE)というキーワードも登場してきているが、ポイントは「自社にとって必要なターゲットを見極めること」と、「その行動を確実に促進させること」に他ならない。その意味では、型にはまった概念やフレームワークにとらわれる必要はなく、課題解決のための独自のプロセス設計が求められるのだ。ニッセンのユニークな施策に注目してみたい。

« August 2012 | Main | October 2012 »