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20 posts from March 2012

2012.03.30

大人用「瞬足」の真のターゲットは誰だ?

 子供用シューズとして大人気の「瞬足」に大人用が登場した。確かに子供用があれば、大人用もアリだが、そのありそうでなかった商品の真のターゲットは誰なのだろうか。

 オトナとしては、どうせランニングシューズ買うならナイキとかアディダスとかカッコイイブランドの物が欲しい。もしくは、走りに徹するならショップで足を三次元計測してくれてピッタリのものを選んでくれるアシックスも捨てがたい。・・・というより、ランニングブームのイマドキ、シューズの一足や二足は誰でも持っている。走らない筆者の靴箱にもアシックスが眠っているぐらいだ。
 そう考えると、子どもに大ヒットし、「強大なリーダーブランド」となった瞬足も、オトナにターゲットを拡大した瞬間に国内外のビッグブランドに挑む「無謀なチャレンジャー」となってしまうように思える。

 初の大人用「瞬足」が発売(fashionsnap.comより)
  http://www.fashionsnap.com/news/2012-03-29/shunsoku-otona/  

 上記の記事を昨夜Facebookで紹介したところ、即座に「いいね!」を押した人が多数いた。その人はどんな人で、どんなニーズを持っているのだろうか。
 フツーにシューズのランニングシューズのターゲットを考えれば、ランニング初心者・中級者・上級者というレベルに色柄の好みを考えて、男性・女性、若者・中高年というようなセグメント条件を掛け合わせて導き出すのだろう。
 しかし、駿足のターゲットは属性セグメントから導出はしていない。それは「子供の前で、勝ちを掴み取りたい!」という親の究極の「ニーズ対応型」のターゲティングである。

 商品としては、<「瞬足」は、小学校のトラックが「左回り」である事に着目し、左右非対称のソール形状を採用した><「左右非対称ソールでコーナーを駆け抜ける」というコンセプト>という特徴をそのままに、<校庭・園庭など狭いグランドを想定して、大人の体重やスピードに対応する機能を搭載>したという点が今回のウリだ(記事より)。「これなら父兄リレーで勝てるかも!」と運動会でいいとこ見せたい親心に訴えかける、ニクイまでのKBF(購買理由)の提示のしかたである。
 確かに父兄リレーは運動会の華であるが、本気でその競技に出場して走る人ばかりではない。しかし、幼稚園・保育園の運動会なら必ず何らかの競技に親は駆り出されて走ることになる。その時、「○○ちゃんのお父さん、お母さんはもう買ったって!きっと速いよ!」という強力なDMU(Decision Making Unit=購買決定関与者)である子どもが機能して親の背中を押すのである。
 そんな短時間の競技のために、ランニングシューズをもう一足新調するのは・・・という人もいよう。しかし、「子どもとお揃い」という抗いがたい魅力がそこにはある。何と言っても、子どもがお揃いを喜んでくれる時期など短い。それが強力なKBFとなるのだ。

 「ターゲットは属性から考えるのではなく、ニーズから考えよ」が、鉄則だ。消費が高度化した今日、性・年齢・職業などのセグメント条件からは共通したニーズを導き出すことは難しい。むしろ、ターゲットを見誤る原因だ。例えば、「運動会」というシーン。そこにはどんなニーズが眠っているか。そこを深掘りして、潜在ニーズを顕在化させ、そのニーズの持ち主の属性を明らかにする。そうした、「ニーズ発のターゲティング」こそがヒットにつながるのである。


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2012.03.29

バンダイのiPhoneロボット玩具のマーケ戦略を勝手分析する

 バンダイが育成型ロボット玩具「スマートペット」を発表した。iPhoneやiPod(touch)と胴体を合体させて遊ぶ。スマートはどうやら、「スマートフォンをペットにする」と「スマート=賢いペット」という意味で使われているようだ。さて、この商品、どのようなマーケティング戦略が組まれているのだろうか。

 どのようなターゲットにどう売ろうとしているのかを考えたい。注目したいのが販売目標数字である。なんと、メディアの報道によれば20万個だという。
 新型自動車を街で「よく見かけるな」と思うようになる累計販売台数は10万台を超えたあたりからだという。(ちなみに、日本国内での「プリウス」の累計販売台数は、2011年8月末までに約102万台と、100万台を突破したとトヨタが発表した)。
だとすれば、20万台はよく見かけるという閾値の倍なので、あちらこちらでスマートペットを見かけるようになるのだろうか。今となっては懐かしい、ソニーの犬型ロボット「AIBO」を連れ歩いている人がかつていたが、同商品は初期型で約28万円。第2型で約18万円と肥饒に高価だった。だが、スマートペットは6,500円だという。頭脳であるiPhoneやiPod(touch)は付いていないにしても、桁違いの安価さだ。だとすれば、大ヒットして、あちこちで見かけるようになるのも現実的かもしれない。

 ターゲットは誰か。iPhoneのユーザーを元に考えてみよう。
 iPhoneの国内普及台数は約800万台だという。だとすれば、20万台は2.5%にあたる。
 2.5%。この数字に見覚えのある人も多いだろう。イノベーション普及論で有名な、E.M.ロジャースのいう、「イノベーター」が市場に存在する比率だ。それに続く「アーリーアダプター」が13.5%。そこから一気に普及に火が付き、「アーリーマジョリティー」へ伝播するという説だ。しかし、その手前の16%にはジェフリー・ムーアが提唱した「キャズム(溝)」があり、そこを超えることが特にハイテク製品においては大ヒットに向けた試練となるのである。

 目標20万台というと、前述の通りiPhoneユーザー中のイノベーターとピッタリ同じだが、全員が買うわけではないので、iPod touchユーザーも取り込まなければならない。また、アーリーアダプター層への働きかけも必要だ。
 イノベーターだけを狙うのであれば、特に大きなアクションをせずとも新商品に飛びついてくれるのを待てばいい。広報・PRをキッチリしていれば、その情報を目ざとくキャッチアップするのがイノベーターだからだ。
 だが、3月28日付の日経MJの記事によれば、カッチリしたマーケティングミックスを展開するようだ。

20万台の目標達成のために、「黒木メイサさんをテレビCMに起用し、黒木さんの新曲プロモーションビデオにも登場させる」と記事にある。プロモーションにコストをしっかり投入するのだ。
 予定価格の6500円は、前述のソニーの「AIBO」は最終版に近い普及型でも7万円台だったことを考えると、(頭の部分は付いてないにしても)かなりの安価設定であることがわかる。「ペネトレーションプライシング(市場浸透価格設定)」だ。価格設定のポリシーは、いかに早く市場のシェアを奪取すること。恐らく、ソニーのAIBOが本格的なロボット技術の粋を結集して作られた(その技術は後にソニーからトヨタ自動車に売却されている)ものであったのに対し、あくまでスマートペットは玩具なのだろう。他メーカーが模倣しようとすればできる。故に、低価格でいち早くシェアを取りに来ているのだ。そして、「キャズム超え」を20万台の販売目標をバネに達成を目指し、次なる目標は規模の経済を活かして生産原価を低減し、値下げしてより広く普及させることに置いているのだろう。アーリーマジョリティー層の獲得に走ることが予想される。
 商品、プロモ、価格というマーケティングの4Pの要素の3つが「普及」を目指して組まれているとなると、残る1つ、販売チャネルも全方位で展開されると考えられる。オモチャとしてだけではなく、スマホ売り場、PC(iPad)売り場、音楽プレイヤー売り場などあちこちで見かけることになるだろう。

 バンダイの20万台に向けたチャレンジは、どこまでインテグレート(統合)されたマーケティングプランをスマートに展開するかにかかっているといえるだろう。

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2012.03.28

ロッテ・新商品「ZEUS」にいたる長い道のり

Zeus


 3月27日新発売のロッテのガム「ZEUS(ゼウス)」。刺激の強いこの味に行き着くためのロッテの道のりを思うと涙が出る。

 2004年を境に、ガムの消費量は右肩下がりになっている。(日本チューイングガム協会調べ)。ロッテはガム市場の6割のシェアを握るリーダー企業。最も影響が大きい。さらに・・・
顧客咀嚼力が弱まり、噛むという行為を嫌う。競合としては、グミやタブレットなど代替品が多数存在する。ガムの身の置き場はもはや存在しない。

 そこで、ロッテは一計を案じた。顧客は「柔らかな噛み心地」を望んでいる。故に、「噛むとフニャン♪」の「Fit's(フィッツ)」を作った。大ヒットした。・・・とここまでは成功物語第一幕。

 せっかくのヒットを一過性のものにしたくはない。
 若者がもう一つ苦手にしているのは、「刺激の強いミント」だ。そのため、フィッツはフルーツ味をメインに押し出した。「ミックスベリー味」は生産が追いつかないほどの人気になった。だが、「ガムはミント味が本道。本道ほど習慣化しやすく、その味こそが優良顧客を育てる」という信念がロッテにはあった。だからこそ、フィッツの3種の味のうち、1つは弱めのミント味にしておいたのである。

 フィッツの第二幕は密かに上がった。噛み心地を密かに強くしたのだ。つまり、ガムベースの比率アップ。「噛む」という行為に慣れさせようと画策したのである。

 第三幕も比較的地味な場面転換だ。少し強めのミントの味を投入したのである。
 そして、第4幕は冒険だった。ターゲット年齢を30題まで広げ、味もミント系をメインとし、噛み心地が30分持続するフィッツブランドの派生商品「フィッツLINK」を投入したのである。はっきり言えば、それは本来、同一ブランドで上市すべきものではない。だが、若者が慣れてきたフィッツブランドで投入することによって、10~20代の若者にも手を出させたかったのである。
 新商品はヒットした。しかし、二の矢、三の矢が用意されていた。噛み心地の持続時間を徐々に延長したのである。それは、ロッテによる若年層に対する「咀嚼教育」とでもいうものである。

 そして、ついに、フィッツブランドでない新商品を上市した。それが、「ZEUS(ゼウス)」だ。
 ターゲットは「咀嚼」には十分慣れた。次は「刺激」だ。そこで、舌にピリピリくる「ティングリング成分」を配合したソフトキャンディーをガムで挟み、最初に刺激が伝わり、あとからミント味が広がるという商品に仕立てたのだ。それは、「クセになる味」を狙っているのだ。

 ガムの復権を狙ったロッテの深謀遠慮が今回の商品には隠されているのである。
 急いては事をし損じる。事態打開を一気に狙いたくなるのは心情であるが、このロッテの我慢強いターゲットに対する働きかけと、段階的な商品開発からは学ぶべきところが多いだろう。

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2012.03.26

「自分事化」の本当の意味は「ピッタリ感」

 マーケティングや環境問題のキーワードとして、昨今「自分事化」が言われている。3月26日付の日経MJコラム「八塩圭子ゼミ」も「『自分事化』の重要性」というタイトルであった。そのポイントはなんだろうか。

 記事では「(差別化困難な時代において)『これはまさしく自分のための商品、サービスだ』と消費者に認識して貰うこと、つまり『自分事化』が一番のマーケティング課題となる」とある。
 同氏の解釈で秀逸なのは、記事中でブランド論の大家、デビット・A・アーカーが2004年から著書に記している“ブランド・レレバンス(relevance)”という言葉を引用していることだ。当初「関連性」と訳されたが、恩蔵直人先生が近著で「自分事化」の訳語を充てた。

Urukoukoku


 実は“relevance”という概念を早期にマーケティングに取り入れたのは、ダイレクトマーケティングの父・タイム誌が選んだ「20世紀の3台広告人」であるレスター・ワンダーマンである。
 彼は、「“CRM(Customer Relationship Management=顧客関係管理)”」という概念の“R”の文字をrelation=関係性ではなく、relevanceとすべきであると自らの概念を置き換えた。ナゼなら、2000年当時、CRMの概念が巷に満ちあふれ、企業からの消費者(顧客)に対する押しつけにも近い関係性が蔓延したからだ。
 ワンダーマンは言う。「自分は毎日コルゲートの歯磨き粉で歯を磨いている。しかし、『コルゲートと、今、自分は関係性を持っている』と感じることはない。しかし、その製品を使い続けている理由は、『自分にピッタリだ』と思うからだ」(ワンダーマンの売る広告・翔泳社、及び講演会より)。

 「自分事化」というキーワードは確かに判りやすい。しかし、筆者はまだ、そこに企業と消費者の対等感を見いだせない。「自分事化」に続く言葉は「させる」ではないか。(消費者に『自分事化させる』)。それよりも、「自分にピッタリだと思ってもらう」の方がしっくりこないだろうか。環境問題や社会貢献にしてもそうだ。「自分のできることとして、これがピッタリだ」と思って自発的に行動してもらうという方が、危機感醸成や押しつけ的な問題意識の喚起にならないだろう。

 所詮、人は「他人事」では動かない。その意味では「自分事化」は重要だ。だが、さらにそれが「自分にピッタリ」と思ってもらうことはさらに重要だろう。そこに、「モノゴトに対する愛着」が発生するからだ。故に、「自分事化」→「ピッタリ感」という流れを以下に形成するかがカギであると思う。

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2012.03.23

掟破り?「はなまるうどん」の他社割引券吸引戦略!

 讃岐うどんの「はなまるうどん」が奇策を展開する準備をしている。なんと、他社発行の有効期限切れ割引券・金券を持ってくれば、300円以上の飲食代金から一律50円を割り引くというのだ。

 3月23日付日本経済新聞消費欄の記事によれば、新施策は4月2日から開始される。
 はなまるうどんの見出した商機は、即時の消費者調査がヒントになったようだ。同調査では、「消費者の約4割が期限切れの割引券などを持っていると答えたと」と記事にある。対象となるのは、「割引券の他に商品券のほか、乗車券や株主優待券なども受け付ける」という。

 この施策の効果はどのような所にあるのか。まず、消費者心理から考えてみよう。
 せっかく手に入れた割引券や金券。しかし、ふと気がつくと期限切れになっている。何とも残念な気持ちいっぱいになる。そんな時、「それ、うちで使えますよ!」とはなまるが手をさしのべるのだ。「はなまるって、いいヤツじゃん!」というパーセプションを獲得することができる。それは、自社の既顧客ばかりではない。今まではなまると接点のなかった潜在客、「丸亀製麺」など同業他社を利用していた競合顧客を引き込むことができるようになるのだ。

 「市場資産の負債化」という。競合や他社が割引券や金券で自社の顧客、または見込み客としたターゲット層を、自社では割引券の製作や配布のコストを全くかけずに取り込む。つまり、競合や他社は結果的にはなまるのためにコストをかけて自社の割引券や金券を発行したことになるのだ。 はなまるの調査結果のように、一定の割合で期限切れは発生する。発行元の企業は一度期限を切ったからには、券を受け入れることはできない。その時点で、それがそのまま、はなまるの商機となるのである。先行企業が積み重ねた「市場資産=顧客・見込み客の数」という優位性を無効化するというという戦略なのである。

 筆者ははなまるの施策には第2幕があるように思えている。「期限切れの券」という枠を取り払い、期限内であっても、どこの券でも持ってくれば50円引きという展開で、一層他社の「市場資産=顧客資産」を積極的に、自社はコストをかけずに取り込むという展開だ。市場には各種の券が満ちあふれている。それらを全て自社のビジネスチャンスにするのである。

 他社チケットで割引。通常では考えられない逆転の発想が厳しい競争環境においては求められるのである。常識にとらわれず、自社の攻めどころを考える姿勢をはなまるうどんから学びたい。
(参考:「逆転の競争戦略」生産性出版・山田英夫 著)

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2012.03.22

100円ショップのブルーオーシャン・セリアの場合

 100円ショップ業界第2位のセリアが運営する「カラーザデイズ」が進化を遂げようとしている。同社が目指す新たなポジショニングはどこにあるのだろうか。

 2002年頃、業界の成長期にあった100円ショップ業界。現在は完全に過当競争が続き、「ブルーオーシャン戦略」のW・チャン的にいえば、血で血を洗う「レッドオーシャン」と化している。その中で、セリアは業界第2位の座をキャンドゥからもぎ取ったという過去がある。(業界1位は不動の地位でダイソーが占めている)。

 もぎ取ったという表現は正確ではなかったかもしれない。同社の成功のヒミツは「バリューイノベーション」である。顧客にとってあまり重要ではない機能を「減らす」または「取り除く」ことによって、企業と顧客の両方に対する価値を向上させるのだ。セリアは「カラーザデイズ」という店舗ブランドを立ち上げ、「オシャレ100円雑貨ショップ」という独自のポジショニングを確立した。ポイントは3点だ。取扱商品をデザイン性の優れた雑貨のみで構成。什器の高さを抑えて通路も広くし、ゆったりした店内を実現した。その代わり、商品点数を絞り込んだのである。つまり、取ったポジションは「オシャレな品揃え×オシャレな店内空間」だ。

 3月19日付日経MJの記事によれば、セリアはカラーザデイズの店内をリニューアルさせる模様だ。新型什器を導入したとある。それによって、商品点数を3割増やしたという。
 これは一つの勝負だったであろう。品数を減らしゴチャゴチャした店内にしないことが、レッドオーシャン離脱のキモである、セリアが見出したKSF(Key Success Factor=成功のカギ)であったはずだからだ。しかし、いつも代わり映えのしない品揃えではやがて魅力を失う。100円ショップ来店客のKBF(Key Buying Factor=購入理由)の1つは品揃えであることは否めないのだ。

 セリアは一つの解を見出していた。什器の数を増やすものの、幅を狭くして通路のスペースを確保。店のゆったりさを損わないようにしたのだ。通路の幅や店としてのゆったりさを損なっては独自のポジショニングを失い「ただの100円ショップ」となって、レッドオーシャンの戦いに逆戻りするからである。新たなポジショニングは「品揃えの多さ×オシャレな商品&店内空間」だ。

フィリップ・コトラーは「マーケティングの最重要課題の一つはポジショニングである」と著したが(コトラーのマーケティングコンセプト:東洋経済)、まさにセリアの「カラーザデイズ」の成功のポイントはそのポジショニングを堅持している点にある。

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2012.03.21

スタジオアリスが妊婦を狙う戦略とは?

 3月19日付日経MJに子ども写真スタジオの「スタジオアリス」の記事が掲載されていた。タイトルは「子ども撮影拡大 『出産前』に的 店舗で育児セミナー 愛着育み珊瑚利用促す」とある。写真のキャプションには「出産を間近に控えた女性がカラダをリラックスさせるマッサージの講習を受ける」と記されている。さて、その狙いはなんだろう。

 記事内容は概ねタイトルに表されているが、イベントに参加できるだけではない。「セミナーで撮影した妊婦姿の写真は台紙に入れて配るが、出産後のお宮参りとお食い初めの写真を入れられるように2枚分のスペースを空けてある。再来店したくなる仕掛けだ」という施策が出色である。自分の写真だけ撮って、あとは空きのままにしておく人はそんなに多くないだろう。数字が記載されていないが、半数以上は取り込めているだろうと思う。

 ただ、この施策の難しい所は「無料」とはいっても、来所の来店のハードルがそれなりに高いことだろう。写真スタジオでマッサージの講習を受けるとはいっても、出産後の子どもとの撮影を狙っているのは見え見え。それを覚悟で参加するのだから。
 そこで重要なのは、「紹介」だ。記事にはないが、恐らくこの施策は広告などで大々的に告知をする必要はないはずだ。ナゼなら、妊婦仲間が連れ立ってスタジオに来るからだ。既に一度参加した妊婦が友人に紹介をする。それであれば、一気にハードルは下がる。

 顧客紹介は優良顧客からが最も多いと思われがちだが、「鉄は熱いうちに打て」の場合もある。セミナーに参加して、撮影もしてもらって全て無料という至れり尽くせりに感動した見込み客は、妊婦仲間にセミナーの様子を伝え、2カット分空いた撮影したアルバムを見せる。青田買いの拡大再生産である。
 お試しサンプル無料の再春館製薬所も、実は顧客紹介は初回購入をしたばかりの見込み客からが最も多いのである。【サンプルを受け取ってから、購入まで至る「引き上げ率」は通常の25%に比べて、42~3%に上る】という。(誠文堂新光社「広告ビジネス戦略」鈴木準・金森努 著)

 「損して得取れ」が商売の基本だが、少子化・人口縮小でターゲット顧客の取りこぼしが許されなくなってきている昨今、このスタジオアリスの施策から学べる所は多いだろう。

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2012.03.19

駅売店でディズニーリゾートのチケットを売る戦略とは?

 3月19日付日経MJに「駅売店でTDR入場券 東京メトロ 1000円安い平日用」という記事が掲載された。手軽に買えてお得なチケット。ファンにとっては朗報だが、その施策の背後にはキレイなマーケティングの整合性が隠されていると考えられる。

 記事によれば、これまでも改札外の定期券売り場でTDR(東京ディズニーリゾート)の入場券を販売していたというが、それがエキナカに登場したというわけだ。3月20日から6月末までの期間限定施策である。
 ターゲットは誰か。当然、通勤・通学客だ。そのターゲットに向けて平日限定1000円引きのチケットという商品(Product)を売る。TDRに行く人は通常は休日を予定日にして事前に計画を立て、チケットも用意しておくであろう。それを、「平日に行ってみよう!」と思わせるように背中を押す最大の武器が、価格(Price)と販路(Place)なのだ。1000円引きというお得感は、衝動的にTDRにいってみたくなる。そして、それが目の前のエキナカ売店ですぐに買えるのだ。もう、アメやチョコ、新聞・雑誌を買っている場合ではない。

 TDRが割引してまでチケットを売る意図は、稼働の平準化であることは間違いない。平日に休みを取ってランドやシーに行ったことがある人なら判るだろうが、結構な勢いでガラガラだ。どんな乗り物も待ち時間少なく、スイスイ乗れる。ショーだって長時間場所取りをせずにバッチリいい所で観られる。一度平日に行くとクセになる。
 だが、「平日にディズニーに行くって・・・」と心理的な障壁は意外と高い。それが、毎日利用する駅売店に「ディズニー割引チケット有ります」的な掲示をされていれば、刷り込み効果を発揮する。地味だが確実な販促(Promotion)であるといえるだろう。

 「よし、行っちゃおう!」と思った所で、平日に休んで一人でTDRに行くほど寂しいことはない。よほどのマニアでなければ。必ず、友人を誘うはずだ。そして、めでたく友人を巻き込むことに成功したとしても、一つハードルが残る。チケットの確保だ。通常、言い出しっぺが立て替え払いをして買うだろうが、価格的にまとめ買いは負担が大きい。そんな時、地下鉄の駅売店なら、「各自購入して当日集合!」ということもできるのだ。

 TDRは紛れもなく「夢の王国」だ。ランドもシーも。では、駅売店はどんな存在となるのだろうか(ポジショニング)。前述の通り、なかなかハードルの高い平日のTDRを身近にするという存在だ。「夢の国の入り口は、意外な所にあるんだよ」というのが訴求したいコンセプトであろう。

 良いマーケティングプランにはターゲティング→ポジショニング→4P(Product・Price・Place・Promotion)の一連の整合性がある。今回の駅売店販売でのチケット販売も、新たな販路(Place)が加わっただけとみればそれまでだ。だが、そこには前述の通り緻密な整合性が仕込まれているのである。

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2012.03.16

「チン」して試して、買った後・・・ルクエの場合

 3月16日付日本経済新聞消費欄コラム「消費の現場」。「お試し調理、好きな具“チン”」というタイトル。スペイン発のレンジでチンする調理器具「ルクエ」を使ってランチの具材を実際に調理して食べるカフェが東京・渋谷にオープンしたというが、その狙いはどこにあるのだろう。

 記事によればカフェでの試し方は以下のような手順だ。
 「冷凍生パスタが入ったルクエのスチームケースが席に運ばれる。そこにペペロンチーノ、カルボナーラなどのソースをかけ、野菜や肉類など20種以上ある具材から好みのものを選んで入れるだけ。電子レンジで6分待てば、できあがり」だという。

 消費者の態度変容モデルはAIDMA(Attention:注意→Interest:興味→Desire:欲求→Memory:記憶→Action:購買)がよく知られているが、「ルクエ」のアンテナショップであるカフェの戦略はAMTULで考えるとよくわかる。
 「ルクエ」のA=Awareness(認知)は、進んでいる。家電量販店などの販路でも売っているからだ。非常に簡単という評判も高くネットなどにも使用感を伝えるBlogなども多い。M=Memory(記憶)までは自然と形成される。最大の難所は、消費者が「本当に美味しくできるのかしら?」と思う点だ。やはり試さないと判らないという人も多いだろう。そこで、このアンテナショップが効果を発揮する。T=Trial(試用)をさせるのだ。
 記事には「食後に購入する人も少なくない」とある。納得して購入していくのである。試用の山を乗り切れば、購入した「ルクエ」を使って日々料理するというU=Usage(日常使用)が実現し、やがてL=Loyal(優良客化)して他のタイプの調理器も買うという反復購入が実現する。

 従来のAMTULによる説明なら以上で終わりだが、記事にはない2つのネットとの接触ポイントが隠されているように思われる。
 まず、A→Mと進む過程で、気になる商品は昨今、確実にネットで調べる。つまり、S=Search(検索)だ。そして、Loyal化した後は、自分のBlogやSNSに体験記や調理法、レシピなどを書くだろう。つまり、Share(情報共有)だ。
ネットが促進する消費者の態度変容モデルは電通が考案した「AISAS(Attention→Interest→Search→Action→Share)」があるが、「試用」がキモの場合は「AMTUL+2S」もしくは「ASMTULS(←発音できないが)」という流れが考えられるだろう。

 「イノベーション普及論」を記したE.M.ロジャースもイノベーションが普及するための6つの要素の中に「試行可能性」=本格的な購入・導入の前に「お試し」ができることの重要性を挙げている。それに加え、2つのSを用いた態度変容モデルの活用は今後ますます増えてくることだろう。

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2012.03.15

【おしらせ】 新刊 & 入門セミナー2コースのご案内

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2012.03.14

米国のドラッグストアは、ナゼ手巻きずしを売るのか?

薬事法の規制緩和によって大手流通が参入し、激動期を迎えているドラッグストア。国内中堅企業の新規施策と米国の事例から生き残りの方策を考えてみたい。

 3月9日付日経MJ。総合小売り欄のコラム「ハッスル店長」に 中堅ドラッグストアの「トモズ」の新施策が紹介されていた。同社は青果や総菜を含めた食品を充実させた「青トモズ」を新業態としてスタートさせた。記事によれば「客単価は約1000円と住宅地店舗の半分以下だが、オフィス街の客が頻繁に足を運ぶ」とあり、「売上は計画の3割増しで好調」と手応えを感じているようだ。しかし、「今後の課題は収益の向上」とある。
 同店の戦略は調剤薬局を併設し、処方箋の受付をすること。「食品で呼び込んだ客を利益率の高い調剤の利用に結びつけることは容易ではない」とある。

 ナゼ、相乗効果が出ないのか。それは、顧客のニーズ、購買行動に合っていないからではないのか。

 記事にある「水天宮前店(東京・中央)」の立地はオフィスと住宅の境界エリアだ。そのため、「2カ所ある入り口のうち、地下鉄の駅に面した入り口には通勤客向けの地下鉄の駅に面した入り口には小容量のチョコレートやカップ入りスープを、もう一方の入り口には大容量の詰め合わせを置くなど気を配る」とある。
 客は2種類いるのだ。地元客。おそらくは地域的にいって高齢者中心だろう。だとすると、近隣の「病院から処方せんを受け取って調剤受けて帰宅」という動線が発生する。そこで調剤の合間に「ついで買い」を促進できる。だが、もう一方の通勤客はどうだろうか。会社員が病院に行くときは、会社を休んで自宅の近所の病院にかかるか、業務中や休み時間にダッシュで会社近くの病院にかかるという状況だろう。その場合、調剤はできるだけ短時間で済ませて欲しい。「ついで買い」をしている心の余裕はあまりないだろう。
 実際には会社員の場合、忙しくて病院には行けず、ドラッグストアのセルフ販売もしくはOTC(対面販売)の薬で間に合わせることになることが多いのが実情だ。だとすれば、調剤室の利用はない。

 「利益率を上げる」ということが目的なら、米国の面白い事例が3月12日付の日経MJ、「米国発」というコラムに掲載されていた。タイトルは「ドラッグ店の新旗艦店 出来たて、すし実演販売」。米国に約8,000店を展開する大手の「ウォルグリーン」がオープンキッチンで作る「sushi」、高級ワイン、予約制ネイルサロンなどを販売したり併設した店をシカゴにオープンしたという。客の反応は「ヘルシーな出来たてのすしが手軽に買えると、近隣のビジネスマンに好評」「高額商品の動きが良く、売上は予想をはるかに上回っている」という。

 日本のドラッグストアのレベニュー(収益)は、セルフ販売の医薬品は利益30%。その高利益を食品に注ぎ込んで集客を図るというモデルで作り出している。
 それに比べると「ウォルグリーン」のモデルは非常にオイシイ。店内調理品で集客をし、医薬品もついで買いさせる。さらに高級商品の購入やサービス利用が促進できれば、一粒で二度オイシイということになる。しかも、「すし」は単なる客寄せではない。コンビニ各社が力を入れているように、「店内調理」は高収益。(加工度が高い商品は高収である)。故に、それ自体も高収益商材となっている。実は一粒で三度オイシイのだ。
 ナゼ、オイシイモデルが成立するのか。それは、地域の顧客のニーズをきちんと捉えているからだ。店に来るビジネスマンは健康に気を遣う、アッパーミドルの層だろう。客単価は高めに期待できる。そこで、ヘルシーなテイクアウト食品で集客し、各種商品の「ついで買い」を促進しているのである。

 しのぎを削る日本のドラッグストア業界は出店余地も限られ、思うような客層の立地が確保できないことも多々あるだろう。だが、基本は顧客層を見て、そのニーズに応える店作りをすることだ。その意味からも、米国の事例は参考になるといえるだろう。


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2012.03.12

変わる顧客ニーズ、追うメーカー・百貨店

 百貨店不振が続く中、そこから脱出しようとするメーカーのブランド戦略と、自身の売り場のあり方を変えようとする百貨店の姿が2012年3月12日付日経MJの2つの記事に取り上げられていた。深掘りして考えてみよう。

 1つめの記事は「ファッション&リビング」欄。【女子中高生向けブランド ナルミヤ、SC出店強化 『百貨店依存』を見直し 今期10店舗を計画】とタイトルにある。記事本文には「課題となっていた百貨店依存の高い販路の見直しを進める中で、11年にはイオンと共同開発をするなどSC向け強化の路線を打ち出している」「SC販路比率を7%から20%へ」とある。

 ナルミヤは百貨店と一度「心中」をした過去がある。記事に「ナルミヤは業績不振に伴い07年から投資ファンドのSBIキャピタルの傘下で経営再建を目指している」とある通りだが、原因は百貨店販路に偏った出店政策にある。「百貨店と心中」という意味は、百貨店がダメ(集客・売上減)なのは判っているのに、SCや独自路面店など競合となり得る販路には百貨店の売り上げを喰うという遠慮から展開できないでいたということ。再建段階でついに背に腹は替えられず、今回の施策は別の道を選択したということになる。
 同様な意味では、業種別のブランド体制をバッチリ確定させている婦人下着がある。例えばワコール。「ワコール」は百貨店中心の販路のブランドでもある。GMSでは「ウイング」というブランドで展開している。しかし、百貨店、GMS共に業績は良くなく、客層も高年齢化している。売上が伸びている若者向商品はどうか。路面店でライバルのトリンプが「アモスタイル」で展開。それを追ってワコールは、「ピーチジョン」を傘下に収め路面店を強化しているのである。

 百貨店自身も変わろうとしている。同日の日経MJ記事より。
 【女性向け売り場立地に応じ進化 大丸松坂屋「うふふガールズ」 働く女性に照準:雑誌と着こなし提案 母娘連れ多く:有名セレクト店入居 大丸心斎橋店では定期的にファッションショーを開くなどファン作りを進める 入りやすさをアピール】とタイトル周りにある。記事本文には、「現在、うふふガールズは大丸京都店、松坂屋銀座店など6店舗。今月には名古屋松坂屋にもオープンした。それぞれの店で品揃えや販促を変えており。課題も見えてきた」とある。

 記事にある「課題」とは各店共通の売り場名(ブランド)を作るのは「売る側(百貨店)」の思い・戦略でしかないということだろう。そこに集う客もそのニーズも異なることに気付いたのだ。従来のように「百貨店」という存在にあこがれを持つことのない現在。同じ売り場名を付けても地域の顧客ニーズを汲み取って、集客・買い上げを増やそうとすることは理に適っている。
一部の上顧客が高額商品を外商から購入することと、多数の一般あこがれ層がたまに訪れ少数買い上げるというモデルから、特定多数のファン層を囲い込んで、高頻度で買い上げをしてもらうという「高回転型」への脱皮を百貨店が模索しているのがわかる事例だ。

 販路の設計はあくまで、「何を、どのように買いたいのか?」という顧客ニーズに従うことが肝要だ。故に、500ml以下の小型PETボトル飲料は、「いつでも開いているコンビニ」「どこにでもある自販機」という「いつでもすぐ飲める」という販路がメインとなっている。モノを買う場所、買い方に対する消費者のニーズが変化してきている今日、企業・ブランドもしがらみを捨てて新たな販路や売り場の新しい姿を求めることが急務なのである。

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2012.03.10

【続けています】東北関東大震災・チャリティ:「LIVE IN JAPAN」Tシャツ

この1年を忘れないように。これからも忘れないように。
まだまだ支援が必要な方がいます。ご賛同いただける方はご協力ください。

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【ご報告】

7月に170万円を、10月28日に追加の30万円を日本赤十字に手渡し寄付金は合計200万円となりました。
発起人と赤十字の担当者を取材した記事が地方紙に掲載されました(2011年10月28日付・中国新聞)

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東北関東を襲った大震災は、多くの方の命と平和を奪いました。
今もなお、人々の日常を奪い、困難を強いています。

多くの方が何かしらの応援を行動に移された事でしょう。
けれど、きっと、もっと足りないのです。
誰のせいでもない未曾有の災害を乗り越えるには、
更なるみんなの力が必要だと思います。
どんな事でも、モノでも、被災地を想って動き、考え続けること。
一過性のものではなく、ずっと共に気持ちをおく事が必要です。

わたしたちは今を、そしてこれからを一緒に生きていくために、
「LIVE IN JAPAN」Tシャツを作りました。
地域だとか、人種だとか、そんな線引きは日本のどこにもない。
SAVE でも、AIDでもない。いっしょに、歩む。
私たちは「日本で生きている」のです。
「LIVE IN JAPAN」この言葉で、みんながもっと繋がれますように。
このシャツを着て、みんなが嬉しいことができますように。
悲しみに暮れたあとのみんなが、一瞬でも早く顔をあげ、
前を向き直せますように。
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Written by. Harumi Nishihata (西幡 治美)
Design by. Switch(株式会社スイッチ)
Promotion by. Kanamori Marketing Office(金森マーケティング事務所)

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※金森マーケティング事務所は販売プロモーションをサポートしています。
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              <受付方法>

■義援金受付額=Tシャツ1枚あたり1,500円

  ※エクスパックでの郵送料500円を含む。(被災地への送金は1,000円)
   Tシャツは2枚まで同一エクスパックで郵送可
   (3,000円のうち2,500円を被災地に送金)
   Tシャツ手渡しの場合は1,500円全額を被災地に送金
   ※日本赤十字を通じて被災地に送金

■以下のフォームをコピー&ペーストして必要事項を記入の上、E-mailかFaxでお申し込みください

  LIVE IN JAPANチャリティTシャツ事務局

  お申し込み E-mail:hal-switch@mbe.nifty.com

  お申し込みFAX: 0827-32-8502

  お問い合わせ: 0827-32-8500

           <ご協力・購入いただいた方の声>

※自ら被災された方からもご協力いただきました

「被災して、大変には違いないけど、私達は幸いにも家も家族も無 事だった。
 食料を始めとする支援物資も、私達の所にはちゃんと届き、不自由 な中でも
 私達は幸せな方だと思う。だから、もっと大変な方への支援をしな くてはと思っていた。
 このブログでチャリティシャツの事を知ったので、私と、娘の分を 購入します」

※こんな声もいただいています(神奈川県鎌倉市の方です)

「Tシャツ届きました。
 大事に着ます。
 ボロボロになるまで着ます。
 絶対捨てません。
 忘れないために。
 継続するために。
 ありがとうございました。」


----「LIVE IN JAPAN」Tシャツ:お申し込みフォーム・ここから----

■ご希望サイズと数量

  <対応サイズ>
  XS(キッズ160)
    着丈62 身幅45 袖丈20
  S 着丈65 身幅 48 袖丈 20
  M 着丈68 身幅 50 袖丈20
  L 着丈71 身幅 53 袖丈21
  XL 着丈75 身幅58 袖丈22


 XS = [     ]枚

 S = [     ]枚

 M = [     ]枚

 L = [     ]枚

 XL = [     ]枚


 ( 合計 = [   ]枚 )※複数ご注文の場合は2枚単位で発送します

■お名前 [                     ]

■フリガナ[                    ]

 ※振り込み名義人のお名前でお願いします

■Tシャツ送り先

 都道府県[         ]

 市区町村・番地[                            ]

 建物名・号室[                              ]

 ご連絡先電話番号[                          ]


----------<お申し込みフォーム:ここまで>----------


<お申し込みのご連絡(E-mailかFAX)とお振り込みの確認ができ次第発送します>

■振込先

  ゆうちょ銀行 記号15590  番号 17149621 フジモトヤノスケ
  三菱東京UFJ銀行 広島支店 普通 0149790 フジモトヤノスケ

  ※任意団体の口座は開設不可のため、発起人・事務局代表の新規銀行口座(個人口座)にて義援金は管理。収支報告書を制作し、HPに掲載します。
  領収書をご希望の方には別途郵送します。
  (500枚単位の寄付時毎、赤十字領収書のコピー及び寄付分明細の発送となりますので、領収書到着までには少し時間がかかります)

           <LIVE IN JAPANチャリティTシャツ事務局メンバー>

■発起人プロフィール

 藤本弥之助(ふじもと・やのすけ)

 1977年11月1日生まれ 33歳
 蓮根生産農家 株式会社藤本ファーム 代表

 http://www.fujimotofarm.co.jp

 山口県岩国市に産まれ育ち、岩国蓮根の生産農家として、全国普及に尽力しています。
 自身の作る蓮根を「弥之助蓮根」とし、水や肥料にこだわった「エコファーマ」認定を受け、美味しい事はもちろん、身体と環境に優しい農業を実践しています。
 また、18歳より始めたマウンテンバイクでは、2009年までプロライダーとして活躍。
 現在も、マラソンカテゴリーに於いて日本代表として世界に挑戦し続けています。
 地域の若者達にMTBの魅力を伝え、選手の育成活動ならびに様々な環境で頑張る仲間達との相互交流活動に勤しんでいます。

 ※チャリティTシャツ事務局
 〒 740-0032 山口県岩国市尾津町4-10-16
 株式会社藤本ファーム 内 
 LIVE IN JAPANチャリティTシャツ事務局 藤本弥之助
 mobile 080-4026-1101
 iPhone mail yanosuke-man@i.softbank.jp

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2012.03.09

セブンイレブンの和菓子はナゼ売れる?

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 日経MJの記事によると、セブンイレブンの冷蔵和菓子が好調なようだ。3月7日の総合小売り面のコラム「売る技術 光る戦略」によれば、売上は対前年同月比3割増だという。売れるワケを深掘りして考えてみよう。

 記事には「女性・高齢者の“もう1品”に」とタイトルがある。ターゲットとポジショニングが明確であるということだ。特に近年は、勤労女性や少人数・単身世帯の増加と共に、コンビニ客のうち女性及び高齢者比率が増えている。冷蔵和菓子は2005年から同社がフォーカスした戦略であるというが、東日本大震災以降、主婦や高齢者の来店が増えているため、もう一段アクセルを踏み込んだ施策なのだ。

「もう1品」となるポジションの軸は、1つは「手が出しやすい」ということだ。それは価格が安いというだけではない。記事中に購入者の声が掲載されている。「ちょっと甘いものが欲しいときに便利。和菓子店で1つだけ買うわけにはいかないから」。つまり、買い物の「ついで買い」として手に取られるのだ。和菓子を買いたいと思うときの消費者のニーズギャップをうまくとらえているのである。
 ポジショニングのもう1つの軸はカロリーだろう。コンビニ各社は近年スイーツに力を入れてきた。しかし、意外とそのスイーツはカロリーが高い。「ロールケーキなど250キロカロリー以上の商品も多い」というが、「和菓子はあんみつで約230キロカロリー、水ようかんでは200キロカロリーを切る」とある。
<洋菓子より低いカロリー×専門店より買いやすい>という明確なポジショニングが示されている。
 
 ターゲティング・ポジショニングが明確であり、それを実現する4Pの各要素もそれと整合していることがわかる。

・商品(Product)
 冷蔵和菓子は常温品と比べ、保存のために砂糖を多量に入れることが避けられる。素材の味を引き出すことができるのだ。客を飽きさせない「甘さを控えた専門店の味」だという。
・価格(Price)
 専門店並の味を100~200円台の低価格で提供する。競争価格のポジションでいえば、専門店は価格が高くて価値(味)も高い「プレミアム戦略」。一方、競合となるスーパーの常温品は、価格が安くて価値もそれなりの「エコノミー戦略」である。それに対して、コンビニの冷蔵和菓子は味にこだわりつつ、規模の経済を効かせて価格が安くて価値も高いという「スーパーバリュー」のポジションを確保していることになる。
・棚割(Place)
 今年7月にセブンイレブンは和菓子専用冷蔵ケースを設置し、豆腐などの食品に埋もれたり、見栄えが悪かったりという展示を改良した。せっかくの価値の高さを、より魅力的にアピールできるようにしたのである。
・プロモーション(Promotion)
 「ついで買い」を促進するには、「常に店にある」状態が大切だという。目に付く→手に取る→買うという店内で「AIDA(Attention→Interest&Desire→Action)」の流れを作っているのである。

 上記で「売れる仕組み」はできていることがわかる。しかし、単に「売れる」だけでなく、恒常的に利益を出して「売れ続ける」状態にすることが肝要だ。そのカギは賞味期限。スーパーの常温販売品は3日だが、冷蔵は1週間だという。それによって廃棄ロスを低減し、安定した利益を創出しているのである。

 「売れ続けるしくみ」はどこか1カ所、うまいアイディアを思いついて実行しても実現しない。ターゲティング→ポジショニング→4Pの各要素が流れるように組立っており、さらに各々が整合性を持って支え合っている仕組みになっていることが肝要なのである。

※画像はセブンイレブンのWebサイトより

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2012.03.08

「青山フラワーマーケット」の「売れ続けるしくみ」を読み解く

 街中で花屋の店先を見ると、ふと心が和む。無論、その花を買って帰れば家の中がぱっと明るくなる。しかし、花ビジネスの舞台裏は熾烈なようだ。日本経済新聞のコラムから読み取ってみよう。

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 3月5日付、ベンチャー欄の「起業の軌跡」というコラムは首都圏を中心に生花店「青山フラワーマーケット」を77店舗展開するパーク・コーポレーション創業社長の井上英明氏の話だった。
同氏はトライアスロンのアスリートであり、そのレースやトレーニングとビジネスの関係などが書かれているが、そこはとりあえず軽~くスルーさせていただく。

 記事のサブタイトルに注目だ。「生花店、回転率上げ低価格実現」とある。Facebookで同店の話題を出したら、「(業界の象徴的店である高級店)日比谷花壇は店頭を眺めるだけだが、青山フラワーマーケットは頻繁に利用する」という声がいくつも寄せられた。記事本文にある「普段使いの花」というポジショニングを見事に獲得しているのである。それは安いというイメージだけでなく、実際に「平均客単価は1500円とギフト主体の生花店に比べて3分の1に満たない典型的な薄利多売」であるという。
  「売上=客数×客単価×回転率」。安い価格で多くの客を集客し、「普段使い」という気軽なポジショニングでリピートを促進する。結果、客単価が低くとも売上は高くなるというのは道理だ。だが、「利益=売上-コスト」である。利益をひねり出す仕組みはどうなっているのか。

 「生花用の冷蔵設備を持たない」「仕入れたら1~2日で売り切り」「廃棄率は業界平均の1~2割に対してわずか3%」という情報が記事に並んでいる。廃棄率は実際には3~6割に達するという業界筋の情報を聞いたこともあるので、ロスは10~20分の1ということになる。生花店を含む原価率の高い商売で最も無駄なのか「廃棄コスト」。その業界全体が抱え込んでいる弱みにメスを入れたことが成功要因(KSF)となっているのである。

 「“客自らが花を選んで取る”というスタイルも、“きれいに咲いた状態の花をブーケにして売る”というのも魅力」というFacebookに寄せられた同店のファンの言葉も核心を突いている。

 バリューチェーン(VC)比較をすると以下のようになる。
<一般の生花店>
  仕入(未開花中心)→冷蔵庫保管→店頭受注&花束作成→売れ残り廃棄(公称10~20%)
<青山フラワーマーケット
  仕入(開花中心)→ブーケ作成&来店客のセルフPick up~花束作成→2~3日で売り切り(廃棄3%)

 同じ生花店なのにVCが全く違う。それも「売り切り」という目標を中心に据え、高回転率を実現する仕組みを作っているからだ。上記のVCがうまく廻っていくよう、現場の店長も精一杯頑張る。ナゼなら、「各店舗が置く商品は原則として、本社が推奨するリストから自由に選んでもらう仕組み」という現場裁量権が高いが、「店長はお店の利益が給料に反映する」という仕組みになっているからだ。故に、「売り切り・廃棄率極小化」に神経を尖らせることになるのだ。

 記事では「商品の回転率を徹底的に上げることで収益力を高める。それはトライアスロンで、どうにかしてタイムの短縮を図ろうとする井上(社長)のレースぶりにも似る」とある。他人と同じことをしても勝つことはできない。しかし、長続きしない奇策では厳しく長いレースでは続かない。そのポイントがビジネスにも通じているのである。

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2012.03.07

顧客視点に脱皮する百貨店化粧品販売

 メーカー毎に区切られたブース。専属の美容部員によるオススメと試用。それを快適と考える人もいるが、なかなか敷居の高さを感じたり買い回りがでないことに不便を感じたりする人も多い百貨店の化粧品売り場。それが今、姿を変えようとしている。

 2012年3月7日付日経MJに、「そごう柏店 高齢者向け化粧品売り場 陳列、肌の悩み別に」という記事が掲載された。ポイントは「20平米の売り場で25ブランドを扱い、そごう・西武の社員3人が接客をする。商品はブランドごとではなく、“しわ”“たるみ”など肌悩み別に編集し陳列する」という点だ。また、「アンチエイジング化粧品のほか、美容機器やサプリメントも扱う」という。

 高齢者向けばかりではない。若年層向けの売り場にも新たな動きがある。
 2012年3月6日付SankeiBizに、「三越伊勢丹が化粧品専門店 駅ビルで女性客取り込む」という記事が掲載された。
 http://www.sankeibiz.jp/business/news/120306/bsd1203061751010-n1.htm

 「高級化粧品専門店“イセタン ミラー”の1号店を東京・新宿の“ルミネ新宿2”にオープンした」という、本来競合となる駅ビル内に百貨店が出店するということ自体も業態変革として大きなニュースだが、今回はその売り場構成に注目だ。
 「売り場面積は約160平方メートルと小型だが“ランコム”“エスティローダー”など約20のブランドをそろえる。スタッフは“イセタン ミラー”の専属なので、客はアドバイスを聞きながらいろいろなブランドを試すことができるのが特徴」だという。

 一般にマーケティングで最も認知度のある概念は「4P」ではないだろうか。エドモンド・ジェローム・マッカーシーが1960年に提唱した有名な分類方法だ。Product(製品)、 Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)である。しかし、それは「売り手視点の発想ではないか」という考えの元に、「4C」がロバート・ローターボ-ンによって、1993年に提唱された。各々を、顧客ソリューション(Customer Solution)、顧客コスト(Customer Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)に置き換えたのである。

 上記のそごうと伊勢丹の新展開は、4Cで考えるとわかりやすい。
・顧客ソリューション(Customer Solution)
 そごうはProduct(製品)中心に考えるのではなく、顧客の抱えた「お悩み解決」を実現するための売り場として展開している。また、伊勢丹はブランド毎に分かれていてそれぞれを試すのが面倒という百貨店特有のハードルの高さを解決する手法として、ブランドの垣根を壊したのである。
・顧客コスト(Customer Cost)
 商品を購入するときに顧客は商品の価格(Price)だけでなく、自らの「時間」も消費している。両店ともブランド別の売り場をやめることによって、顧客の時間効率を最大化することに成功している。
・利便性(Convenience)
 両店の化粧品売り場は、前述の通りPlace(流通)の垣根を壊し、ブランドのブースという概念をなくしている。売り手の流通の仕組みよりも顧客の利便性を最優先した結果だ。
・コミュニケーション(Communication)
 両店の売り場ではブランドが発信するイメージなどの広告・プロモーションよりも、百貨店社員による各ブランドを横断して顧客に合った商品を提供するためのコンサルティングやアドバイスというコミュニケーションが購入のカギとなっている。

 日経MJの記事によれば、そごうの狙いは「商圏が小さい地方・郊外店をてこ入れする」ことにあるという。今後ボリュームゾーンである団塊世代が高齢者の仲間入りをしてくる。彼らは大量生産・大量消費時代に産声を上げたが、バブルを経験し高度でワガママな消費を十分に経験してきた層だ。そのニーズに応えるためには売り手側の視点ではなく、より顧客側に沿うことが必要となる。それを実現するためのてこ入れなのだ。
 また、伊勢丹は少子化によって一人ひとりの重要性が増す若年層を確実に取り込むために、自社店舗での待ちの姿勢を改めて競合店の中に飛び込んで来店のハードルを下げた。また、買いにくさも解消するためにブランド横断の売り場構成を実現して顧客ニーズに応えようとしているのだ。

 日本の人口動態はもはや一層の少子高齢化を避けることはできない段階に来ている。その中で各社・各業態の模索が続いているが、「顧客視点への変革」が最重要キーワードであることは間違いない。

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2012.03.06

「JAL吉牛」に隠された意図は何だ?

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 2012年3月5日付日経MJ記事。「日航機内食で牛丼デビュー 国際線の限定メニューに 吉野家、女性客に期待」とある。吉野家安部社長は、日航利用者に占める女性客が4割と、吉野家の2割より高い点に注目。「JALで吉野家デビューという人に期待している」と語っている。

 この記事のポイントは、企業の成長戦略のフレームワーク「アンゾフのマトリックス」で安部社長の狙いを考えれば意図がわかりやすい。

 経済学者のイゴール・アンゾフは、企業の成長戦略を4つにパターン化した。いわゆる「アンゾフのマトリックス」だ。既存の顧客を対象にするのか、新規の顧客を狙うのか。既存の製品を用いるのか、新製品を開発するのか。顧客・製品、新規・既存の掛け合わせの4つだ。「吉野家の女性狙いの日航機内食」は、既存商品で新規顧客を狙う「新市場開拓」という象限に入る。
 新市場といっても、地域的な拡張をしているわけではない。従来と違った属性への拡張であり、今回は男性利用者が多い吉野家にとっては女性という新属性を狙ったわけだ。吉野家の2割の女性は日航の4割の女性と丸かぶりしているわけではないので、潜在ターゲットはもっと多いはず。その期待は大きい。

 吉野家のもう一つの狙いは、「日航機内食で使われた」という事実によるブランド強化だ。再建中とはいえ、日航のブランドネームは庶民ブランドである吉野家にとってはエンドースメント(裏書き)となる。そして、吉野家は競合のすき家、松屋との低価格競争から一歩距離を置きたいという狙いがある。そうして国内はブランド化による「売上から利益へ」の転換を図り、グループ内PPM(ポートフォリオマネジメント)の「金のなる木」ポジション固め、そこで得た原資を成長分野・「問題児」である中国市場開拓に注ぎ込もうというのだろう。PPMの基本は「金のなる木」には極力コミュニケーションコストをかけずに利益を最大化し、その利益を「問題児」に注ぎ込むことだ。その意味からも、一時は牛丼のテレビCMなども放映していたが、そのコストをかけずに利益を生む新市場を開拓しつつ、ブランド強化になる施策を展開することは理に適っている。

 吉野家の「一粒で二度美味しい」今回の戦略がどこまで奏功するか楽しみである。

※写真はJALのWebサイトより。

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2012.03.05

下町駅前カフェの意外な実力

 とある下町。パチンコ屋が東京で一番駅前に多い街の駅前に、思い切りチープな外装が目を惹くカフェができた。
 店内を覗いてみると、明らかに中古の什器を使い、外装と同じくペンキでぺたぺた塗った内装で、同じくチープさが光る。が、何組か客が入っている。ナニが客を呼び込む要素なのか。

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 駅前といっても駅の裏側の改札で、他にカフェはルノアールとマクドナルドしかない。だが、駅の真正面なので立地(Place)は悪くない。派手な外装はイヤでも目に入って告知(Promotion)効果抜群だ。メニュー(Product)は昔ながらの喫茶店にありがちなオムライスやミートソース。その価格(Price)が安い。コーヒーはコーヒーマシンで豆をひいて淹れているためか、250円と特別安くはないが、フードはオムライス480円、ミートソース480円、ペンネパスタ380円。サイゼリア並みだ。

 店内に入るとアルバイトとおぼしき女性2名が切り盛りしている。飲食業の指標であるFL比(Food=食材原材料費:Labor=人件費)で見るなら人件費を抑制していることがわかる。その点から考えれば、この店の最大の競合であり、ビジネスチャンスでもある存在はマクドナルドだ。マクドナルドがじわじわと値上げをして、価格戦略が中価格帯で提供価値も中ぐらいの「中価値戦略」になったため、食べ応えは同等の価値でも価格が安い「グッドバリュー戦略」のポジションを取ることができたのだ。
 この店のポイントはイニシャルコスト(初期費用)である外装・内装を抑制してチープに仕上げただけではない。むしろランニングコスト(運営費)にあるのだろう。少人数で人件費(Labor)も抑制し、食材原材料費(Food)にランニング費用を充てるという戦略だ。価格で考えれば、すぐ近所にある「牛めし320円」の松屋にも対抗できている。

 この店の価値はフィリップ・コトラーも指摘しているように、「4P=提供者側の視点」で考えるよりも、「4C=消費者側の視点」で考えた方がわかりやすいかもしれない。

・顧客ソリューション(Customer Solution)
 コーヒーが飲めるところマクドナルドかルノアールしかないという駅前。カンタンに食事ができるところもマクドナルドか松屋だけという未充足ニーズに応えている。ここでは「オシャレさ」は求められていないのだ。
・顧客コスト(Customer Cost)
 マクドナルドより安く食事摂れて、座席も広くゆったりしている。
・利便性(Convenience)
 立地的には駅近で入りやすい。また、1階・2階で完全分煙をしてあるという点も見逃せない。また、フードが充実していて、食事に喫茶にと使い勝手が良い。
・コミュニケーション(Communication)
 チープさとド派手なカラーは逆にアピール度抜群。開店と同時に誰もが認識した。常套手段だが、手書きのボードでの安価なメニューのアピールは効果的だ。

 上記のように見てみると、意外にも外観に反して客を集めるしくみはバッチリ整っている。Facebookで写真と共に説明してみると、「行ってみたい」「常連になりそう」という声も聞かれた。見る人が見れば、チープに感じるデザインもしっかり計算されているのではないかという。
 さて、この店がどれくらい人気店になるかが楽しみだ。最後に、この店のコーヒーの味は結構美味しかったコトを記しておく。

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2012.03.02

「つぼ八」のパスタ店は誰とどのように戦うのか?

 居酒屋のつぼ八が業態の多角化のため、3月31日に横浜伊勢佐木町にパスタ店を開業するという。(3月2日付日経MJ)。5分以内に調理をする。中心価格帯は500~780円。ターゲットは「時間を気にする男性客」だという。だとすると、ある強大な競合の存在が浮かび上がってくるのだが、つぼ八はどのように戦えばよいのだろうか?

 強大な競合。それは、「マクドナルド」だ。
 マクドナルドはもはや、自らのドメインを「ハンバーガーレストラン」とはしていない。「1,000円以下のカジュアル外食」として、競合はモスバーガーやロッテリアに留まらず、気軽な外食店は全て競合と見なしている。そのため、業績好調の中、年間数百店に及ぶ廃店を進め、一方でオシャレなカフェ風の雰囲気を持った新型店へのリニューアルをしている。凄まじいスクラップ&ビルドを進めているのである。

 それに対して、つぼ八のパスタ店、「ネオジパング」はどのように戦っていけばよいのだろうか。

・製品(Product):「店内で製麺をしたり、ソースを手作りしたりする」とある。その「手作り感」を大きな武器とするのであろう。
・価格(Price):サラリーマンの昼食事情で考えれば、予算は500円に抑えたいという人が多い。どんなに頑張っても1,000円オーバーは無理だ。その点、上記の店内製麺の手作りパスタが500円~780円だとすればウレシイ価格である。支持は集められるだろう。
・立地(Place):第1号店は横浜の「関内イセザキモール」。2号店は「経堂農大通り」と決まっており、3号店までは直営で以降はFC化するという。あえて都内中心地を避けているのはまだ実験段階だと推測できる。3号店以降の立地に注目だ。
・広告販促(Promotion):記事に記載はない。

 上記のマーケティングの4Pの要素で考えれば、Productの手作り感と、それが手軽に味わえる価格設定が光るがそれ以外に大きな特徴はない。では、何を「売り」にすればいいのか。

 サービスマネジメントの観点からいえば、4P以外の差別化要因は3つある。要員(Personnel)、手順(Procedure)、物的証拠(Physical evidence)である。「コトラーのマーケティング・コンセプト(東洋経済)」でも上記の3つのPをレストランの例で説明している。「レストランの業績は、店のスタッフ、食事を提供するプロセス(セルフサービス形式、ファストフード、テーブルサービス付きなど)、店の外観といった物理的特性に左右される」とある。

 日経MJの記事には横浜1号店のイメージパースが掲載されている。店内面積約77平米で客席数は31ということであるが、カウンターにスツールが並んだ、「長崎ちゃんぽんリンガーハット」の店内に似ている。ぱっと見で「ファスト」な感じであり、カフェスタイルのマクドナルドの新型店に対する物的証拠(Physical evidence)に対する優位性が高いとは思えない。但し、約1,300万円を投じているという店内製麺機で製麺をしているところを見せ、「作りたて感」を演出することは可能かもしれない。そして、残りは要員(Personnel)、手順(Procedure)の勝負となる。

 マクドナルドはファストフードなので、要員との接触と商品の受け渡しというプロセスは1回限りだ。また、「スマイル0円」ではあるものの、スターバックスなどのカフェと比べると量産体制・流れ作業の感が否めない。
 では、つぼ八の「ネオジパング」はどうか。カウンターということは、フードコートにありがちなセルフサービスではない。オーダーを取る。水やフォークなどの食器を配膳する。注文品を届ける。支払いを受け取るという、短時間ながら最低4回の接触ポイントがある。そこで、どのような好印象を与えるプロセスを設計し、スタッフの接客を提供するのかがカギである。

 開業は3月31日だという。つぼ八の「ネオジパング」がどのような、4P+3Pを提供してくれるのか、期待を込めて待ちたいと思う。

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2012.03.01

【ライフスタイル】ノマドな暮らし

 引っ越しをした。4年ほど過ごした東新橋・汐留の外れのワンルーム事務所を引き払ったのだ。新事務所は自宅である。
といっても、元々自宅にあった書斎を少し整理しただけで引っ越しというほどのことでもないし、終日そこで仕事をするわけではない。いわゆる「ノマドワーカー」な人になったのである。ちなみに、この文章はスターバックスで書いている。

 引っ越した理由は簡単だ。家賃が無駄だから。もともと、事務所には週に1~2日寄るだけだったし、社員もいない一人会社故、安くない家賃の部屋は家具だけが暮らす静謐な空間として存在していた。
 コンサルタントで講師の金森が、事務所にいる時間はほとんど利益を上げていない時間だ。経営的にはロクなものではない。売上は客先の会議室、教室、研修会場で上がる。もちろん、デスクワークはあるがそれは事務所という空間でなくともできる。カフェやホテルのラウンジ、教鞭を執っている大学や母校の図書館が使える。メディアの取材対応も事務所で行っていたが、実は彼らはこちらから局や出版社に出向いていった方が喜ぶこともわかった。(アタリマエか)。
 もちろん、最初は事務所が必要だった。ちゃんとした会社かどうか(?)様子を見に来たがる客先もあったからだ。だが、幸いにして信用が付いたのか、取引に際してそうした「儀式」を所望されるケースはなくなった。

 ワンルームとはいえ、家賃や管理費、保険料などで年間100万円を軽く超える経費がかかっていた。いや、「経費」という表現は正確ではない。有効に活用できているわけではないので「冗費(無駄な費用)」だ。経費と冗費は峻別せねばならない。そして、固定比率を引き下げ、損益分岐点を低くすることが肝要だ。

 だったら、もっと早く「ノマドな暮らし」に移行すればよかったともいえるが、それもちょっと違う。そもそも、ノマドワークが世の中で可能になったのは、マクロ環境分析のフレームワーク・PESTで考えれば、T=Technological(技術的成熟度)に負うところが大きい。屋外での無線インターネット接続のスピードと安定性が増し、PCのバッテリー稼働時間が延びたのだ。また、ノマドワーカーが増えたというSocial(社会環境の変化)から、スターバックスやマクドナルドなどが電源を提供してくれる店が増えたのだ。今日的な環境が多数のノマドを生み、支えている。

 ノマドな暮らしの一番の魅力は、「街に溶け込むことができること」だ。こうしたワークの途中でも、店内のざわめき、周りの客の会話から気になるキーワードが耳に飛び込んでくる。もちろん、服装や持ち物なども観察対象だ。ワークの合間には街に出て店や人を見て回る。お気に入りの街や店なども日替わりである。発想の刺激になる。

 会社組織に所属していると、終日ノマド暮らしをすることは難しいだろう。しかし、休日などにはオススメの過ごし方だといえる。
 寺山 修司(1935年12月10日~1983年5月4日・詩人、劇作家)は「書を捨てよ、町へ出よう 」を著した。その言葉を借りれば、「机と椅子を捨てよ、町に出よう」である。

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