« キリン VS. サントリー?:「世界のハイボール」は実は根が深い! | Main | 「マーケティング」もニッチに売れ!? »

2010.02.16

さすがP&G!人を動かし、買い続けさせる販売促進!

 成功する販売促進は、消費者の心を洞察(インサイト)し、行動を読み買わせる。さらに、一度きりでなく、買い続けさせるように仕向けることである。「さすがP&G!」と思わせる防臭柔軟剤「レノアプラス」の販売促進がこれから全国で展開される。
 キャンペーンが始まったばかりだとのことで、まだ全国の取扱店では店頭に並んでいないところも多いようだが、もし見かけたら足を止めて、商品を手に取ってみて欲しい。

 P&Gの柔軟仕上げ剤「レノアプラス」。ただ衣類を柔軟仕上げしてくれるだけではなく、「一日中、着ている間も嫌なニオイが防げる」のが特長だ。同社の「ファブリーズ」の技術を使っているというから間違いない。でも、とってもいいけど、ちょと高い。
 が、ドラッグストアの店頭で248円で売っているではないか!「数量限定!今がチャンス!お試しサイズ」とある。

Photo_6


 手に取ってみる。あれ?「数量限定・お試しサイズ・通常ボトルの約3/4」とボトルのパッケージに表記されている。ご丁寧に、ボトルパッケージの3/4くらいの位置に点線で「入っているのはここまでですよ~」としるしがされているので間違いがない。通常の650mL入りボトルに3/4の容量、約433mLのブツを詰めて売っているのだ。

 消費者の態度変容モデル、AMTULで考えてみよう。Awareness(認知)・Memory(記憶)・Trial(試用)・Usage(使用)・Loyal(愛用)である。
 「消臭効果のある、いいけどちょと高い柔軟仕上げ剤・レノア」はもともと、多くの人に認知・記憶されている。問題は、「ちょと高い」ので、購入に踏み切らないことだ。故に、課題はTrial、お試しなのだ。
 「いつもは特売の別メーカーだけど、こっちの方が値段的にちょっと安いし、いつもはレノア高いけど、買ってみようかしら!…色んな香りで迷うわ~」

 お試し少量ボトルで洗濯してみる。Usageだ。
「あれま、部屋干ししても臭くない…タオルもふわっと…結構いいかもね」
 少量ボトルなので、半月位で無くなる。
 「もうなくなっちゃった…あら、けどこのボトル。容量がすくなかったけど、ボトルサイズは通常サイズと同じね」と、ドラッグストアへ。多分詰め替えパックをその頃売り出しにかかる。
 「あっらー。詰め替えパックは安売りの時に買えば、ほかの仕上げ剤と比べてもほんのちょっと高いくらいだわ!ボトルもあるし、これでいいわ~」。そうして継続購入させ、Loyal・愛用の銘柄にさせるのである。

 ミソは、上記の通り、最初にフルサイズのボトルを安く購入させることである。ボトルさえあれば、詰め替え用を継続購入させることができる。アフターマーケティング、囲い込みの第一歩だ。一度ボトルを手元に置かせれば、レノアの消臭機能と香り、仕上げのよさでブランドスイッチしない顧客も少なくないだろう。
 本当に3/4サイズのボトルを作って買わせるのでは、詰め替えパックは480mLなので余ってしまう。ましてや、専用ボトルを作ってラインを分けるのは全く非効率だ。この展開なら、通常商品にラミネートパッケージをもう1枚かぶせ、内容量の充填を3/4にするだけでいい。最小限の努力で最大の成果を狙っているのだ。
 
 飲料や洗剤などでは「今だけ増量!」という販促手法もあるが、「今だけ」では継続的な利益ににつながらない。また、不景気で安いものしか売れない時代に、安さを演出しようと食品などは、そ~っと内容量を少なくして価格を下げる「量目調整」が横行しているが、限度を超えれば顧客も気付き離反を招く。
 堂々と真っ向勝負で、「3/4しか入ってません!」と明言すれば、消費者も「あぁ、少ないのね。試しやすくしてるのね。一回買ってみたかったけど、高いからためらってたのよ」と、「何で安くなってるの?」手にするのにいちいち勘ぐることもなくなる。消費者にとっても気持ちがいい。

 効果的な販売促進は、消費者の心と行動を読んで、一度だけでなくロイヤル化までを見越して行うに尽きる。しかも、それを最小限の努力で実現しているのだ。さすがマーケティングエクセレンスなP&G。脱帽である。

|

« キリン VS. サントリー?:「世界のハイボール」は実は根が深い! | Main | 「マーケティング」もニッチに売れ!? »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference さすがP&G!人を動かし、買い続けさせる販売促進!:

« キリン VS. サントリー?:「世界のハイボール」は実は根が深い! | Main | 「マーケティング」もニッチに売れ!? »