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【マーケティング講座】

お勧めマーケティング関連書籍

  • 金森 努: 3訂版 図解よくわかるこれからのマーケティング(DOBOOKS)
    初めての人から実務者まで、「マーケティングを体系的に理解し、使えるようになること」を目的として刊行した本書は、2016年に「最新版」として第2版が発売されました。 それから6年が経過し、デジタル技術の進化やコロナ禍という大きな出来事もあり、世の中は既に「ニューノーマル」に突入しています。 その時代の変化に合わせて本文内容の改訂、新項目の追加や事例の差し替えなどを大幅に行ないました。
  • 金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)

    金森 努: 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門 (DO BOOKS)
    「マーケティングって、なんとなく知っている」「マーケティングのフレームワークは、わかっているつもりだけど業務で使いこなせていない」・・・という方は意外と多いのが実情です。 「知っている」「わかっている」と、「使える」の間には、結構大きな溝があるのです。 その溝を、最低限の9つのフレームワークをしっかり理解し、「自分の業務で使いこなせる」ようになることを目指したのがこの書籍です。 前著、「最新版図解よくわかるこれからのマーケティング」は、「教科書」的にマーケティング全体を網羅しているのに対して、こちらの「9のフレームワーク・・・」は、「実務で使いこなすための「マニュアル」です。 もちろん、フレームワークをしっかり理解するための、実事例も豊富に掲載しています。 「よくわかる・・・」同様、多くの企業研修テキストとしてもご採用いただいています。

  • 金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)

    金森 努: 最新版 図解よくわかるこれからのマーケティング (DOBOOKS)
    旧版(水色の表紙)は6年間で1万部を販売し、それを機に内容の刷新を図りました。新章「ブランド」「社内マーケティングとマーケティングの実行」なども設け、旧版の70%を加筆修正・新項目の追加などを行っています。本書最新版は発売以来、10ヶ月で既に初版3千部を完売。以降増刷を重ね、約1万部を販売していおり、多くの個人の方、大学や企業研修で「マーケティングのテキスト」としてご愛顧いただいております。

  • 金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)

    金森努(監修): あのヒット商品はなぜ売れるのか? ─気軽に読むマーケティングのツボ─ (TACビジネススキルBOOK)
    ヒット商品ネタ51連発!このブログ記事のネタを選りすぐってコンパクトで読みやすく図表付きに再編集しました!

  • 金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)

    金森 努: 「売れない」を「売れる」に変える マケ女<マーケティング女子>の発想法 (DO BOOKS)
    打倒「もしドラ」!を目論んだ(笑)ストーリー展開のマーケティング本。初心者にもわかりやすいマーケティングの全体像に基づき、実践・実務家も納得のリアリティーにこだわりました!

  • 金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える

    金山宇伴(著)・金森努(監修) : ペンギンが考える
    ペンギンの世界を舞台に「考えるとはどういうことか」「論理的思考(ロジカルシンキング)とは何か」を考える、スラスラ読めて身につく本です。初心者の入門書として、一度学んだ人の復習にと活用できます。

  • 金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本

    金森努: ポーター×コトラー 仕事現場で使えるマーケティングの実践法が2.5時間でわかる本
    マーケティングをストーリーで学び、「知っている」が「使える」になる本。1つ1つのフレームワークが、面白いように「つながっていく」感覚を実感してください!

  • 金森 努: “いま”をつかむマーケティング

    金森 努: “いま”をつかむマーケティング
    7編の取材を含む、2010年のヒット商品など約30事例をフレームワークで切りまくった「マーケティング職人・金森」渾身の1冊。フレームワークを学びたい人にも、フレームワークの具体例を知りたい人にも、朝礼で話せるコネタが欲しい人にも役に立つこと間違いなしです!

  • 長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語

    長沢 朋哉: 世界一やさしい「思考法」の本―「考える2人」の物語
    「分かるとできるは違う」と言われるが、両者間には距離がある。実業務のどこで使えるのか気づけない。だから使えない。本書はお菓子メーカーのマーケティング部を舞台にした「若者2人の成長物語」を通して、戦略思考、論理思考、クリティカル・シンキングなどの、様々な思考法が展開されていく。ストーリーで「使いどころ」をつかめば、実践できない悩みの解消が図れるだろう。 (★★★★★)

  • ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」

    ダン アリエリー: 不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」
    フレームワークの「使用上の注意」は、「人の心はフレームワークだけでは切れない」を常に認識することだ。「行動経済学」に注目すれば、経済合理性に背く人の行動の謎の意味が見えてくる。謎の解明を様々なユニークな実験を通して、著者ダン・アリエリー節で語る本書は、「フレームワーク思考」に偏りすぎた人の目から何枚もウロコを落としてくれるはずだ。 (★★★★★)

  • セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践

    セオドア レビット: レビットのマーケティング思考法―本質・戦略・実践
    「顧客はドリルが欲しいのではない、穴が空けたいのだ」や、「マーケティング近視眼(Marketing Myopia)」で有名なレビット教授の名著。製品とは何か。サービスとは何か。顧客とは何か。そして、マーケティングとは何かと問う、今まさに考え直すべき原点が克明に記されている名著。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
    コトラーはマーケティングは「製品中心(Product out)=1.0」「消費者中心(Customer Centric)=2.0」。それが「人間中心・価値主導(Social)=3.0」にバージョンアップしたと論じている。本書は「マーケティング戦略」の本というよりは、今日の「企業のあるべき姿」を示しているといえる。その意味では、「では、どうするのか?」に関しては、新たなソーシャルメディアの趨勢などに考慮しつつ、従来のコトラー流2.0を十分に理解しておくことが必要だ。 (★★★★)

  • 鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)

    鈴木 準・金森 努(共著): 広告ビジネス戦略―広告ビジネスの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ 1)
    広告に関する本は、いわゆる広告論や広告制作の手法を述べていても、マーケティング理論を前提としたものは少なかったように思います。「マーケティングの中における広告ビジネス」を具体的にまとめました。さらに、当Blogで「勝手分析」した事例を企業取材によって、マーケティングと広告の狙いを検証しました。多くの現役広告人と広告人を目指す人に読んでいただきたいと思います。

  • 金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)

    金森 努: 図解 よくわかるこれからのマーケティング (なるほど! これでわかった) (DO BOOKS)
    金森の著書です。フレームワークやキーワードやセオリー、事例をマーケティングマネジメントの流れに沿って102項目で詳説しました。フレームワークの使いこなしと事例には特にこだわりました。金森のオリジナル理論もあり!

  • 山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える

    山田 英夫: 新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える
    リーダーの戦略や、チャレンジャーがリーダーを倒す方法など、ポーター、コトラーの理論を更に実践的な事例と独自フレームワークで解説した良書。事例がちょっと古いが、今、読み返してもためになる。在庫が少ないので、中古本でも出ていれば即買いをお勧め。 (★★★★)

  • 金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)

    金森 努: 実例でわかる!差別化マーケティング成功の法則 (ビジマル)
    このBlog記事一話一話が見開きで図解されたわかりやすい本になりました。ヒット商品のヒミツをフレームワークで斬りまくった、ネタ56連発。是非一冊!

  • 後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて

    後藤 一喜: 費用対効果が見える広告 レスポンス広告のすべて
    「レスポンス広告」とは資料・サンプルの請求や商品の注文を消費者から獲得するための広告のこと。そのための方法論は、ブランドイメージをよくするといった目的とは全く異なる。本書は多数の広告サンプル(精度の高いダミー)を用いてレスポンス広告のキモを具体的かつ詳細に解説している。「レスポンス広告の鬼」たる筆者ならではの渾身の1冊。 (★★★★★)

  • ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン

    ジョン・P・コッター: カモメになったペンギン
    どんなすばらしいマーケティングプランも、結局は人が動かなければ成功しない。故に、リーダーシップ論が重要となる。本書はコッター教授の「企業変革8ステップ」が寓話の中でわかりやすく記されている良書である。金森絶賛の一冊です。 (★★★★★)

  • マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則

    マルコム・グラッドウェル: 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則
    2000年発売の良書。旧タイトル「ティッピング・ポイント」が文庫本化されたもの。クチコミの本ではなく、イノベーションの普及が何かのきっかけで一気に進む様を、各種の事例を元に解明した、普及論にも通じる内容。(うっかりリストに入れ忘れてました)。オススメです。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学

    野中 郁次郎: イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学
    経済分野最強のジャーナリスト勝見 明紙と、経営学の大家野中 郁次郎先生という黄金コンビによる傑作。いくつもの企業でのイノベーション事例を物語風に紹介しながら、その変革の要諦を解明、さらなる提言をメッセージしている。読み応え十分。 (★★★★★)

  • 野中 郁次郎: イノベーションの本質

    野中 郁次郎: イノベーションの本質
    最新刊の「イノベーションの作法」に比べると、少々こちらは「野中理論」の難しい部分が表面に出ているように思えるが、発売当初、ナレッジマネジメントの観点からしか読んでいなかったが、読み返してみれば、本書の1つめの事例である「サントリー・DAKARA」はマーケティングでも有名事例である。むしろ、本書での解説は、マーケティングのフレームワーク上の整合ではなく、そのコンセプト開発に力点が置かれており、その精緻な記述は圧巻であった。読み直して得した気分になったので、ここで併せて紹介する。 (★★★★)

  • グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業

    グレン・アーバン: アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業
    だいぶ発売されてから時間が経ってしまったのですが・・・。 二度目に読んで、「お勧め」しようと思いました。 そのわけは、一度目は「いかに顧客と優良な関係を構築することが重要か」という当たり前なことを力説しているだけの本だと思ったからです。 事実、そうなんです。アドボカシー(advocacy=支援)という新しい言葉を遣っただけで。 ただ、その「当たり前なこと」のまとめ方が秀逸であり、我々マーケターにとっては「当たり前」でも、その考え方がどうしても理解できない石頭な人に読ませると、なかなか効果的だと分かりました。 さて、皆さんもそんな人が周りにいたら読ませてみては? (★★★)

  • レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」

    レスター・ワンダーマン: ワンダーマンの「売る広告」
    ダイレクトマーケティングの創始者であり、金森の心の師でもある、レスター・ワンダーマンの「BEING DIRECT」(英文名)が12年ぶりに改訂されました。 詳しくは、Blog本文の10月16日の記事を参照ください。 必読の書です。 前版は電通出版だったので入手が少々面倒でしたが、今回は一般の出版社からの刊行なので、アマゾンで購入できます。この本の画像をクリックすれば、アマゾンのサイトにリンクしますので、是非! (★★★★★)

  • フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式

    フレドリック・ヘレーン: アイデア・ブック スウェーデン式
    実は、この本は金森の入院中の頂き物。結構はまりました。 スウェーデンの売れっ子セミナー講師が自らのセミナーで用いている30の設問を、気の利いたイラストに載せて紹介している。「レンガの使い方を10通り挙げなさい」のような、「ん?どこかの自己啓発セミナーで聞いたな~」というようなネタもありますが、ひねりの効いた問いかけもいっぱい。ざっと流し読みしたら20分で読み終わってしまう絵本になってしまいますが、本気で問いかけの答えを考えると、なかなか論理思考も鍛えられます。金森もお気に入りの問いかけは出典を明らかにして、自分の企業研修で使わせてもらっています。 ちなみに、この本の2(続編)も出ています。2冊揃えば送料も無料。「あわせて買いたい!」。 (★★★★★)

  • パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う

    パトリシア ジョーンズ: 世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う
    重要な本をお薦めするのを忘れていました。この本も結構、私の座右の書となっています。「ミッションステートメント」の重要性もコラム等で繰り返し述べてきました。それがしっかりしていないが故に、会社自体が方向性を見失い、社員も求心力をなくす。また、顧客のことも忘れてしまう。ミッションステートメントは壁に黄ばんだ紙に書いてあるものを、朝礼で呪文のように唱和するためのものではないのです。社員全員、全階層がそれを本当に理解し、行動できれば会社に強大なパワーが生まれるはずです。この本は「強い企業の強いステートメント」が紹介・解説された良書です。 (★★★★)

  • エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学

    エベレット・M.ロジャーズ: イノベーション普及学
    もはや絶版でプレミアがついて現在ユーズドで3万円!(昨年までは2万円以下でした。定価は8千円弱)。 しかし、一度は翻訳版とはいえ原書を読みたいもの。 私のコラムでもよく取り上げています。 様々なマーケティングの入門書にも部分的に取り上げられていますが、誤った解釈も多く、「イノベーションの普及速度」などの重要項目も抜けています。 ただ、基本的には社会学の学術書なので、完読するのはチトごついかも。(それで星4つ。内容的には断然5つですが。)3万円ですが、手にはいるならラッキー。 10万円にならないうちに・・・? (★★★★)

  • ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業

    ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会/JECS: 思考停止企業
    すみません。これは宣伝です。 Blogにも「共著で実践的なナレッジマネジメントの本を出しました」と紹介いたしましたが、この度第二版(重版)ができました。 初版で終わったしまうことの多いビジネス書において重版はうれしい! まだお読みになっていない方は是非! (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪

    フィリップ・コトラー: マーケティング10の大罪
    これも分かっている人向き。 コトラーの中では「最も今日的な本」であると言えるでしょう。コトラー大先生と私ごときを並べて語るのは不遜の極みですが、私が旧社電通ワンダーマンのニューズレターや日経BizPlusの連載でしきりに訴えてきた内容が集約されている気がします。うーん、大先生と何か視点が共有できているようで読んでいて嬉しくなってしまった一冊でした。 (★★★★★)

  • フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト

    フィリップ・コトラー: コトラーのマーケティング・コンセプト
    今度は分かっている人向け。そういう人はたぶんもう買っていると思いますが・・・。 コトラー特有の大作ではなく、マーケティングの中でも重要なコンセプトを80に集約して解説を加えた、ある意味他のコトラー本の「攻略本」とも言える。 常にデスクサイドに置いておき、用語集として使うもよし、ネタに困ったときにパラパラと眺める「ネタ本」としてもよし。マーケター必携の本であると言えましょう。 (★★★★★)

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2010.06.21

うふふガールズで大丸さんがほしいトコ、Kaede Sakuraでイオンさんがねらうコト

■本日は弊社スタッフの書き下ろし記事をお届けします。

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西幡 治美 (にしはた・はるみ)

有限会社金森マーケティング事務所
コピーライター・プランナー

大阪芸術大学芸術学部映像学科卒。広告制作会社、大手アパレルメーカー販売促進担当を経て現職。
スポーツ分野から農業まで、幅広い分野で販売促進提案から商品開発のプランニングまでを行う。

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うふふガールズで大丸さんがほしいトコ、
Kaede Sakuraでイオンさんがねらうコト


うふふガールズで大丸さんがほしいトコ、
Kaede Sakuraでイオンさんがねらうコト

 京都は今、盆地だけじゃなくて、「おもてなし」もアツい。
 この春オープンした大丸京都の「うふふガールズ」、そして6月オープンのAEON MALL京都。大規模店舗の業績不振が言われて久しいが、時代は変わっても経営者達の試行錯誤は、変わらずおもしろい。

 ご存知の通り、ここ数年のデパート商戦は悲しき下降線の一途。
 お歳暮、中元、クリスマス。記念日、誕生日、冠婚葬祭。ハレと密接に結びつき、その地位を確立してきたかつての百貨店は、いまや活気があるのはデパ地下あたりと催事場の名物特集。ケの日を必死にアピって食いつなぐという、ヤバい日々を送っている。
 けれども顧客の「わざわざ行くのがめんどくさい」不満を解消し駅と同化した店舗や、合併などで巨大化し、より多くの顧客ニーズを満たせるようになった所は、けっこう頑張っていたりする。
 その一方で、東京有楽町では西武が、京都河原町では阪急が相次いで閉店を余儀なくされたり(どっちも目先の欲にかられデパ地下を無くし「自滅」した感が否めないが…阪急の地下、スキだったけどな)北海道丸井今井が民事再生法適用になったりと、業界の冷え込みはとっても厳しい。

Daimaru006_3 そんな中、生まれも育ちも京都の私は、4月にオープンした大丸百貨店(京都で言う所の大丸さん)「うふふガールズ」 (以下、UG)と、駅前にできたAEON MALL京都に行ってみた。どちらも大評判と言われる両店、どこらへんがすごいのだろう??
 心斎橋大丸に続いて展開されたこの企画。ターゲットはおしゃれ意識が高く、お財布の自由度も高いF1女子。が、彼女達は百貨店離れして久しい。まぁそれは他の百貨店とて同じ事、独り占めできるチャンスでもあるのだ…というわけで。
 低価格、イメージチェンジした売り場が全館改装に伴い大々的に設定されたUG。
なんと店の顔ともいうべき1階やら入り口付近やら、床にも壁にもUGのカワイイロゴが。ピンクのキリン、うきうきした心を躍らせるディスプレイに、従来のデパートの重さはない。
 裏玄関からいきなり始まるUGエリアは1階、2階にわたっているが、改装に伴ってテナントの入れ替えや配置換えがされ、フロアは全体的にUGの雰囲気に。改装前にはアニエスbがあったり、セレクトショップのトゥモローランドがあったりした所だ。心斎橋の雰囲気とは異なり、落ち着いたナチュカジ系が多い(大規模SPAのコレクトポイントも)。部分的に以前の明るさや雰囲気を残しつつ、デパートらしからぬ「ゆるさ」もいい感じに醸している。3足千円の靴下が、とっても雰囲気のいい壁面にあったり、ガラスケース越しにのぞいていたアクセが、表にさらっと置かれて手に取れたり。海外ファストファッションに見られるような「安いけどそれなり」な物ではなく、百貨店という「お墨付き」がありつつも、価格は有名セレクトショップより親切というポジショニングでの展開は嬉しいかぎりだ。
Daimaru003
 また、表玄関のかつてシャネルやティファニーが幅を利かせていた「ええ場所」は“日常寄り(UG寄り)”の雑貨やアクセ売り場や、時期のテーマに即したエントランス展示に代わり「デパートなんか、どこ行っても同じやん」的装いが払拭されている。
 私が行ったのは平日の昼間だったが、UGはちゃんとにぎわっていた。気楽に手に取りやすいディスプレイを囲むお客さんは実に様々。学生さん、おつとめ女子、ここまではターゲティングビンゴ!さらには恋人同士、母子2世代、母子婆3世代、母子夫の家族までがフツーに滞在していた。なんという嬉しい誤算であろうか…デパートの女性服飾売り場といえば、男子にとっては居心地が悪い、女子好みの売り場はお母さんが気に入らない雰囲気の服ばかり…な気がするが、彼らは特にそんな事もなさそう。心斎橋UGとはちょっと違う客層も囲い込んでいる大丸京都UG。この居心地の良さは何なのか?
 実は大丸京都はとっても変な形をしている。でべそみたいな地形に無理矢理建っていて、「お買い物導線」が多分1本につながらない。大丸さんの悩みの種だったのではないかと思うが、その分断具合が今回ばかりはいい感じに旅館の「離れ」みたいで、女子の牙城に良い意味で「なりきらない」雰囲気作りに一役買っているように思う。「でべそで良かった」とさえ、思う関係者もいるかもしれない。苦悩の連続だった「でべそ」、大逆転。限られた状況下で、今までに無かった客層の居場所を確保する事ができたわけだ!さらに京都女子は日常着?仕事着?遊び着に明確なラインがない(着回し得意)ことも、幅広い世代が集える一因で、それを見越したブランド誘致が功を奏したのだと思う。
Daimaru005
 不利と言われる上層階に居を移したハイブランドの店も、同じ階層に集める事で上質な空間を作り出している。老舗お茶やさんからの「出前お茶」が呼べたりして、かつて「見世の間」で、贔屓達をもてなした時代のように濃厚なおもてなしを展開されている。きっとお客さん達はUGとは別なので、きっちり住み分ける事でお互いが気分良くお買い物を楽しめるようになったのではないかと思う。
また、今回の改装でUG以外にも大丸は工夫している。
 一見売上に直接関係ない空間や設えを大きく増やした。香りや音の演出や、エントランス動画やディスプレイ。売り場の壁面オブジェや間接照明、什器の演出も結構上等。大丸東京で目立っていた靴売り場の大きなソファでの試し履きコーナーは老いも若きも「姫気分」になるし、通路が広くなって歩きやすい。ゆっくり、「買い物」自体を楽しむ(買わなくても、いい気分)工夫がとっても増えたのだ。特に、最近多くのデパートで免税店みたいな表示が幅を利かせて、なんだか「せわしない」気分であんまりいい感じがしなかった案内表示が、すごく少ない! その代わりに可愛い「イラスト」や「ディスプレイ」が至る所に設置され、文字が無くても「目当てを見つけやすい」工夫がされているのだが、私はとってもユニバーサルかつ優雅な工夫を感じていい気分になった。まだ改装されていない部分も、この方向性で統一されたら素敵だな?、と思う。UG世代はこうして店が育て上げ、いつかハイエンド商品を求める世代に成長していくだろうし、上質な空間作りは目の肥えたUG世代の親に直球で響く。UGの成功はひいては百貨店全体の成功につながる、大丸的には「結局財布を握ってはるんは女子ですぇ。皆がメンズ館に躍起になってはる間に、囲っときましょ」というわけで、他百貨店がどんな手を打ってくるか、はたまた三越伊勢丹大阪開店で来年以降おこるであろう関西百貨店戦国時代がお客である私としてはとっても楽しみになってきたのである。

 さて、そんな素敵な4月に続き、6月も梅雨だけどとっても素敵だ。
Aeon003_2
 京都駅から徒歩5分という超好立地に巨大複合施設AEON MALL京都(以下イオン)がオープンした。
 八条口は一時「京都の表玄関をこっちにしよう」という動きもあったものの、長らく商業施設不毛地帯で微妙な人の流れだったのだが、イオン出店で確実に人の流れが変わった。
 明らかに人が増え、活気づいている。かといって表の伊勢丹方面が閑古鳥かというと、そんな感じもしない。いつも通りの人通りで系統もおなじ感じ。しかしイオンはにぎわい、八条通りは活気づいていた。
 大規模モール系に不慣れな私ではあるが、お上り気分で出かけてみる。イオン内は未だ着工中の部分があるにも関わらず、そして平日にも関わらず「京都の平日にこんなに人がいたのか!」と思わせるような盛況ぶりがここでも展開されているのである。
 京都は景観保護の問題で建物高の制限や外壁に使える色の制限等があり、多少の違いはあるものの、作りは全国にあるイオンモールと同じ。
 衣食住全てが揃い、日常も非日常もいっぺんに満足できる施設作りがなされている。ちょっと違うのが、超ターミナル駅前という土地柄。最寄り駅は京都駅、しかも徒歩5分。言ってみれば東京駅から丸ビルに行く位の時間でイオンに到着する!(街の規模は違うが驚き具合は伝わるかしら、皇居の手間にイオンがある感じ)ガイドリーフレットにも「イオンモールKYOTOへは、電車が便利です」とある。各所からのアクセス時間が明記され、「なるほど…大体の標的居住エリアはここらへんか」と思わせる地域は、京都は勿論大阪・滋賀・奈良と、がっちり近隣他府県ベッドタウンまで広範囲。
Aeon001
 周知の通りイオンの狙う顧客層はずばり「全部」だ。老若男女、ケの日やちょっとしたハレの日、あれこれかなえてくれる「日常の中心」になるべく、多くのニーズを満たす工夫が至る所になされている…と書くと「あれもこれもで、結局顧客との濃厚な関係が築けないのでは?」と思ってしまいそうな所だが、そこはイオン。モールを練り歩いて気づいたのだが、実に巧妙な各フロア展開が成されている。
 イオン京都はシネコンやホールを有する大きめ施設。Kaede、Sakuraとされた2つの棟はMiyakoという橋でつながって展開されている。私はこれまた平日に1階から4階までを見て回ったのだが、見ているうちに何階にいるのか分からなくなってくる事がしばしばあった。(平日なのでイベント系が無い、事もあるかもしれないが)そう、階ごとの特色が無い。百貨店では「○階、■■のフロア」などとして明確に階での棲み分けを計っている事が多いが、イオンはその真逆、色んなショップが各階に存在する。例えば1階では、靴下屋さんの横がお菓子屋さんだったり、子供服の向かいが電気屋だったりと、多彩。なぜだろう?と回遊するうち、実はこれこそがミソで、各階とも実に便利にできている事がわかってきた。イオンのターゲットである全世代を狙うなら、「各階に全部」が無いと駄目なのだ。老若男女の好みに分かれたショップ展開が、イオンをイオンたらしめている。
Aeon002
 例えば、お母さんが幼い子供の写真を撮りに撮影スタジオに行きたいと言う。折角なのでおニューの子供服を物色してから撮影、という流れの間、お父さんは隣の家電ショップで新製品チェック。子供服を買ってくれた両親は孫の写真を楽しみに、オシャレな老眼をあつらえに移動。撮影をぐずる子供は「終わったらおもちゃ買ってあげるから」の甘い誘惑に妥協し泣き止んで笑顔。
 集合場所は吹き抜けにあるモニュメントが見える休憩コーナー。
 「では1時間後に!」
 …というわけだ。広い店内、各階で別行動をしても上下移動をしなければ探しやすいし、全世代、性別を問わず興味が持てる店の豊富さで誰かがふてくされる事も少ないだろう。だから皆で出かけやすい、皆が好きな場所になりうる。
 百貨店のような「住み分け」はイオンでは不適当、あえての「バラバラ」が実は家族を「がっちり」まとめる秘訣なのだった…。そうか、だから京都駅ナカも駅チカも、いつも通りだったというわけか。全ての層をターゲット、としながらもしっかり独自のポジショニングを取る事で新たな顧客を呼び込んだイオンに心で拍手を送る。すごいぞイオン。あんたなら新参者は100年位は村八分、な、京都でもやって行ける…。

 長い時代を生き抜いて来た老舗のおもてなしは、デパート、ショッピングモールと姿を変えてもやっぱり健在。
その土地土地や、狙う顧客に合わせた「お客様を思う心遣い」が隅々まで届く事が、スピード化や合理化といった味気ない事ばかり要求される現代にあってもやっぱり大切なのだ。
万人に使えるステレオタイプの挨拶や、押し付けがましい接客をこれでもか、とぶつけ続ける一昔前の「お客様志向」から脱却し、それぞれが狙うターゲットの抱える心理を読み解き、展開する商戦はとても興味深い。
 あれこれ考えず、休日になったら純粋に両店を満喫したくなる、そんな思いがつのる突撃調査だった。

 余談だが、私が幼少時の至福を感じてやまなかった屋上遊園、ファミリー食堂(これが本気で美味しいのですよ!近い方は試してみて!)、エレベーターガール、そして「アンモナイトの化石階段(今はモニュメントとして存続)を含めた六芒星のしつらい」が大丸さんには今もちゃんとある。パンダの募金箱も、ペットボトルキャップ収集箱に姿を変え、サクラパンダと名前を変え、玄関で待っていた。改装に伴い、どんどん合理化する百貨店業界にあって、これらを維持して行く事はとっても大変な事だと思われるが、私はとても嬉しかったし、同じように考えている人は多いだろうと思うので、追記しておきます。(新店舗にも往年のモチーフは受け継がれている)ありがとう大丸さん。

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Comments

写真付きがよい!w

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» イオンについて書かれた記事 [イオン]
何気なくネット見ていたらイオンの関連する記事を見つけました。私もコレ見て参考にしています。うふふガールズで大丸さんがほしいトコ、Kaede Sakuraでイオンさんが ...言ってみれば東京駅から丸ビルに行く位の時間でイオンに到着する!(街の規模は違うが驚き具合は伝わるかしら、皇居の手間にイオンがある感じ)ガイドリーフレットにも「イオンモールKYOTOへは、電車が便利です」とある。各所からのアクセス時間が明記...... 【売れすぎて緊急入荷amp;随時出荷】【送料無料amp;... [Read More]

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