若者を狙う「青山商事」の課題は何だ?
あなたがもし、担当商品の「売り上げを倍増させよ」と命じられたら、どうするだろうか?商品に新たな特徴を加える。価格を改定する。販路を拡大する。広告を増やす・・・。それらは全て4P(Product・Price・Place・Promotion)の一要素だ。それらを1つ、2つ思いつきでいじっても効果は出ない。
11月23日付日経MJのコラム「早耳遠耳」に青山商事社長のコメントが掲載された。
タイトルは「少子化でも若年層は魅力」。コメント内容によれば<「(若い世代向けの商品は)稼げる所だし、稼いでいかないといけない」>と、顧客生涯価値の高さという魅力を獲得すべく市場のパイは縮小するも重点ターゲットとする構えだ。
マクロ的に見れば、あまり時間はない。来年、2012年問題がやってくる。団塊の世代の大量定年による社内ナレッジの確保が問題になった2007年問題。多くの企業の解決策は根本的なものではなく、「5年間の定年延長。嘱託職員としての5年間再雇用」など、問題の先送りだった。そのいわば「社内職人からの借り物の時間」を返すべき時が来年やってくるのだ。完全リタイヤ。もうスーツは着ないだろう。ついでに日経新聞も読まなくなる。否が応でも若年層にフォーカスせざるを得ない。それが、社長コメントの底流にあるのである。
記事によれば、若年層ターゲットへの手は打っている。<今秋冬に「次世代スーツ」と称して、若年層を主要ターゲットとして伸縮性に富んだスーツの販売を強化する>という。
・Product:流行りの細身のスーツを、伸縮性に富んだ素材やカットで動きやすさも確保した「次世代スーツ」を開発。
・Price:49,800円だが、クーポン使用で実質定価は24,800円。十分手が届く。
・Place:青山の店舗は郊外ロードサイド型から都市部中心に移行してきている。車に乗らない若者対応の意味合いも大きいだろう。
・Promotion:CMのキャラクターは溝端 淳平や佐々木 希などフレッシュな面々をそろえた。メディアも従来のテレビに限らず、ウェブ限定のドラマを放映するなどの取り組みも始めている。
・・・さて、これで販売は万全だろうか。4Pを考えるにはまず、「相互の整合性」が欠かせない。どれか単独の一要素が優れているのではなく、「マーケティングミックス」というように、相互作用でターゲットに魅力が伝わるかが問題だ。
訴求のポイントは、「高品質・高機能」「手軽な価格」だといえる。
「高品質・高機能」「手軽な価格」がポジショニングだとすれば、どこかで見たポジショニング軸だ。そう、「ユニクロ」。「デザインはともかく、品質ではもはや勝てない」と大手アパレルの幹部が漏らすその品質と管理手法。販売予測を徹底し、極限までアイテムを絞り込み大量発注し、低価格を実現するというリスクの取り方。それらがユニクロの力の源泉だ。極端なハナシ、洋服をトータルな「ファッション」として提供するのではなく、個々の「パーツ」として提供している。では、青山は「ビジネスとしての道具」を提供する、スーツのユニクロになるのだろうか。
そうなると少々悩ましいのが、別業態として展開している、2プライス(19,800円、29,800円)店の「ザ・スーツ・カンパニー」だ。2プライス店は手ごろな価格でちょっと凝ったデザイン、豊富なサイズ展開が消費者の支持を得て競合各社も続々と参入してくるほど活況を呈し、都市部の路面店、ショッピングセンターなどのそこかしこで見かけるようになった。特に青山の「ザ・スーツ・カンパニー」の縫製は中国だが、ディテールのこだわりなどなかなかのものなのだ。ここのスーツは「ビジネスの道具」ではなく、「ちょっとしたオシャレの演出」がポジションとなるだろう。このブランドと統合するのか、あくまで別路線で行くのか。
スーツをスーツ然として着るシーンが、ビジネスウェアのカジュアル化にともなって減ってきている。「いいモノを安く」的なポジションでは生き残っていけないのは必定。だとすれば、両者の関係にも一度メスを入れねばならないはずだ。そのためにも、「顧客のニーズをよく見る」という原理原則から再度検討すべきなのだろう。
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初めまして。
青山学院大学教育人間科学部2年の増永菜津美と申します。
私は起業に興味があり、「日本のお母さんに起業を考えるキッカケを広めたい」という思いから、10月に大学内でサークルを立ち上げました。今後の活動にむけて、経営に精通している方のお話を参考にさせて頂きたいと思っています。
是非一度、ブログに遊びに来て下さい!
よろしくお願い致します。
Posted by: 増永 菜津美 | 2011.11.28 08:02 PM