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2010.07.08

「ラー油ブーム」で最後に笑うのは誰か?

 相変わらずの品薄で全く手に入らない「食べるラー油」。空前のブームの果てに、最後に笑うものは誰なのか?

■まだまだ手に入らない「食べるラー油」

 「桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油」、通称「桃ラー」。昨年8月の発売から1年弱が経過しようという今日、店頭では相変わらずの品薄が続き、メーカーである桃屋のWebサイトでは<「辛そうで辛くない少し辛いラー油」品薄状態についてのお詫び>という謹告が更新を重ねるという状態が続いている。
 大ブームを猛追する構えで参入したのが香辛料の雄、ヱスビー食品だ。年間売上高3億5000万円の目標を掲げ、「ぶっかけ!おかずラー油チョイ辛」を3月に発売。早々に市場では「エスラー」という愛称もついて売れに売れ、これまた店頭から商品は姿を消し、同社Webサイトに品薄のお詫び謹告が掲載されるという事態に至っている。ついでにヱスビーが輸入販売している「李錦記具入り辣油」まで品切れで謹告が掲載される自体になっている。
 「食べるラー油ブーム」の加熱を煽った間があるのがTwitterだ。どこで売っているらしい。どこで手に入ったという情報とともに、購買者が食べた感想や食べ方のバリエーションをツイートし、さらに未体験者が渇望感を増して探し求めるというループが起きている。現在でもTwitterのキーワード検索で「桃ラー」「エスラー」を入力するとリアルタイムで多数のツイートがピックアップされる。

■ドンキは漁夫の利を手にするのか?

 生産が追いつかない桃屋とヱスビーに対し、ドン・キホーテも6月末にPBブランド・情熱価格の「具だくさん ちょい辛ラー油」で参入。「ドンキラー」というニックネームを付け、買い求めるファンが店舗に集まっているようで、Blogを中心に試食レポートが多数アップされている。
 国内メーカーに生産委託をしているという同商品は、入荷の度に完売となるとのことだが、その数は桃ラー、エスラーが店舗に数個単位しか並ばないのに対し、30~40個入荷しているようだ。
 激安ジーンズ戦争や、激安ボジョレヌーボー戦線にも後発ながら最安値を付けて参入した実績のあるドン・キホーテ。さすが機を見るに敏、今回のラー油ブームにも目を付けたわけだが、今回は最安値ではなく、桃屋の400円、ヱスビーの330円という価格に対し、598円という価格設定である。もう少し安定的に供給できれば、ドンキにとってオイシイ商品になるのではないだろうか。

■外食・中食に飛び火したラー油ブーム

 現在、ラー油ブームは外食にも飛び火している。例えば、焼き肉の牛角の期間限定メニュー。『“食べるラー油”焼肉「ぶっかけラー油deネギカルビ」』は4月の発売から2週間で4万5000皿を突破し、早々に人気メニューランキングTOP10だという。6月にはモスバーガーと日本テレビ「スッキリ!!」のコラボ商品「テリー伊藤のざくざくラー油バーガー」が発売され、秋葉原店には発売日に100人以上が行列。月末までの限定期間で目標の100万個の売上げをクリアした模様だ。
 コンビニメニューにも飛び火している。セブン-イレブン・ジャパンが今月6日から「自家製ラー油で食べよう シリーズ」の4アイテム、「ピリ辛豚骨塩焼ラーメン」「ピリ辛鶏つけ蕎麦」「おつまみキャベツ」「炒飯」を全国のセブン-イレブンで発売している。外食だけでなく中食市場もラー油一色である。

■ブームの果てにあるもの

 日本の食品市場においてはこのようなブームが繰り返し勃発している。スイーツのティラミス、パンナ・コッタ、ナタデココなどのブームを覚えているだろうか。特に93年のナタデココブームはひどかった。フィリピン原産のココナツ果汁を発酵させたこのスイーツ。日本での大ブームに特需がわき起こり、フィリピンのココナツ生産者は設備投資・増産を行った。しかし、ブームはあっさり終息。日本での生産技術も確立し、現地では負債だけが残されるという事態に陥る業者が続出した。

■結局、最後に笑うのは誰なのか?

 外食・中食で各企業がメニュー開発をしてくれることは、品薄の商品を探し求めて様々なメニューで体験する戦端的なユーザー層以外にも幅広く裾野を広げてくれる効果が期待できる。そうなれば、ブームが終息しても「食べるラー油」と用いる、またはそれを使ったメニューを作るという食文化が根付くことになる。
 桃屋、ヱスビーはそもそも調味料を中心とした品揃えを持つメーカーだ。大ヒットを狙って矢継ぎ早に新商品を上市し、それを売り抜くバリューチェーンを社内に持っているわけではない。息の長い商品を開発・製造・販売することを得意としているはずだ。たまたまといっては語弊があるが、食べるラー油が大ヒットとなった。市場の需要に応えようと必死の増産をしているが、ブームを追いかけて大増産を組む体制を作るつもりはないだろう。
 もし、ブームが終息すれば、ドン・キホーテは高価格帯PBラー油をいつまで販売し続けるのかわからない。しかし、桃屋とヱスビーの2社ぐらいであれば、ブーム後の安定的シェアを分け合うことができるはずだ。「ラー油ブーム」で最後に笑うのは誰か?結局は桃屋、そしてヱスビーの2社ということになるのだろう。

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