My Photo

サイト内検索


  • ウェブ全体から検索
    ココログ全体から検索
    このブログ内を検索

【マーケティング講座】

お勧めマーケティング関連書籍

  • 金森 努: 3訂版 図解よくわかるこれからのマーケティング(DOBOOKS)
    初めての人から実務者まで、「マーケティングを体系的に理解し、使えるようになること」を目的として刊行した本書は、2016年に「最新版」として第2版が発売されました。 それから6年が経過し、デジタル技術の進化やコロナ禍という大きな出来事もあり、世の中は既に「ニューノーマル」に突入しています。 その時代の変化に合わせて本文内容の改訂、新項目の追加や事例の差し替えなどを大幅に行ないました。
  • 金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)

    金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)
    「マーケティングって、なんとなく知っている」「マーケティングのフレームワークは、わかっているつもりだけど業務で使いこなせていない」・・・という方は意外と多いのが実情です。 「知っている」「わかっている」と、「使える」の間には、結構大きな溝があるのです。 その溝を、最低限の9つのフレームワークをしっかり理解し、「自分の業務で使いこなせる」ようになることを目指したのがこの書籍です。 前著、「最新版図解よくわかるこれからのマーケティング」は、「教科書」的にマーケティング全体を網羅しているのに対して、こちらの「9のフレームワーク・・・」は、「実務で使いこなすための「マニュアル」です。 もちろん、フレームワークをしっかり理解するための、実事例も豊富に掲載しています。 「よくわかる・・・」同様、多くの企業研修テキストとしてもご採用いただいています。

  • 金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)

    金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)
    旧版(水色の表紙)は6年間で1万部を販売し、それを機に内容の刷新を図りました。新章「ブランド」「社内マーケティングとマーケティングの実行」なども設け、旧版の70%を加筆修正・新項目の追加などを行っています。本書最新版は発売以来、10ヶ月で既に初版3千部を完売。以降増刷を重ね、約1万部を販売していおり、多くの個人の方、大学や企業研修で「マーケティングのテキスト」としてご愛顧いただいております。

  • 金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)

    金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)
    ヒット商品ネタ51連発!このブログ記事のネタを選りすぐってコンパクトで読みやすく図表付きに再編集しました!

  • 金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)

    金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)
    打倒「もしドラ」!を目論んだ(笑)ストーリー展開のマーケティング本。初心者にもわかりやすいマーケティングの全体像に基づき、実践・実務家も納得のリアリティーにこだわりました!

  • 金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える

    金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える
    ペンギンの世界を舞台に「考えるとはどういうことか」「論理的思考(ロジカルシンキング)とは何か」を考える、スラスラ読めて身につく本です。初心者の入門書として、一度学んだ人の復習にと活用できます。

  • 金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本

    金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本
    マーケティングをストーリーで学び、「知っている」が「使える」になる本。1つ1つのフレームワークが、面白いように「つながっていく」感覚を実感してください!

  • 金森 努: “いま”をつかむマーケティング

    金森 努: “いま”をつかむマーケティング
    7編の取材を含む、2010年のヒット商品など約30事例をフレームワークで切りまくった「マーケティング職人・金森」渾身の1冊。フレームワークを学びたい人にも、フレームワークの具体例を知りたい人にも、朝礼で話せるコネタが欲しい人にも役に立つこと間違いなしです!

  • 長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語

    長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語
    「分かるとできるは違う」と言われるが、両者間には距離がある。実業務のどこで使えるのか気づけない。だから使えない。本書はお菓子メーカーのマーケティング部を舞台にした「若者2人の成長物語」を通して、戦略思考、論理思考、クリティカル・シンキングなどの、様々な思考法が展開されていく。ストーリーで「使いどころ」をつかめば、実践できない悩みの解消が図れるだろう。 (★★★★★)

  • ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」

    ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」
    フレームワークの「使用上の注意」は、「人の心はフレームワークだけでは切れない」を常に認識することだ。「行動経済学」に注目すれば、経済合理性に背く人の行動の謎の意味が見えてくる。謎の解明を様々なユニークな実験を通して、著者ダン・アリエリー節で語る本書は、「フレームワーク思考」に偏りすぎた人の目から何枚もウロコを落としてくれるはずだ。 (★★★★★)

  • セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践

    セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践
    「顧客はドリルが欲しいのではない、穴が空けたいのだ」や、「マーケティング近視眼(Marketing Myopia)」で有名なレビット教授の名著。製品とは何か。サービスとは何か。顧客とは何か。そして、マーケティングとは何かと問う、今まさに考え直すべき原点が克明に記されている名著。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
    コトラーはマーケティングは「製品中心(Product out)=1.0」「消費者中心(Customer Centric)=2.0」。それが「人間中心・価値主導(Social)=3.0」にバージョンアップしたと論じている。本書は「マーケティング戦略」の本というよりは、今日の「企業のあるべき姿」を示しているといえる。その意味では、「では、どうするのか?」に関しては、新たなソーシャルメディアの趨勢などに考慮しつつ、従来のコトラー流2.0を十分に理解しておくことが必要だ。 (★★★★)

  • 鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)

    鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)
    広告に関する本は、いわゆる広告論や広告制作の手法を述べていても、マーケティング理論を前提としたものは少なかったように思います。「マーケティングの中における広告ビジネス」を具体的にまとめました。さらに、当Blogで「勝手分析」した事例を企業取材によって、マーケティングと広告の狙いを検証しました。多くの現役広告人と広告人を目指す人に読んでいただきたいと思います。

  • 金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)

    金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)
    金森の著書です。フレームワークやキーワードやセオリー、事例をマーケティングマネジメントの流れに沿って102項目で詳説しました。フレームワークの使いこなしと事例には特にこだわりました。金森のオリジナル理論もあり!

  • 山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える

    山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える
    リーダーの戦略や、チャレンジャーがリーダーを倒す方法など、ポーター、コトラーの理論を更に実践的な事例と独自フレームワークで解説した良書。事例がちょっと古いが、今、読み返してもためになる。在庫が少ないので、中古本でも出ていれば即買いをお勧め。 (★★★★)

  • 金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)

    金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)
    このBlog記事一話一話が見開きで図解されたわかりやすい本になりました。ヒット商品のヒミツをフレームワークで斬りまくった、ネタ56連発。是非一冊!

  • 後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて

    後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて
    「レスポンス広告」とは資料・サンプルの請求や商品の注文を消費者から獲得するための広告のこと。そのための方法論は、ブランドイメージをよくするといった目的とは全く異なる。本書は多数の広告サンプル(精度の高いダミー)を用いてレスポンス広告のキモを具体的かつ詳細に解説している。「レスポンス広告の鬼」たる筆者ならではの渾身の1冊。 (★★★★★)

  • ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン

    ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン
    どんなすばらしいマーケティングプランも、結局は人が動かなければ成功しない。故に、リーダーシップ論が重要となる。本書はコッター教授の「企業変革8ステップ」が寓話の中でわかりやすく記されている良書である。金森絶賛の一冊です。 (★★★★★)

  • マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則

    マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則
    2000年発売の良書。旧タイトル「ティッピング・ポイント」が文庫本化されたもの。クチコミの本ではなく、イノベーションの普及が何かのきっかけで一気に進む様を、各種の事例を元に解明した、普及論にも通じる内容。(うっかりリストに入れ忘れてました)。オススメです。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学

    野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学
    経済分野最強のジャーナリスト勝見 明紙と、経営学の大家野中 郁次郎先生という黄金コンビによる傑作。いくつもの企業でのイノベーション事例を物語風に紹介しながら、その変革の要諦を解明、さらなる提言をメッセージしている。読み応え十分。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの本質

    野中 郁次郎: イノベーションの本質
    最新刊の「イノベーションの作法」に比べると、少々こちらは「野中理論」の難しい部分が表面に出ているように思えるが、発売当初、ナレッジマネジメントの観点からしか読んでいなかったが、読み返してみれば、本書の1つめの事例である「サントリー・DAKARA」はマーケティングでも有名事例である。むしろ、本書での解説は、マーケティングのフレームワーク上の整合ではなく、そのコンセプト開発に力点が置かれており、その精緻な記述は圧巻であった。読み直して得した気分になったので、ここで併せて紹介する。 (★★★★)

  • グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業

    グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業
    だいぶ発売されてから時間が経ってしまったのですが・・・。 二度目に読んで、「お勧め」しようと思いました。 そのわけは、一度目は「いかに顧客と優良な関係を構築することが重要か」という当たり前なことを力説しているだけの本だと思ったからです。 事実、そうなんです。アドボカシー(advocacy=支援)という新しい言葉を遣っただけで。 ただ、その「当たり前なこと」のまとめ方が秀逸であり、我々マーケターにとっては「当たり前」でも、その考え方がどうしても理解できない石頭な人に読ませると、なかなか効果的だと分かりました。 さて、皆さんもそんな人が周りにいたら読ませてみては? (★★★)

  • レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」

    レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」
    ダイレクトマーケティングの創始者であり、金森の心の師でもある、レスター・ワンダーマンの「BEING DIRECT」(英文名)が12年ぶりに改訂されました。 詳しくは、Blog本文の10月16日の記事を参照ください。 必読の書です。 前版は電通出版だったので入手が少々面倒でしたが、今回は一般の出版社からの刊行なので、アマゾンで購入できます。この本の画像をクリックすれば、アマゾンのサイトにリンクしますので、是非! (★★★★★)

  • フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式

    フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式
    実は、この本は金森の入院中の頂き物。結構はまりました。 スウェーデンの売れっ子セミナー講師が自らのセミナーで用いている30の設問を、気の利いたイラストに載せて紹介している。「レンガの使い方を10通り挙げなさい」のような、「ん?どこかの自己啓発セミナーで聞いたな~」というようなネタもありますが、ひねりの効いた問いかけもいっぱい。ざっと流し読みしたら20分で読み終わってしまう絵本になってしまいますが、本気で問いかけの答えを考えると、なかなか論理思考も鍛えられます。金森もお気に入りの問いかけは出典を明らかにして、自分の企業研修で使わせてもらっています。 ちなみに、この本の2(続編)も出ています。2冊揃えば送料も無料。「あわせて買いたい!」。 (★★★★★)

  • パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う

    パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う
    重要な本をお薦めするのを忘れていました。この本も結構、私の座右の書となっています。「ミッションステートメント」の重要性もコラム等で繰り返し述べてきました。それがしっかりしていないが故に、会社自体が方向性を見失い、社員も求心力をなくす。また、顧客のことも忘れてしまう。ミッションステートメントは壁に黄ばんだ紙に書いてあるものを、朝礼で呪文のように唱和するためのものではないのです。社員全員、全階層がそれを本当に理解し、行動できれば会社に強大なパワーが生まれるはずです。この本は「強い企業の強いステートメント」が紹介・解説された良書です。 (★★★★)

  • エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学

    エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学
    もはや絶版でプレミアがついて現在ユーズドで3万円!(昨年までは2万円以下でした。定価は8千円弱)。 しかし、一度は翻訳版とはいえ原書を読みたいもの。 私のコラムでもよく取り上げています。 様々なマーケティングの入門書にも部分的に取り上げられていますが、誤った解釈も多く、「イノベーションの普及速度」などの重要項目も抜けています。 ただ、基本的には社会学の学術書なので、完読するのはチトごついかも。(それで星4つ。内容的には断然5つですが。)3万円ですが、手にはいるならラッキー。 10万円にならないうちに・・・? (★★★★)

  • ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業

    ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業
    すみません。これは宣伝です。 Blogにも「共著で実践的なナレッジマネジメントの本を出しました」と紹介いたしましたが、この度第二版(重版)ができました。 初版で終わったしまうことの多いビジネス書において重版はうれしい! まだお読みになっていない方は是非! (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪

    フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪
    これも分かっている人向き。 コトラーの中では「最も今日的な本」であると言えるでしょう。コトラー大先生と私ごときを並べて語るのは不遜の極みですが、私が旧社電通ワンダーマンのニューズレターや日経BizPlusの連載でしきりに訴えてきた内容が集約されている気がします。うーん、大先生と何か視点が共有できているようで読んでいて嬉しくなってしまった一冊でした。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト
    今度は分かっている人向け。そういう人はたぶんもう買っていると思いますが・・・。 コトラー特有の大作ではなく、マーケティングの中でも重要なコンセプトを80に集約して解説を加えた、ある意味他のコトラー本の「攻略本」とも言える。 常にデスクサイドに置いておき、用語集として使うもよし、ネタに困ったときにパラパラと眺める「ネタ本」としてもよし。マーケター必携の本であると言えましょう。 (★★★★★)

« 「顧客を起点に」~豊田章男社長とドラッカーの言葉 | Main | うふふガールズで大丸さんがほしいトコ、Kaede Sakuraでイオンさんがねらうコト »

2010.06.18

「デパクロ」の功罪と百貨店の明日

 日経MJの「2010年上期ヒット商品番付」が発表された。大型ヒット商品の不作で東の横綱不在という寂しい結果の番付表。その東前頭3枚目に「デパクロ」が列せられた。「デパート+ユニクロ」を意味し、<フォエバー21なども含め低価格衣料品店が百貨店に相次ぎ進出し集客>※1とある。その百貨店はどこへ行こうとしているのだろうか。

 「小売りの王様」といわれる百貨店の苦境は、日経新聞、日経MJの記事には連日何かしらが掲載されているような状況が続いている。そして、今のところその出口は見えない。しかし、いくつかの模索する動き中で特徴が見えてきた。

■「デパクロ」は救世主たり得るか?

 上記番付の「デパクロ」。<4月に新宿高島屋店(東京・渋谷)やそごう川口店(埼玉県川口市)に開業した百貨店(デパート)内の「ユニクロ」が盛況>と記事※2にある。同時に番付表の寸評にも名が挙がっているフォエバー21に関しては、<米フォエバー21が開業した松坂屋銀座店(東京・中央)は5月の売上高が4.4%増えた。フォエバー21目当ての客が食品売り場などに流れるといった波及効果も生まれた>としている。

 では、「デパクロ」は今後、百貨店復活の目玉になり得るのかといえば、別の日の日経MJの記事※3から、どうやらそうではない様相が見えてくる。
 <フォエバー21とともに婦人靴や雑貨の集客の目玉>として松坂屋銀座店に誘致された<神戸レザークロス(神戸市)が本館2階で手掛ける「エスペランサマーケット」。SHIBUYA109(東京・渋谷)内の人気6ブランドを複合した新業態で、ファストファッションを意識した試みが詰まっている>という。しかし、<出店から1ヶ月半で「フォエバーの来店客が回遊してくるとの見込みは甘かった」>という結果だという。

■相乗効果が出ない「デパクロ」?

 食品売り場などへの回遊効果はあるものの、元々の狙いであった、衣料品や靴・雑貨への波及効果はない。低廉なファストファッションだけを求めるのではなく、例えばインナー・軽衣料はファストを購入した客が、アウター・重衣料は百貨店の通常売り場の商品を求めるという相乗効果を期待していたはずだが、その見込みは外れている。従来の売り場・商品だけでなく、ファストファッションとの親和性が高いはずの109銘柄のブランドにも流入せず、衣料品売り場をパスして食品売り場に流れてしまう状況は予想外だっただろう。
 松坂屋とフォエバー21の契約に関しては、店舗建て替えまでの期間限定賃貸契約である。賃貸契約故に、フォエバーの売上げは松坂屋の売上げとは別立てだ。復活の切り札にはなり得ていないのだ。

■相乗効果が出ないワケ

 企業が顧客から収益を上げる方法を大別すると、1つは「アップセリング」である。
 「同種の商品の買い換え・買い増し」で購入点数を増加させて売上げ・利益を増すわけだ。とりわけこの手法が得意なのがユニクロである。同種の商品のカラーバリエーションやデザインパターンで1顧客に数点から十数点を売る。そうでなければ、ブラトップ1200万枚、ヒートテック5000万枚の販売目標は立てられない。フォエバー21などのファストファッションは同商品のバリエーションではないが、店内での自社ブランド商品を複数買わせる意味でアップセリング型であると考えてもいいだろう。
 つまり、「デパクロ」は特性として、ユニクロやファストファッション売り場でアップセリングをして、そこで完結してしまうため、他の衣料品への波及効果が出にくいのである。

■自助努力による相乗効果創出

 もう1つの顧客から収益を上げる方法が「クロスセリング」である。これは、「関連商品の販売」によって売上げ・利益を増すのだ。前述のフォエバー21などのファストファッションの来店客が食品売り場に流れて売上げが上がるということも、百貨店全体としてはクロスセリングが達成できているわけだが、どこまでそれを狙ってやったのかは疑問だ。本来的には、衣料・雑貨売り場での回遊によるクロスセリングを図るべきであり、衣料品売り場をパスして食品売り場に流れることが続くなら、ファストとのカニバリ(食い合い)が顕在化する懸念も考えられる。
 その意味では、衣料・雑貨売り場での新たな回遊ルートを構築する動きが、松坂屋と同じJ・フロントリテイリング傘下の大丸で始まっている。 
 その一つが、大丸心斎橋店と京都店で展開されている「うふふガールズ」だ。従来顧客でない若年女性向けの複合ブランドによる売り場展開が、従来にない商品構成と売り方でターゲット年齢にとどまらない幅広い女性層の支持を集めて活況を呈しているという。
 もう一つが小規模インディーズ系デザイナーズブランドを扱うセレクトショップの誘致だ。※4上記「うふふ」と同じ大丸心斎橋店の<北館に2月、古着風や民族衣装風など個性的な品揃えで異彩を放つ店が開業した。近年のインディーズを扱うセレクトショップの出世頭、ステュディオス(東京・渋谷)の心斎橋店だ>という。その取り組みは<メジャーブランドだけではいつ飽きられるかわからない>(MDマネージャー)という若年層対策の問題意識からである。
 百貨店自らが売り場を作る。さらにはメジャーなブランドに場所貸しをするだけでなく、成長させる。そうした「売り場の魅力作り」という基本ともいう取り組みによって、従来にない顧客を取り込み、ファン化して売り場内の買い回りを促進して「クロスセリング」を達成させることが欠かせないのである。

■顧客の囲い込みはどうか?

 もう1つ、顧客から収益を上げる方法がある。いわゆる「顧客の囲い込み」を中心とした、「アフターマーケティング」である。顧客との関係性を構築して、商品を購入した後のサービスの提供などによって、収益を上げるのである。
 <三越日本橋本店(東京・中央)にサービス関連の専門コーナーが誕生した。「暮らしのサロン」という名称で、衣料品の寸法直し、クリーニング、家事の支援、金融相談の4店を1カ所に集めた。買い物ついでに立ち寄れる利便性が受け、売上高は計画を大きく上回っている>※5という。しかし、<価格は決して安くはない。クリーニングのスーツは6300円、ジャケットは4275円から。食事の宅配1セット(朝・夕食)2940円>だ。利用顧客は、同店の主要顧客層である中高年であり、<物を大切にする傾向が追い風>と見ている。そして、<商品を売るだけではなく、生活全般に関わる>との狙いであるという。
 決して安くはないサービスを利用してくれる大切な顧客に対し、モノを売るのではなく、コトとしてのサービス提供によって、より強固な囲い込みを図りつつ「アフターマーケティング」による収益を上げる。
ホスピタリティーは百貨店本来の得意技であるはずだ。重要顧客ベースを堅持し、収益を上げる方法として、「物売りの呪縛」を解き放って、サービスに目を向けた取り組みの比重を上げるのは非常に重要なことであると考えられる。

 このままでは誰も、特に若年層が足を運ばなくなるという危機を脱し、話題を創出する上では「デパクロ」は大いに貢献したといえるだろう。しかし、百貨店の事業全体に対する波及効果や、将来にわたる貢献については疑問符が灯り続ける。そうした、他人頼みよりも、自社での展開や発掘、顧客層への厚い働きかけで収益を改善する取り組みが重要なのだといえるだろう。
 まだまだトンネルの出口は遠いかもしれないが、自助努力で見えてきた明りに向かって邁進し、百貨店には輝きを取り戻して欲しいと願う。
 
※1:日経MJ2010年6月16日1面
※2:同2面
※3:同2010年6月9日6面
※4:同2010年6月11日1面
※5:同2010年6月9日5面

« 「顧客を起点に」~豊田章男社長とドラッカーの言葉 | Main | うふふガールズで大丸さんがほしいトコ、Kaede Sakuraでイオンさんがねらうコト »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「デパクロ」の功罪と百貨店の明日:

» 暑いよん。。。 [女の子GOGO!!のブログ]
毎日暑いですね〜。暑さは苦手ですが、冷房もまた苦手なんですよね〜。帰りの電車で居眠りなんてした日には、たいへんですよこの季節。そのうち電車で凍死するんじゃないかと思うんですが。。。で、まぁ暑いから今日はさっぱりしたものを、と思ってスーパーに寄るんですけど、冷房が効きすぎなもんで、結局鍋の材料なんかを買ってしまい、家に帰って「暑い・・・」とつぶやきながらキムチ鍋を突っついてたりする自分がいる訳です。この先の�... [Read More]

» 新宿:ユザワヤ・ユニクロ・H&M・フォーエバーなど [時事を考える]
noboru_kisaragi 新宿タカシマヤタイムズスクエアの12Fのユニクロ [Read More]

» 番付表 購入 [ペット整形大流行]
こんな事になっていたなんて・・・・・・・(@_@;)・・・あーびっくり、知ってよかった!まずは、本日のおすすめ・・・男性の方、ご存じですか??いま、女性に人気の スッキリ美顔ローラー ゲルマニウムボール雑誌の「フロク」に美顔器・・・ついてるんですよ。知ってると、あのヒトに 尊敬されちゃいます。プレゼントにどうでしょう・・・「デパクロ」の功罪と百貨店の明日 日経MJの「2010年上期ヒット商品番付」が発表された。大型ヒット商品の不作で東の横綱不在という寂しい結果の番付表。その東前頭3枚目... [Read More]

« 「顧客を起点に」~豊田章男社長とドラッカーの言葉 | Main | うふふガールズで大丸さんがほしいトコ、Kaede Sakuraでイオンさんがねらうコト »