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4 posts from December 2011

2011.12.24

【連載リンク】金森努のロングセラー商品の戦略を聞く!・第9回:旭化成「ヘーベルハウス」

 今回は住宅です。旭化成の「ヘーベルハウス」。
 実は、金森の実家もヘーベルファミリーだったりします。

 鉄骨と軽量気泡コンクリートパネル「ヘーベル」を建材に使用し、耐震性、耐火性に優れ、60年先まで快適に住み続けられる「ロングライフ住宅」を提供する「ヘーベルハウス」。1972年の創業以来、ライフスタイルの新風をいち早くとらえ、「二世帯住宅」という言葉を生み出すなど、画期的な間取りの提案を続けてきました。マーケティング本部 営業推進部課長の中村干城氏に聞きました。


<金森努のロングセラー商品の戦略を聞く!・第9回:旭化成「ヘーベルハウス」>

 ○記事はこちらから!→ http://adv.asahi.com/modules/long_seller/index.php/asahikasei_0.html

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2011.12.16

サンシャイン水族館・リニューアル大成功のヒミツ

 報道によれば、複合ビルのサンシャインシティ(東京・豊島)が運営する「サンシャイン水族館」が、リニューアルオープンした8月からの4ヶ月で100万人の入場者数を達成したという。その人気のヒミツはなんだろうか。

 サンシャイン水族館は1978年に「サンシャイン国際水族館」として開業したが、設備の老朽化対応と魅力度向上のため、2010年9月から1年間の休業期間を設け30億円の費用をかけて全面改装したという。

 リニューアル後の人気のヒミツは同館の館長の言葉に隠されている。「生き物に注目してもらう展示の工夫が誘因となっている」(日経MJより)とある。

 水族館の中核的価値とはなんだろうか。普通に考えれば、「魚や海洋生物が見られること」だ。それを実現する実体価値が「館内設備」であり、中核の実現には直接関わらないが全体として魅力を高める要素としての付随機能が、「館内のアメニティー施設」などであろう。

 動物園のリニューアル成功例として有名な旭山動物園(北海道旭川市)。動物の姿形を見せることに主眼を置いた従来の展示方法に対して、同園では1997年度から、動物本来の生態や能力を引き出して見せる「行動展示」に取り組んでいる。水中を空飛ぶように泳ぐペンギンを見渡せる水中トンネルや、ホッキョクグマと“獲物”の視点で対面できる透明カプセルなど、動物の自然な姿を間近で観察できる施設を次々と導入し、改良を重ねてきた。

 動物を見るなら、来場者は狭苦しい檻の中に閉じこめられ、生気を失った動物、ストレスフルに意味もなくひたすらウロウロする姿。そんなものは見たくない。また、魚類なら生きて泳ぐ姿も家庭・事業所用アクアリウムの普及で見慣れてきた。水族館にとっては強力な代替品の脅威である。
 サンシャイン水族館のリニューアル成功は、旭山動物園同様、中核価値を「動物を見せる」→「生態を見せる」に変えたことだ。それも、より生き生きと。

 成熟商品は付随機能の開発ばかりに走りがちだが、それでは「大ヒット」は生まれない。ターゲットのニーズに直結した中核価値を根本から見直すことが欠かせないのである。

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2011.12.12

どちらを選ぶ?理容店のヒゲ剃りサービス

髪は美容サロンで切るけど、時々、理髪店でヒゲを剃ってもらう。ヒゲは毎朝自分で剃っているけど、人にやってもらうと気持ちがいいから。それが理由。気持ちがシャキッとして、少し気合いも入る。

ちょっと豆知識だけど、理美容業界の基本的なサービス料金(技術料)は稼働時間に比例していて、標準的には10分で1,000円。なので、実はQBハウスとか格安床屋は業界相場と合っているのだ。

私が時々ヒゲを剃ってもらうのは、15分で1,500円の店と、25分で2,500円の店。どちらを選ぶかは、混み具合を見て。あ、少しウソをつきました。懐具合も関係します・・・。

2,500円の店は「理髪職人」然としたオヤジが剃ってくれる。アゴの辺りのクセヒゲも皮膚をあっちに引っ張り、こっちに引っ張りして徹底的に丁寧にやってくれる。そしていつも終わるとひと言。「お客さんのヒゲは大変だよ」。

1,500円の店はイマドキの髪型をした若いお兄さんか、かわいいお姉さんが剃ってくれる。こちらはとにかく剃るのが早い早い。切れたらどうしよう。皮がむけたらどうしようと思うような、ちょっとしたスリルも味わえる。ナゼ、手早くやるのかと言えば、15分をフルにヒゲ剃りに使うのではなく、まゆ毛の手入れや鼻毛、耳毛(←ジジイ化しているのか、最近少しあります)切りや、少し崩れた髪の再セットまでやってくれる。その時間を稼いでいるのだと思う。

理容室は男性も多く美容サロンに流れてしまい、結果的に激しい過当競争の時代に入っている。大倒産時代と言っていい。そんな厳しい環境のなか、法令でシェービングができない美容サロンに対してヒゲ剃りはキラーコンテンツなのだ。そして、「ヒゲ剃りのみ歓迎」は各店で掲げている。理容業界に入るけど、QBハウスはヒゲ剃りやらないし。

「ヒゲ剃り」の中核的価値は、「ヒゲをキレイさっぱりなくすこと」。
それを実現する実体価値は、「確かな技術」。
中核的価値の実現と直接関係のない付随機能が、「ヒゲ剃り関連の付加サービス・フルサービス」。


両店は何をどのように実現しようとしているのか。
さて、みなさんだったら2,500円の店と1,500円のどちらを選びますか?


私個人としては、2500円の店をメインに、「眉毛ケア​」などのニーズがある時のみ1500円安い店に行くことにしている。
1500円店は、付随機能までのフルサービスが魅力。特に理容店というプロダクトライフサイクルが成熟~衰​退期の商品では、消費者から求められる価値は付随機能に​移行するのが原則だ。その意味では正しい戦略を取って​いると言える。
しかしながら、中核価値において顧客に不安(スリル)を与える​のはイタダケナイ。実体価値である「確かな技術」に不信​感を持たれることになる。

「価格」と「差別化」という、本来比例関係(バリューライン​)にある 要素を同時に実現するのは容易ではない。故に、「​コストリーダー」は、差別化要素や品質はそのままで、ま​ずは価格を引き下げる。大量に集客して、隙間なく高い​回転率で規模の経済(固定費率の低減)と、経験効果(変​動比率、人件費率の低減)を図る。それがコストリーダー​の基本戦略。QBハウスはこの典型である。
対して、差別化戦略は価格はそのままで、差別化要素を強​化する。

この例では、1500円店は「二兎を追う」状態になって​いるといえるだろう。
本来なら、「2500円25分でフルサービス」の差別化戦​略か、「1500円でヒゲ剃りのみの安価で丁寧な対応」​というコストリーダーの戦略に徹するべきだといえるだろう。

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2011.12.02

映画館の運営をどうすべきか?

 映画館のスクリーン数が減っているという。(11月29日付日本経済新聞)スクリーン数はシネコンの台頭により増加を続けていたが、18年ぶりに減少に転じたという。原因は、スクリーン数5未満の一般の映画館の閉館が進む一方、シネコンの出店好立地がなくなってきたためだという。

 では、映画館というビジネスのどこに問題があるのだろうか。4P的に考えてみよう。
・ Product:メガヒット作はないものの邦画人気も高まり大きな問題とは考えられない
・Place:記事にあるように旧来の映画館の淘汰は顧客利便性の観点から考えて致し方ない。しかし、シネコンは映画の流通チャネルとして理想的だ。好立地が減ってるいという問題は否めないかもしれないが、集客という意味においてシネコンは映画館ビジネスの問題を劇的に改善させた。
・ Promotion:テレビやOOH(屋外広告)連動など、プロモーション手法は高度化し集客に貢献していると思われる。
 となると、残りひとつのP、Priceの問題が考えられる。しかし、一般1,800円。割引によっては1,000円。この価格妥当性を論じるよりも、映画館としての「売り上げ」や「利益」を考えた方が問題は見えてくるように思う。

 問題の根本はスクリーン数を増やし続けるだけでなく、「稼働率」を向上させることにあるはずだ。新作の封切り直後や土曜日曜など以外の映画館のシートは、恐ろしいほど空席が目立つ。航空会社にたとえるなら、こんな状態で飛行機を飛ばしたら赤字間違いなしである。稼働率向上によって、映画館というハコの売り上げ・利益を改善することが先決だろう。

 「売上=客数×客単価×リピート率」なので、客単価が割引はあっても上限1,800円に固定化されているため、客数を増やすしかない。しかし、上映時間が決まっている以上、一日の客数にも上限がある。とすれば、上映一回あたりの空席率をいかに低減するかがキモとなるはずだ。
 発想としては、飛行機と同じ。早割同様に前売りで割引が実施されているが、そこをもっと精緻にやっていく余地はあるだろう。LCC(低価格航空会社)は早いほど席は安く、直前ほど高くなるという細かな料金設定をしている。大雑把な料金や割引制度を見直しすぐにでも検討した方がいい。

さらに考えを進めると、そもそも、企業が顧客から収益を上げられるポイントは限られている。そこを確実に押さえるのだ。何らかのきっかけ(ライフステージ)で取引が発生したら、
1.アップセリング(買増・買換)
  映画なら、すぐに前売り券を買わせる程度だけしかやっていないのが現状だ。それも予告編との連動が弱い。前述の「早割」と併わせて早期に買わせる。確実に次のチケットを買わせる工夫が必要。現状の“置いてあるだけ”は論外である。
2.クロスセリング(関連商品の販売)
  映画関連グッズ販売は、アニメや特撮ヒーローものぐらいしか力を入れてやっていないのではないか。メーカーはお金を払ってまでプロダクトプレイスメント(劇中商品PR)をやりたがっているのだから、「劇中で使っていた商品の即売」など、もっと積極的な関連商品の販売(お取り寄せでもいい)で収益を上げるべきではないか。ディズニーリゾートの収益は物販で上がっているという事実から学べるだろう。
3.アフターマーケティング(囲い込み)
  現在行われているのはポイントの付与ぐらい。ポイントと併せて複数回分の鑑賞券を事前購入させるSuica的前払いカードの導入も検討してもいいだろう。

 筆者は映画が好きだ。あるシネコン隣接の分譲マンションが「ずっと映画館に住みたいと思っていた」というキャッチコピーで、なんとジャン・レノ(←現在ドラえもん)を起用した広告を展開したとき、激しく同意したものだった。しかし、日経の記事には(昨今の映画の興行成績好況は)「シネコン増加にともなうスクリーン数の増加に支えられてきた麺も無視できない。スクリーン数の減少が続けば興行収入も大きな伸びが期待できなくなりそうだ」とある。中・長期的にはまた、映画産業の衰退につながってしまう。それでは困る。規模の増大が見込めないのであれば、単館あたりの売上・利益の向上を図るしかないのだ。根本からの検討を望んで止まない。

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