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【マーケティング講座】

お勧めマーケティング関連書籍

  • 金森 努: 3訂版 図解よくわかるこれからのマーケティング(DOBOOKS)
    初めての人から実務者まで、「マーケティングを体系的に理解し、使えるようになること」を目的として刊行した本書は、2016年に「最新版」として第2版が発売されました。 それから6年が経過し、デジタル技術の進化やコロナ禍という大きな出来事もあり、世の中は既に「ニューノーマル」に突入しています。 その時代の変化に合わせて本文内容の改訂、新項目の追加や事例の差し替えなどを大幅に行ないました。
  • 金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)

    金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)
    「マーケティングって、なんとなく知っている」「マーケティングのフレームワークは、わかっているつもりだけど業務で使いこなせていない」・・・という方は意外と多いのが実情です。 「知っている」「わかっている」と、「使える」の間には、結構大きな溝があるのです。 その溝を、最低限の9つのフレームワークをしっかり理解し、「自分の業務で使いこなせる」ようになることを目指したのがこの書籍です。 前著、「最新版図解よくわかるこれからのマーケティング」は、「教科書」的にマーケティング全体を網羅しているのに対して、こちらの「9のフレームワーク・・・」は、「実務で使いこなすための「マニュアル」です。 もちろん、フレームワークをしっかり理解するための、実事例も豊富に掲載しています。 「よくわかる・・・」同様、多くの企業研修テキストとしてもご採用いただいています。

  • 金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)

    金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)
    旧版(水色の表紙)は6年間で1万部を販売し、それを機に内容の刷新を図りました。新章「ブランド」「社内マーケティングとマーケティングの実行」なども設け、旧版の70%を加筆修正・新項目の追加などを行っています。本書最新版は発売以来、10ヶ月で既に初版3千部を完売。以降増刷を重ね、約1万部を販売していおり、多くの個人の方、大学や企業研修で「マーケティングのテキスト」としてご愛顧いただいております。

  • 金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)

    金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)
    ヒット商品ネタ51連発!このブログ記事のネタを選りすぐってコンパクトで読みやすく図表付きに再編集しました!

  • 金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)

    金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)
    打倒「もしドラ」!を目論んだ(笑)ストーリー展開のマーケティング本。初心者にもわかりやすいマーケティングの全体像に基づき、実践・実務家も納得のリアリティーにこだわりました!

  • 金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える

    金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える
    ペンギンの世界を舞台に「考えるとはどういうことか」「論理的思考(ロジカルシンキング)とは何か」を考える、スラスラ読めて身につく本です。初心者の入門書として、一度学んだ人の復習にと活用できます。

  • 金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本

    金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本
    マーケティングをストーリーで学び、「知っている」が「使える」になる本。1つ1つのフレームワークが、面白いように「つながっていく」感覚を実感してください!

  • 金森 努: “いま”をつかむマーケティング

    金森 努: “いま”をつかむマーケティング
    7編の取材を含む、2010年のヒット商品など約30事例をフレームワークで切りまくった「マーケティング職人・金森」渾身の1冊。フレームワークを学びたい人にも、フレームワークの具体例を知りたい人にも、朝礼で話せるコネタが欲しい人にも役に立つこと間違いなしです!

  • 長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語

    長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語
    「分かるとできるは違う」と言われるが、両者間には距離がある。実業務のどこで使えるのか気づけない。だから使えない。本書はお菓子メーカーのマーケティング部を舞台にした「若者2人の成長物語」を通して、戦略思考、論理思考、クリティカル・シンキングなどの、様々な思考法が展開されていく。ストーリーで「使いどころ」をつかめば、実践できない悩みの解消が図れるだろう。 (★★★★★)

  • ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」

    ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」
    フレームワークの「使用上の注意」は、「人の心はフレームワークだけでは切れない」を常に認識することだ。「行動経済学」に注目すれば、経済合理性に背く人の行動の謎の意味が見えてくる。謎の解明を様々なユニークな実験を通して、著者ダン・アリエリー節で語る本書は、「フレームワーク思考」に偏りすぎた人の目から何枚もウロコを落としてくれるはずだ。 (★★★★★)

  • セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践

    セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践
    「顧客はドリルが欲しいのではない、穴が空けたいのだ」や、「マーケティング近視眼(Marketing Myopia)」で有名なレビット教授の名著。製品とは何か。サービスとは何か。顧客とは何か。そして、マーケティングとは何かと問う、今まさに考え直すべき原点が克明に記されている名著。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
    コトラーはマーケティングは「製品中心(Product out)=1.0」「消費者中心(Customer Centric)=2.0」。それが「人間中心・価値主導(Social)=3.0」にバージョンアップしたと論じている。本書は「マーケティング戦略」の本というよりは、今日の「企業のあるべき姿」を示しているといえる。その意味では、「では、どうするのか?」に関しては、新たなソーシャルメディアの趨勢などに考慮しつつ、従来のコトラー流2.0を十分に理解しておくことが必要だ。 (★★★★)

  • 鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)

    鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)
    広告に関する本は、いわゆる広告論や広告制作の手法を述べていても、マーケティング理論を前提としたものは少なかったように思います。「マーケティングの中における広告ビジネス」を具体的にまとめました。さらに、当Blogで「勝手分析」した事例を企業取材によって、マーケティングと広告の狙いを検証しました。多くの現役広告人と広告人を目指す人に読んでいただきたいと思います。

  • 金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)

    金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)
    金森の著書です。フレームワークやキーワードやセオリー、事例をマーケティングマネジメントの流れに沿って102項目で詳説しました。フレームワークの使いこなしと事例には特にこだわりました。金森のオリジナル理論もあり!

  • 山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える

    山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える
    リーダーの戦略や、チャレンジャーがリーダーを倒す方法など、ポーター、コトラーの理論を更に実践的な事例と独自フレームワークで解説した良書。事例がちょっと古いが、今、読み返してもためになる。在庫が少ないので、中古本でも出ていれば即買いをお勧め。 (★★★★)

  • 金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)

    金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)
    このBlog記事一話一話が見開きで図解されたわかりやすい本になりました。ヒット商品のヒミツをフレームワークで斬りまくった、ネタ56連発。是非一冊!

  • 後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて

    後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて
    「レスポンス広告」とは資料・サンプルの請求や商品の注文を消費者から獲得するための広告のこと。そのための方法論は、ブランドイメージをよくするといった目的とは全く異なる。本書は多数の広告サンプル(精度の高いダミー)を用いてレスポンス広告のキモを具体的かつ詳細に解説している。「レスポンス広告の鬼」たる筆者ならではの渾身の1冊。 (★★★★★)

  • ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン

    ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン
    どんなすばらしいマーケティングプランも、結局は人が動かなければ成功しない。故に、リーダーシップ論が重要となる。本書はコッター教授の「企業変革8ステップ」が寓話の中でわかりやすく記されている良書である。金森絶賛の一冊です。 (★★★★★)

  • マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則

    マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則
    2000年発売の良書。旧タイトル「ティッピング・ポイント」が文庫本化されたもの。クチコミの本ではなく、イノベーションの普及が何かのきっかけで一気に進む様を、各種の事例を元に解明した、普及論にも通じる内容。(うっかりリストに入れ忘れてました)。オススメです。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学

    野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学
    経済分野最強のジャーナリスト勝見 明紙と、経営学の大家野中 郁次郎先生という黄金コンビによる傑作。いくつもの企業でのイノベーション事例を物語風に紹介しながら、その変革の要諦を解明、さらなる提言をメッセージしている。読み応え十分。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの本質

    野中 郁次郎: イノベーションの本質
    最新刊の「イノベーションの作法」に比べると、少々こちらは「野中理論」の難しい部分が表面に出ているように思えるが、発売当初、ナレッジマネジメントの観点からしか読んでいなかったが、読み返してみれば、本書の1つめの事例である「サントリー・DAKARA」はマーケティングでも有名事例である。むしろ、本書での解説は、マーケティングのフレームワーク上の整合ではなく、そのコンセプト開発に力点が置かれており、その精緻な記述は圧巻であった。読み直して得した気分になったので、ここで併せて紹介する。 (★★★★)

  • グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業

    グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業
    だいぶ発売されてから時間が経ってしまったのですが・・・。 二度目に読んで、「お勧め」しようと思いました。 そのわけは、一度目は「いかに顧客と優良な関係を構築することが重要か」という当たり前なことを力説しているだけの本だと思ったからです。 事実、そうなんです。アドボカシー(advocacy=支援)という新しい言葉を遣っただけで。 ただ、その「当たり前なこと」のまとめ方が秀逸であり、我々マーケターにとっては「当たり前」でも、その考え方がどうしても理解できない石頭な人に読ませると、なかなか効果的だと分かりました。 さて、皆さんもそんな人が周りにいたら読ませてみては? (★★★)

  • レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」

    レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」
    ダイレクトマーケティングの創始者であり、金森の心の師でもある、レスター・ワンダーマンの「BEING DIRECT」(英文名)が12年ぶりに改訂されました。 詳しくは、Blog本文の10月16日の記事を参照ください。 必読の書です。 前版は電通出版だったので入手が少々面倒でしたが、今回は一般の出版社からの刊行なので、アマゾンで購入できます。この本の画像をクリックすれば、アマゾンのサイトにリンクしますので、是非! (★★★★★)

  • フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式

    フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式
    実は、この本は金森の入院中の頂き物。結構はまりました。 スウェーデンの売れっ子セミナー講師が自らのセミナーで用いている30の設問を、気の利いたイラストに載せて紹介している。「レンガの使い方を10通り挙げなさい」のような、「ん?どこかの自己啓発セミナーで聞いたな~」というようなネタもありますが、ひねりの効いた問いかけもいっぱい。ざっと流し読みしたら20分で読み終わってしまう絵本になってしまいますが、本気で問いかけの答えを考えると、なかなか論理思考も鍛えられます。金森もお気に入りの問いかけは出典を明らかにして、自分の企業研修で使わせてもらっています。 ちなみに、この本の2(続編)も出ています。2冊揃えば送料も無料。「あわせて買いたい!」。 (★★★★★)

  • パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う

    パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う
    重要な本をお薦めするのを忘れていました。この本も結構、私の座右の書となっています。「ミッションステートメント」の重要性もコラム等で繰り返し述べてきました。それがしっかりしていないが故に、会社自体が方向性を見失い、社員も求心力をなくす。また、顧客のことも忘れてしまう。ミッションステートメントは壁に黄ばんだ紙に書いてあるものを、朝礼で呪文のように唱和するためのものではないのです。社員全員、全階層がそれを本当に理解し、行動できれば会社に強大なパワーが生まれるはずです。この本は「強い企業の強いステートメント」が紹介・解説された良書です。 (★★★★)

  • エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学

    エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学
    もはや絶版でプレミアがついて現在ユーズドで3万円!(昨年までは2万円以下でした。定価は8千円弱)。 しかし、一度は翻訳版とはいえ原書を読みたいもの。 私のコラムでもよく取り上げています。 様々なマーケティングの入門書にも部分的に取り上げられていますが、誤った解釈も多く、「イノベーションの普及速度」などの重要項目も抜けています。 ただ、基本的には社会学の学術書なので、完読するのはチトごついかも。(それで星4つ。内容的には断然5つですが。)3万円ですが、手にはいるならラッキー。 10万円にならないうちに・・・? (★★★★)

  • ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業

    ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業
    すみません。これは宣伝です。 Blogにも「共著で実践的なナレッジマネジメントの本を出しました」と紹介いたしましたが、この度第二版(重版)ができました。 初版で終わったしまうことの多いビジネス書において重版はうれしい! まだお読みになっていない方は是非! (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪

    フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪
    これも分かっている人向き。 コトラーの中では「最も今日的な本」であると言えるでしょう。コトラー大先生と私ごときを並べて語るのは不遜の極みですが、私が旧社電通ワンダーマンのニューズレターや日経BizPlusの連載でしきりに訴えてきた内容が集約されている気がします。うーん、大先生と何か視点が共有できているようで読んでいて嬉しくなってしまった一冊でした。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト
    今度は分かっている人向け。そういう人はたぶんもう買っていると思いますが・・・。 コトラー特有の大作ではなく、マーケティングの中でも重要なコンセプトを80に集約して解説を加えた、ある意味他のコトラー本の「攻略本」とも言える。 常にデスクサイドに置いておき、用語集として使うもよし、ネタに困ったときにパラパラと眺める「ネタ本」としてもよし。マーケター必携の本であると言えましょう。 (★★★★★)

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2011.01.04

ホームランは無理?!では、「ヒット商品」はどう作る?

 あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いいたします。
 本日より、Blogの更新を再開します。

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 イノベーティブな商品・サービスを世に送り出し、一気に「キャズム越え」を狙いたい。誰しも考えることではあるが、なかなかそれは、ままならぬ。では、2011年をどのように戦えばいいのだろうか。

■確実なヒットが求められる

 2010年に「キャズム」を超え、大ヒットとなった商品といえば、日経MJヒット商品番付2010年の東の横綱・「スマートフォン」が上げられるだろう。サービスでは、2009年に既に西の小結に選ばれてしまっているが、本格的な普及段階という意味では、筆者としては「Twitter」を推したい。しかし、イノベーションを生み出し、普及させるのは「ホームラン」を放つに等しい。日々、ビジネスの打席に立つなら好機に一発を狙うことを諦めてはいけないが、低成長な経済環境では確実なヒットも積み重ねなくてはならぬ。では、どうすれば「選球眼」が養えるのだろうか。

■ヒットを打つためには

 確実にヒットを打つには、まず、世の中と顧客の変化をつかみながら、競合の動きを見逃さず、自社の強みを最大化することである。概念的にいうと難しく感じるかもしれないが、多くの企業が行っているチャレンジである。大切なのは、それを意識的に、ツボをおさえて行うことだ。日経新聞の記事にいくつか興味深い記事が掲載されていたので、それを例に検証していこう。

■高級コンパクトデジカメの狙いは?

 1月1日の日経11面は今年市場に投入される「新顔家電」の特集だ。その1つに「高級コンパクトデジカメ 高解像度のプロ仕様」とある。記事では<コンパクト型の高級志向も強まりそうだ>との予測が示されている。コモデティー化が進み、プロダクトライフサイクル(PLC)は成熟期。シェア確保のための競合と競争が激化して、カテゴリー全体で価格下落に歯止めがかからない。その外部環境・競合環境への対応である。春に発売されるという富士フイルムの「Fine Pix X100」は価格が12~15万円の見通しだという。<一眼レフと同サイズで、1230万画素の画像センサーを搭載><高級ガラスレンズを使用したプロ向け仕様>だとある。
 商品の仕様以上に特徴的なのは、極端に絞り込んだターゲットとポジショニングだ。記事にある同社役員のコメントによれば、<「プロカメラマンの意見を集約して開発した。一眼レフの代替ではなく、機動的に撮影できるサブ機としての利用を想定している」>という。ターゲットはプロカメラマン。しかし、それではいくら何でも狭すぎるので、プロをイメージターゲットとして、ベースターゲットである、セミプロフェッショナル(もしくは、ハイアマチュア)への波及効果を狙っている。ポジショニングは、「サブ機」と明確だ。
 デジカメを手に入れることで実現したい中核的な便益は「デジタルで写真がきれいに撮れること」である。それを実現するものは、「画素数」だ。それを実現するのは、「コンパクトで手軽なボディー」や「いいレンズが搭載されていること」というような要素だ。さらに、中核の実現と直接関係はないが、商品の魅力を高める付随機能はといえば、ネットワークに接続して瞬時にBlogやSNSにアップできる機能などが最近は開発されている。そのようにPLCが進むほどに、勝負のしどころは本筋ではない、付随機能の戦いとなってくるのだ。
  「Fine Pix X100」はデジタルカメラの「製品の価値構造」をもう一度見直して考えていると思われる。サイズは一眼レフと同サイズ。商品写真を見るとレンズ口径が大きい。一般に写真のキレイさはレンズ径の大きさと比例関係にあるといってもいい。コンパクトデジカメでありながら、コンパクトさよりレンズが大きくキレイな写真が撮れることを選んだ形状を持った商品だといえる。つまり、ターゲットを絞り込んで、ポジショニングを明確にすることによって、勝負のしどころを付随機能ではなく、実体である「レンズ」に集中して価値を高めているのだ。記事ではオリンパスも高級コンパクトデジカメへの参戦を表明しているという。

■「エコ」なコピー機の戦略は?

 コモデティー品といえば、オフィスでは「コピー機」がその代表格だ。「複写ができる」という中核は当たり前で、今日のオフィスで稼働しているのは、ファックスもプリントアウトも、スキャンもできる「複合機」になっている。それを実現する実体も、速さ、キレイさ、節電機能などはもはや当たり前。勝負のしどころは、サービス・メンテナンスのよさに移っている。しかし、サービスレベルの向上には限界があり、人が動く部分であるためコストも幾何級数的に高くなっていく。
 同紙14面の「日進月歩の技術革新」という記事では、「事務機 機能毎に通電制御」というタイトルがある。商品写真には「機能別に通電制御が可能な富士ゼロックスの複合機」という説明が添えられている。つまり、前項の高級コンパクトデジカメ同様に、「節電機能」という実体価値を再定義したわけだ。背景にはエコロジーの高まりと、企業のコスト低減化という市場環境がある。富士ゼロックスの「アペオスポート」は従来機が節電/解除を機械全体で行っていたものを、機能毎に4分類した結果大幅に節電解除時間を短くし、消費電力を約7割削減できるという。
 エコとコスト削減のため、節電機能はもはや当たり前。しかし、機械がウォームアップするまでの時間は何ともイライラする。しかし、ユーザーはそれが「当たり前」と思って我慢してしまうようになる。結果的に、トラブル時の対応スピードなどに目が行く。その「当たり前」になってしまっているものを、見直し、細部まで分解して価値を高める工夫には学びたい。

■「当たり前」から「引き算」して生まれたLCC

 「当たり前」と思いがちなものを見直すには、一度自社のバリューチェーンを「引き算」してみることも有効だ。元旦の日経記事にもあちこちにキーワードとして頻出していたLCC(格安航空会社)。昨年、全日空が参入を決め、中国の春秋航空が茨城空港に就航、マレーシアのエア・アジアXが羽田空港に就航して話題になった。通常の航空会社が客室内のサービスを「フルサービス」で提供するのに対し、徹底した省略を行う。
 機内サービスだけではない。[調達]→[販売]→[運行]→[サービス]という、航空会社のバリューチェーンの細部にわたって見直し、「高効率化のための引き算」を行っている。まず、調達機体は統一。顧客ニーズや路線に応じた機体の多様性は引き算だ。その結果、調達条件交の有利さや、全路線での使い回による運行効率や、メンテナンスも効率化えきる。航空券の販売はウェブサイトでの予約を中心として中間マージンを引き算だ。運行は機体にできるだけ多くの客席を作って、低廉な価格で客を集めて搭乗率を高め、高回転で機体を回していくという運行が基本となっている。
 上記のような航空会社は、以前なら誰しも考えも付かなかったが、米・サウスウエスト空港やアイルランドのライアンエアーが確立したモデルは国際的にはすっかり定着化して、今、日本市場にも変革をもたらそうとしている。

■環境の変化と顧客ニーズの変化が「引き算」のカギ

 では「引き算」は何を基準に行えばいいのか。昨年12月29日の記事に「ヨーカドー・イオン セルフレジ導入拡大 電子マネー普及が後押し」という記事が掲載された。<ヨーカドーは2012年春までに全体の1割強にあたる20店前後に拡大。イオンは来春までにグループのスーパー(約1,500店)の2割強で使えるようにする>とある。
 世の流れは少子化高齢化・少人数世帯化が加速している。都市部集中も進んでいる。それに対応して、スーパー各社は都市部に小型店舗を投入する。コンビニエンスストアも生鮮品を取りそろえたり、生鮮コンビニを新たに出店したり既存店を転換したりしている。コンビニの武器は、コンパクトな店舗と、とりあえず必要なものが揃う品揃えだ。コンビニが競合として浮上してくる。
 スーパーにおける顧客のニーズ、及びニーズギャップは何か。次第に増えてくるのは「買い物は少量しか買わない」という顧客だ。そこに「少ししか買わないのにレジに並びたくない」「コンビニ並みにスピーディーに買いたい」というニーズが発生する。そこで、バリューチェーンにおける「レジ精算」というプロセスを「引き算」するのである。元々は、スーパーも「清算後に購入商品を袋に入れて顧客に渡す」というプロセス省略し、購入品をカゴに入れたままレジ袋と共に渡すという「引き算」を行っているのだ。再度、市場の変化と顧客のニーズに注目してバリューチェーンを変更しても、いけないことはなにもない。

 各社・各業界が各様のチャレンジを行っている。それは、ホームランは無理でも、ヒットを出すための工夫だ。市場環境は刻々と変化している。その変化球をヒットにせずに、見送りばかりしていたら、「アウト」になるのである。


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Comments

いつも拝読させて頂いております!気になった点が1点だけ・・・
LLCではいわゆる合同会社ではないでしょうか?LCCがローコストキャリアかと・・・。揚げ足取りのようで申し訳ありませんでした!

>高橋様

いつもご愛読ありがとうございます。
ご指摘の通りです。
修正しました。

ありがとうございました。 m(_ _)m

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