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2011.11.17

「狭小店フォーマット」で勝負をかけるユナイテッドアローズ

11月10日付日経新聞に来春の開業予定として<羽田に「メンズ館」 三越伊勢丹 新規立地を開拓>という記事が掲載されたが、その戦略意図を考察し、以下の記事として掲載した。

 < 夢のパラダイス「三越伊勢丹・羽田メンズ館」?>
 http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2011/11/post-5822.html

 売り場面積が伊勢丹新宿本店のメンズ館の約10分の1・1千平方メートルという陣容で望む、昨今の流通グループの戦略である狭小店開発と一線を画す展開だ。

 一方、セレクトショップのユナイテッドアローズは、その狭小店フォーマットに磨きをかける展開で勝負をかけてきている。11月9日に東京メトロ表参道駅地下鉄構内(改札外)に小さなショップをオープンした。看板には「ザ ステーションストア ユナイテッドアローズ」と書いてある。
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 開店から1週間の11月16日に現地取材をしてみたが、改札を出てすぐの良好な立地とも相まって、店舗内に足を踏み入れる人、商品を手に取る人、レジに並ぶ人が引きも切らない状態だった。品揃えは雑貨、女性向けアクセサリーと袋物、衣料品。通行客のついで買い、衝動買いの取り込みを狙ったと思われるが、狭い店舗にオンナゴコロをくすぐる商品の数々をよくもここまで詰め込んだという感じのショップとなっている。ユナイテッドアローズを表す「UA」と、メトロを象徴したマークを組み合わせたロゴを配した駅ナカショップ限定のグッズも取りそろえている。

 同社の狭小店攻勢はそれだけでは終わらない。2011年11月16日付日経MJに<高速道SAに出店>という記事が掲載された。12月開業の店舗名は「ザ ハイウエイストア ユナイテッドアローズ」という。東名高速道路海老名サービスエリア(上り線)の商業施設への出店だ。30平米の狭小スペースに<商品は衣料品から雑貨まで幅広くそろえ、男性向けと女性向け、子ども向けがそれぞれ20%、雑貨が40%>だという。駅ナカ同様、オリジナルロゴの限定品も扱うということだ。
前掲の「三越伊勢丹・羽田メンズ館」同様、「非日常需要」を狙う展開だが、但し、こちらは家族が揃っているシチュエーションなので、各々向け商品と家族皆で使える雑貨が最も多くラインナップされていることが特徴だ。東京メトロの駅ナカショップに一人でふらりと立ち寄る女性の購買行動とも異なる、家庭内DMU(Decision Making Unit=購買決定関与者)の利害調整が円滑に進むよう配慮した結果だと思われる。

 セレクトショップブームももはや成熟期を迎えた。取り込めるファッション感度の高い顧客層は自社・競合とで争いつつ、概ね刈り取ったのだろう。そこから、いかに売上を伸ばしていくかが問題だ。「売上=客数×客単価×購買回数」だ。狭小店の狙いは、いままで接点のなかった新規客に店舗が近づいていくことと、既存顧客の来店利便性を高め購買回数を上げることだ。
 黙っていても顧客は増えない。ならば、どんな小さなスペースにでも積極的に打って出るユナイテッドアローズの戦略は、これからの「縮む日本市場」において、多くのリテールの参考になると思われる。


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