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【マーケティング講座】

お勧めマーケティング関連書籍

  • 金森 努: 3訂版 図解よくわかるこれからのマーケティング(DOBOOKS)
    初めての人から実務者まで、「マーケティングを体系的に理解し、使えるようになること」を目的として刊行した本書は、2016年に「最新版」として第2版が発売されました。 それから6年が経過し、デジタル技術の進化やコロナ禍という大きな出来事もあり、世の中は既に「ニューノーマル」に突入しています。 その時代の変化に合わせて本文内容の改訂、新項目の追加や事例の差し替えなどを大幅に行ないました。
  • 金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)

    金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)
    「マーケティングって、なんとなく知っている」「マーケティングのフレームワークは、わかっているつもりだけど業務で使いこなせていない」・・・という方は意外と多いのが実情です。 「知っている」「わかっている」と、「使える」の間には、結構大きな溝があるのです。 その溝を、最低限の9つのフレームワークをしっかり理解し、「自分の業務で使いこなせる」ようになることを目指したのがこの書籍です。 前著、「最新版図解よくわかるこれからのマーケティング」は、「教科書」的にマーケティング全体を網羅しているのに対して、こちらの「9のフレームワーク・・・」は、「実務で使いこなすための「マニュアル」です。 もちろん、フレームワークをしっかり理解するための、実事例も豊富に掲載しています。 「よくわかる・・・」同様、多くの企業研修テキストとしてもご採用いただいています。

  • 金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)

    金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)
    旧版(水色の表紙)は6年間で1万部を販売し、それを機に内容の刷新を図りました。新章「ブランド」「社内マーケティングとマーケティングの実行」なども設け、旧版の70%を加筆修正・新項目の追加などを行っています。本書最新版は発売以来、10ヶ月で既に初版3千部を完売。以降増刷を重ね、約1万部を販売していおり、多くの個人の方、大学や企業研修で「マーケティングのテキスト」としてご愛顧いただいております。

  • 金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)

    金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)
    ヒット商品ネタ51連発!このブログ記事のネタを選りすぐってコンパクトで読みやすく図表付きに再編集しました!

  • 金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)

    金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)
    打倒「もしドラ」!を目論んだ(笑)ストーリー展開のマーケティング本。初心者にもわかりやすいマーケティングの全体像に基づき、実践・実務家も納得のリアリティーにこだわりました!

  • 金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える

    金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える
    ペンギンの世界を舞台に「考えるとはどういうことか」「論理的思考(ロジカルシンキング)とは何か」を考える、スラスラ読めて身につく本です。初心者の入門書として、一度学んだ人の復習にと活用できます。

  • 金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本

    金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本
    マーケティングをストーリーで学び、「知っている」が「使える」になる本。1つ1つのフレームワークが、面白いように「つながっていく」感覚を実感してください!

  • 金森 努: “いま”をつかむマーケティング

    金森 努: “いま”をつかむマーケティング
    7編の取材を含む、2010年のヒット商品など約30事例をフレームワークで切りまくった「マーケティング職人・金森」渾身の1冊。フレームワークを学びたい人にも、フレームワークの具体例を知りたい人にも、朝礼で話せるコネタが欲しい人にも役に立つこと間違いなしです!

  • 長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語

    長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語
    「分かるとできるは違う」と言われるが、両者間には距離がある。実業務のどこで使えるのか気づけない。だから使えない。本書はお菓子メーカーのマーケティング部を舞台にした「若者2人の成長物語」を通して、戦略思考、論理思考、クリティカル・シンキングなどの、様々な思考法が展開されていく。ストーリーで「使いどころ」をつかめば、実践できない悩みの解消が図れるだろう。 (★★★★★)

  • ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」

    ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」
    フレームワークの「使用上の注意」は、「人の心はフレームワークだけでは切れない」を常に認識することだ。「行動経済学」に注目すれば、経済合理性に背く人の行動の謎の意味が見えてくる。謎の解明を様々なユニークな実験を通して、著者ダン・アリエリー節で語る本書は、「フレームワーク思考」に偏りすぎた人の目から何枚もウロコを落としてくれるはずだ。 (★★★★★)

  • セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践

    セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践
    「顧客はドリルが欲しいのではない、穴が空けたいのだ」や、「マーケティング近視眼(Marketing Myopia)」で有名なレビット教授の名著。製品とは何か。サービスとは何か。顧客とは何か。そして、マーケティングとは何かと問う、今まさに考え直すべき原点が克明に記されている名著。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
    コトラーはマーケティングは「製品中心(Product out)=1.0」「消費者中心(Customer Centric)=2.0」。それが「人間中心・価値主導(Social)=3.0」にバージョンアップしたと論じている。本書は「マーケティング戦略」の本というよりは、今日の「企業のあるべき姿」を示しているといえる。その意味では、「では、どうするのか?」に関しては、新たなソーシャルメディアの趨勢などに考慮しつつ、従来のコトラー流2.0を十分に理解しておくことが必要だ。 (★★★★)

  • 鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)

    鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)
    広告に関する本は、いわゆる広告論や広告制作の手法を述べていても、マーケティング理論を前提としたものは少なかったように思います。「マーケティングの中における広告ビジネス」を具体的にまとめました。さらに、当Blogで「勝手分析」した事例を企業取材によって、マーケティングと広告の狙いを検証しました。多くの現役広告人と広告人を目指す人に読んでいただきたいと思います。

  • 金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)

    金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)
    金森の著書です。フレームワークやキーワードやセオリー、事例をマーケティングマネジメントの流れに沿って102項目で詳説しました。フレームワークの使いこなしと事例には特にこだわりました。金森のオリジナル理論もあり!

  • 山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える

    山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える
    リーダーの戦略や、チャレンジャーがリーダーを倒す方法など、ポーター、コトラーの理論を更に実践的な事例と独自フレームワークで解説した良書。事例がちょっと古いが、今、読み返してもためになる。在庫が少ないので、中古本でも出ていれば即買いをお勧め。 (★★★★)

  • 金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)

    金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)
    このBlog記事一話一話が見開きで図解されたわかりやすい本になりました。ヒット商品のヒミツをフレームワークで斬りまくった、ネタ56連発。是非一冊!

  • 後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて

    後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて
    「レスポンス広告」とは資料・サンプルの請求や商品の注文を消費者から獲得するための広告のこと。そのための方法論は、ブランドイメージをよくするといった目的とは全く異なる。本書は多数の広告サンプル(精度の高いダミー)を用いてレスポンス広告のキモを具体的かつ詳細に解説している。「レスポンス広告の鬼」たる筆者ならではの渾身の1冊。 (★★★★★)

  • ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン

    ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン
    どんなすばらしいマーケティングプランも、結局は人が動かなければ成功しない。故に、リーダーシップ論が重要となる。本書はコッター教授の「企業変革8ステップ」が寓話の中でわかりやすく記されている良書である。金森絶賛の一冊です。 (★★★★★)

  • マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則

    マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則
    2000年発売の良書。旧タイトル「ティッピング・ポイント」が文庫本化されたもの。クチコミの本ではなく、イノベーションの普及が何かのきっかけで一気に進む様を、各種の事例を元に解明した、普及論にも通じる内容。(うっかりリストに入れ忘れてました)。オススメです。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学

    野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学
    経済分野最強のジャーナリスト勝見 明紙と、経営学の大家野中 郁次郎先生という黄金コンビによる傑作。いくつもの企業でのイノベーション事例を物語風に紹介しながら、その変革の要諦を解明、さらなる提言をメッセージしている。読み応え十分。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの本質

    野中 郁次郎: イノベーションの本質
    最新刊の「イノベーションの作法」に比べると、少々こちらは「野中理論」の難しい部分が表面に出ているように思えるが、発売当初、ナレッジマネジメントの観点からしか読んでいなかったが、読み返してみれば、本書の1つめの事例である「サントリー・DAKARA」はマーケティングでも有名事例である。むしろ、本書での解説は、マーケティングのフレームワーク上の整合ではなく、そのコンセプト開発に力点が置かれており、その精緻な記述は圧巻であった。読み直して得した気分になったので、ここで併せて紹介する。 (★★★★)

  • グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業

    グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業
    だいぶ発売されてから時間が経ってしまったのですが・・・。 二度目に読んで、「お勧め」しようと思いました。 そのわけは、一度目は「いかに顧客と優良な関係を構築することが重要か」という当たり前なことを力説しているだけの本だと思ったからです。 事実、そうなんです。アドボカシー(advocacy=支援)という新しい言葉を遣っただけで。 ただ、その「当たり前なこと」のまとめ方が秀逸であり、我々マーケターにとっては「当たり前」でも、その考え方がどうしても理解できない石頭な人に読ませると、なかなか効果的だと分かりました。 さて、皆さんもそんな人が周りにいたら読ませてみては? (★★★)

  • レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」

    レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」
    ダイレクトマーケティングの創始者であり、金森の心の師でもある、レスター・ワンダーマンの「BEING DIRECT」(英文名)が12年ぶりに改訂されました。 詳しくは、Blog本文の10月16日の記事を参照ください。 必読の書です。 前版は電通出版だったので入手が少々面倒でしたが、今回は一般の出版社からの刊行なので、アマゾンで購入できます。この本の画像をクリックすれば、アマゾンのサイトにリンクしますので、是非! (★★★★★)

  • フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式

    フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式
    実は、この本は金森の入院中の頂き物。結構はまりました。 スウェーデンの売れっ子セミナー講師が自らのセミナーで用いている30の設問を、気の利いたイラストに載せて紹介している。「レンガの使い方を10通り挙げなさい」のような、「ん?どこかの自己啓発セミナーで聞いたな~」というようなネタもありますが、ひねりの効いた問いかけもいっぱい。ざっと流し読みしたら20分で読み終わってしまう絵本になってしまいますが、本気で問いかけの答えを考えると、なかなか論理思考も鍛えられます。金森もお気に入りの問いかけは出典を明らかにして、自分の企業研修で使わせてもらっています。 ちなみに、この本の2(続編)も出ています。2冊揃えば送料も無料。「あわせて買いたい!」。 (★★★★★)

  • パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う

    パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う
    重要な本をお薦めするのを忘れていました。この本も結構、私の座右の書となっています。「ミッションステートメント」の重要性もコラム等で繰り返し述べてきました。それがしっかりしていないが故に、会社自体が方向性を見失い、社員も求心力をなくす。また、顧客のことも忘れてしまう。ミッションステートメントは壁に黄ばんだ紙に書いてあるものを、朝礼で呪文のように唱和するためのものではないのです。社員全員、全階層がそれを本当に理解し、行動できれば会社に強大なパワーが生まれるはずです。この本は「強い企業の強いステートメント」が紹介・解説された良書です。 (★★★★)

  • エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学

    エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学
    もはや絶版でプレミアがついて現在ユーズドで3万円!(昨年までは2万円以下でした。定価は8千円弱)。 しかし、一度は翻訳版とはいえ原書を読みたいもの。 私のコラムでもよく取り上げています。 様々なマーケティングの入門書にも部分的に取り上げられていますが、誤った解釈も多く、「イノベーションの普及速度」などの重要項目も抜けています。 ただ、基本的には社会学の学術書なので、完読するのはチトごついかも。(それで星4つ。内容的には断然5つですが。)3万円ですが、手にはいるならラッキー。 10万円にならないうちに・・・? (★★★★)

  • ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業

    ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業
    すみません。これは宣伝です。 Blogにも「共著で実践的なナレッジマネジメントの本を出しました」と紹介いたしましたが、この度第二版(重版)ができました。 初版で終わったしまうことの多いビジネス書において重版はうれしい! まだお読みになっていない方は是非! (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪

    フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪
    これも分かっている人向き。 コトラーの中では「最も今日的な本」であると言えるでしょう。コトラー大先生と私ごときを並べて語るのは不遜の極みですが、私が旧社電通ワンダーマンのニューズレターや日経BizPlusの連載でしきりに訴えてきた内容が集約されている気がします。うーん、大先生と何か視点が共有できているようで読んでいて嬉しくなってしまった一冊でした。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト
    今度は分かっている人向け。そういう人はたぶんもう買っていると思いますが・・・。 コトラー特有の大作ではなく、マーケティングの中でも重要なコンセプトを80に集約して解説を加えた、ある意味他のコトラー本の「攻略本」とも言える。 常にデスクサイドに置いておき、用語集として使うもよし、ネタに困ったときにパラパラと眺める「ネタ本」としてもよし。マーケター必携の本であると言えましょう。 (★★★★★)

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December 2011の4件の記事

2011.12.24

【連載リンク】金森努のロングセラー商品の戦略を聞く!・第9回:旭化成「ヘーベルハウス」

 今回は住宅です。旭化成の「ヘーベルハウス」。
 実は、金森の実家もヘーベルファミリーだったりします。

 鉄骨と軽量気泡コンクリートパネル「ヘーベル」を建材に使用し、耐震性、耐火性に優れ、60年先まで快適に住み続けられる「ロングライフ住宅」を提供する「ヘーベルハウス」。1972年の創業以来、ライフスタイルの新風をいち早くとらえ、「二世帯住宅」という言葉を生み出すなど、画期的な間取りの提案を続けてきました。マーケティング本部 営業推進部課長の中村干城氏に聞きました。


<金森努のロングセラー商品の戦略を聞く!・第9回:旭化成「ヘーベルハウス」>

 ○記事はこちらから!→ http://adv.asahi.com/modules/long_seller/index.php/asahikasei_0.html

2011.12.16

サンシャイン水族館・リニューアル大成功のヒミツ

 報道によれば、複合ビルのサンシャインシティ(東京・豊島)が運営する「サンシャイン水族館」が、リニューアルオープンした8月からの4ヶ月で100万人の入場者数を達成したという。その人気のヒミツはなんだろうか。

 サンシャイン水族館は1978年に「サンシャイン国際水族館」として開業したが、設備の老朽化対応と魅力度向上のため、2010年9月から1年間の休業期間を設け30億円の費用をかけて全面改装したという。

 リニューアル後の人気のヒミツは同館の館長の言葉に隠されている。「生き物に注目してもらう展示の工夫が誘因となっている」(日経MJより)とある。

 水族館の中核的価値とはなんだろうか。普通に考えれば、「魚や海洋生物が見られること」だ。それを実現する実体価値が「館内設備」であり、中核の実現には直接関わらないが全体として魅力を高める要素としての付随機能が、「館内のアメニティー施設」などであろう。

 動物園のリニューアル成功例として有名な旭山動物園(北海道旭川市)。動物の姿形を見せることに主眼を置いた従来の展示方法に対して、同園では1997年度から、動物本来の生態や能力を引き出して見せる「行動展示」に取り組んでいる。水中を空飛ぶように泳ぐペンギンを見渡せる水中トンネルや、ホッキョクグマと“獲物”の視点で対面できる透明カプセルなど、動物の自然な姿を間近で観察できる施設を次々と導入し、改良を重ねてきた。

 動物を見るなら、来場者は狭苦しい檻の中に閉じこめられ、生気を失った動物、ストレスフルに意味もなくひたすらウロウロする姿。そんなものは見たくない。また、魚類なら生きて泳ぐ姿も家庭・事業所用アクアリウムの普及で見慣れてきた。水族館にとっては強力な代替品の脅威である。
 サンシャイン水族館のリニューアル成功は、旭山動物園同様、中核価値を「動物を見せる」→「生態を見せる」に変えたことだ。それも、より生き生きと。

 成熟商品は付随機能の開発ばかりに走りがちだが、それでは「大ヒット」は生まれない。ターゲットのニーズに直結した中核価値を根本から見直すことが欠かせないのである。

2011.12.12

どちらを選ぶ?理容店のヒゲ剃りサービス

髪は美容サロンで切るけど、時々、理髪店でヒゲを剃ってもらう。ヒゲは毎朝自分で剃っているけど、人にやってもらうと気持ちがいいから。それが理由。気持ちがシャキッとして、少し気合いも入る。

ちょっと豆知識だけど、理美容業界の基本的なサービス料金(技術料)は稼働時間に比例していて、標準的には10分で1,000円。なので、実はQBハウスとか格安床屋は業界相場と合っているのだ。

私が時々ヒゲを剃ってもらうのは、15分で1,500円の店と、25分で2,500円の店。どちらを選ぶかは、混み具合を見て。あ、少しウソをつきました。懐具合も関係します・・・。

2,500円の店は「理髪職人」然としたオヤジが剃ってくれる。アゴの辺りのクセヒゲも皮膚をあっちに引っ張り、こっちに引っ張りして徹底的に丁寧にやってくれる。そしていつも終わるとひと言。「お客さんのヒゲは大変だよ」。

1,500円の店はイマドキの髪型をした若いお兄さんか、かわいいお姉さんが剃ってくれる。こちらはとにかく剃るのが早い早い。切れたらどうしよう。皮がむけたらどうしようと思うような、ちょっとしたスリルも味わえる。ナゼ、手早くやるのかと言えば、15分をフルにヒゲ剃りに使うのではなく、まゆ毛の手入れや鼻毛、耳毛(←ジジイ化しているのか、最近少しあります)切りや、少し崩れた髪の再セットまでやってくれる。その時間を稼いでいるのだと思う。

理容室は男性も多く美容サロンに流れてしまい、結果的に激しい過当競争の時代に入っている。大倒産時代と言っていい。そんな厳しい環境のなか、法令でシェービングができない美容サロンに対してヒゲ剃りはキラーコンテンツなのだ。そして、「ヒゲ剃りのみ歓迎」は各店で掲げている。理容業界に入るけど、QBハウスはヒゲ剃りやらないし。

「ヒゲ剃り」の中核的価値は、「ヒゲをキレイさっぱりなくすこと」。
それを実現する実体価値は、「確かな技術」。
中核的価値の実現と直接関係のない付随機能が、「ヒゲ剃り関連の付加サービス・フルサービス」。


両店は何をどのように実現しようとしているのか。
さて、みなさんだったら2,500円の店と1,500円のどちらを選びますか?


私個人としては、2500円の店をメインに、「眉毛ケア​」などのニーズがある時のみ1500円安い店に行くことにしている。
1500円店は、付随機能までのフルサービスが魅力。特に理容店というプロダクトライフサイクルが成熟~衰​退期の商品では、消費者から求められる価値は付随機能に​移行するのが原則だ。その意味では正しい戦略を取って​いると言える。
しかしながら、中核価値において顧客に不安(スリル)を与える​のはイタダケナイ。実体価値である「確かな技術」に不信​感を持たれることになる。

「価格」と「差別化」という、本来比例関係(バリューライン​)にある 要素を同時に実現するのは容易ではない。故に、「​コストリーダー」は、差別化要素や品質はそのままで、ま​ずは価格を引き下げる。大量に集客して、隙間なく高い​回転率で規模の経済(固定費率の低減)と、経験効果(変​動比率、人件費率の低減)を図る。それがコストリーダー​の基本戦略。QBハウスはこの典型である。
対して、差別化戦略は価格はそのままで、差別化要素を強​化する。

この例では、1500円店は「二兎を追う」状態になって​いるといえるだろう。
本来なら、「2500円25分でフルサービス」の差別化戦​略か、「1500円でヒゲ剃りのみの安価で丁寧な対応」​というコストリーダーの戦略に徹するべきだといえるだろう。

2011.12.02

映画館の運営をどうすべきか?

 映画館のスクリーン数が減っているという。(11月29日付日本経済新聞)スクリーン数はシネコンの台頭により増加を続けていたが、18年ぶりに減少に転じたという。原因は、スクリーン数5未満の一般の映画館の閉館が進む一方、シネコンの出店好立地がなくなってきたためだという。

 では、映画館というビジネスのどこに問題があるのだろうか。4P的に考えてみよう。
・ Product:メガヒット作はないものの邦画人気も高まり大きな問題とは考えられない
・Place:記事にあるように旧来の映画館の淘汰は顧客利便性の観点から考えて致し方ない。しかし、シネコンは映画の流通チャネルとして理想的だ。好立地が減ってるいという問題は否めないかもしれないが、集客という意味においてシネコンは映画館ビジネスの問題を劇的に改善させた。
・ Promotion:テレビやOOH(屋外広告)連動など、プロモーション手法は高度化し集客に貢献していると思われる。
 となると、残りひとつのP、Priceの問題が考えられる。しかし、一般1,800円。割引によっては1,000円。この価格妥当性を論じるよりも、映画館としての「売り上げ」や「利益」を考えた方が問題は見えてくるように思う。

 問題の根本はスクリーン数を増やし続けるだけでなく、「稼働率」を向上させることにあるはずだ。新作の封切り直後や土曜日曜など以外の映画館のシートは、恐ろしいほど空席が目立つ。航空会社にたとえるなら、こんな状態で飛行機を飛ばしたら赤字間違いなしである。稼働率向上によって、映画館というハコの売り上げ・利益を改善することが先決だろう。

 「売上=客数×客単価×リピート率」なので、客単価が割引はあっても上限1,800円に固定化されているため、客数を増やすしかない。しかし、上映時間が決まっている以上、一日の客数にも上限がある。とすれば、上映一回あたりの空席率をいかに低減するかがキモとなるはずだ。
 発想としては、飛行機と同じ。早割同様に前売りで割引が実施されているが、そこをもっと精緻にやっていく余地はあるだろう。LCC(低価格航空会社)は早いほど席は安く、直前ほど高くなるという細かな料金設定をしている。大雑把な料金や割引制度を見直しすぐにでも検討した方がいい。

さらに考えを進めると、そもそも、企業が顧客から収益を上げられるポイントは限られている。そこを確実に押さえるのだ。何らかのきっかけ(ライフステージ)で取引が発生したら、
1.アップセリング(買増・買換)
  映画なら、すぐに前売り券を買わせる程度だけしかやっていないのが現状だ。それも予告編との連動が弱い。前述の「早割」と併わせて早期に買わせる。確実に次のチケットを買わせる工夫が必要。現状の“置いてあるだけ”は論外である。
2.クロスセリング(関連商品の販売)
  映画関連グッズ販売は、アニメや特撮ヒーローものぐらいしか力を入れてやっていないのではないか。メーカーはお金を払ってまでプロダクトプレイスメント(劇中商品PR)をやりたがっているのだから、「劇中で使っていた商品の即売」など、もっと積極的な関連商品の販売(お取り寄せでもいい)で収益を上げるべきではないか。ディズニーリゾートの収益は物販で上がっているという事実から学べるだろう。
3.アフターマーケティング(囲い込み)
  現在行われているのはポイントの付与ぐらい。ポイントと併せて複数回分の鑑賞券を事前購入させるSuica的前払いカードの導入も検討してもいいだろう。

 筆者は映画が好きだ。あるシネコン隣接の分譲マンションが「ずっと映画館に住みたいと思っていた」というキャッチコピーで、なんとジャン・レノ(←現在ドラえもん)を起用した広告を展開したとき、激しく同意したものだった。しかし、日経の記事には(昨今の映画の興行成績好況は)「シネコン増加にともなうスクリーン数の増加に支えられてきた麺も無視できない。スクリーン数の減少が続けば興行収入も大きな伸びが期待できなくなりそうだ」とある。中・長期的にはまた、映画産業の衰退につながってしまう。それでは困る。規模の増大が見込めないのであれば、単館あたりの売上・利益の向上を図るしかないのだ。根本からの検討を望んで止まない。

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