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2012.06.20

シニアターゲットで生き残りを狙う第一興商

 今日、カラオケボックス業界は衰退の危機に瀕している。2007年度の市場規模は4270億円で10年前比35%低下であるという。施設でみれば、ルーム数も129,400室と同10年前比8割の水準である。(全国カラオケ事業者協会調べ)市場は成熟期を過ぎ衰退傾向が顕著である。そんな環境下で生き残りを賭けた一手を第一興商が放った。

 6月20日付けの日経MJ記事によれば、同社は奈良に所有する温浴施設にシニア向けのカラオケコーナーを開いたという。体操用にアレンジした歌謡曲などの演奏に対応した同社のカラオケマシンを設置して、体操や歌謡教室を週1階1時間、無料で開催する。
 同社は教室を施設の目玉と位置付けているようだ。2012年度の年間入場者数で11年度比4割増の10万人を目指すという。

 もちろん第一興商の本業は温泉施設の運営ではない。カラオケボックスの運営である。いかにそこにつなげるかがキモとなる。
 温浴施設での展開のミソは、「週1回1時間」というところだろう。明らかに物足りない。そこで、実は施設内にはカラオケルームが4つ併設されているという。「それでもまだ足りない!」というシニアは街中の同社カラオケボックスに足を運ぶに違いない。

 成熟産業で生き残りを目指すなら、一つは「新市場への展開」が考えられる。「新市場」といっても2通りの意味がある。一つは文字通り「地域的な拡張」だ。多くの産業がアジア新興国を目指しているのがそれだ。もう一つが「新たな属性への拡張」である。女性向けラインのブランドが男性向けを出すという展開などはそれにあたる。第一興商の展開は正にそれにあたる。
 街中のカラオケボックスをみてみれば、若者をメインとして、夜は二次会の会社員や、まれに昼間利用のママ友などが利用層で、シニアの姿はほとんど見られない。その未開拓層を温浴施設から既存の自社カラオケボックスに送客することが、この温浴施設の「歌謡教室」の裏ミッションなのである。恐らく、温浴施設オリジナルの体操曲や楽曲も既存店全店に配信されるようになるに違いない。

 「販売シナジー」という。販売拠点を活かして新たなビジネス要素との相乗効果を生む。例えば、セブン銀行はセブンイレブンという顧客ベースと販売拠点を活かしてATM事業を始めた。第一興商は街中に数多くのカラオケ店があり、そこをシニアの受け皿とすることを考えているのだ。

 日本市場は成熟し、今後衰退していく可能性も濃厚だ。そんな中で生き残りを図ろうとするなら、今まで見逃していた属性はないかを見直すことと、自社内で活用できるシナジーが働く既存のリソースがないかを洗い出すことが欠かせないのである。

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Comments

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

Posted by: 履歴書の封筒 | 2012.09.12 at 12:25 PM

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