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2011.12.16

サンシャイン水族館・リニューアル大成功のヒミツ

 報道によれば、複合ビルのサンシャインシティ(東京・豊島)が運営する「サンシャイン水族館」が、リニューアルオープンした8月からの4ヶ月で100万人の入場者数を達成したという。その人気のヒミツはなんだろうか。

 サンシャイン水族館は1978年に「サンシャイン国際水族館」として開業したが、設備の老朽化対応と魅力度向上のため、2010年9月から1年間の休業期間を設け30億円の費用をかけて全面改装したという。

 リニューアル後の人気のヒミツは同館の館長の言葉に隠されている。「生き物に注目してもらう展示の工夫が誘因となっている」(日経MJより)とある。

 水族館の中核的価値とはなんだろうか。普通に考えれば、「魚や海洋生物が見られること」だ。それを実現する実体価値が「館内設備」であり、中核の実現には直接関わらないが全体として魅力を高める要素としての付随機能が、「館内のアメニティー施設」などであろう。

 動物園のリニューアル成功例として有名な旭山動物園(北海道旭川市)。動物の姿形を見せることに主眼を置いた従来の展示方法に対して、同園では1997年度から、動物本来の生態や能力を引き出して見せる「行動展示」に取り組んでいる。水中を空飛ぶように泳ぐペンギンを見渡せる水中トンネルや、ホッキョクグマと“獲物”の視点で対面できる透明カプセルなど、動物の自然な姿を間近で観察できる施設を次々と導入し、改良を重ねてきた。

 動物を見るなら、来場者は狭苦しい檻の中に閉じこめられ、生気を失った動物、ストレスフルに意味もなくひたすらウロウロする姿。そんなものは見たくない。また、魚類なら生きて泳ぐ姿も家庭・事業所用アクアリウムの普及で見慣れてきた。水族館にとっては強力な代替品の脅威である。
 サンシャイン水族館のリニューアル成功は、旭山動物園同様、中核価値を「動物を見せる」→「生態を見せる」に変えたことだ。それも、より生き生きと。

 成熟商品は付随機能の開発ばかりに走りがちだが、それでは「大ヒット」は生まれない。ターゲットのニーズに直結した中核価値を根本から見直すことが欠かせないのである。

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