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2009.12.25

またもバランス感覚を発揮するマクドナルドのキャンペーン


 マクドナルドが1月から期間限定のバーガーを連続投入するという。その狙いを考えてみよう。

マックから大型新シリーズ!アメリカ4都市の名を冠した“Big America”期間限定発売(2009・12・24 東京ウォーカー)
http://news.walkerplus.com/2009/1224/7/
<「クォーターパウンダー」で大旋風を巻き起こしたマクドナルドから、2010年に大型の新シリーズが期間限定で登場! 「テキサス」、「ニューヨーク」、「カリフォルニア」、「ハワイ」といった本場・アメリカの味をイメージしたまったく新しいハンバーガーだ>とのことだ。

 商品が「安くて価値が高い」のであれば、どんな顧客からも支持される。しかし価格と価値の同時に実現することは難しい。故に、「同じ商品なら安い方が勝つ」という考え方と、「価格が多少高くても価値が高い方が勝つ」という考え方に従った戦略の意志決定がなされる。前者を「コストリーダーシップ戦略」、後者を「差別化戦略」という。マイケル・ポーターによる考え方だ。「コストリーダーシップ戦略」は単なるコスト削減とは異なる。経営資源の大半を費やして、業界の最低コストを実現し、市場価格の決定権を握って、競合と価格競争をしても黒字経営が実現できる企業体質を実現する。自動車業界でいえばトヨタ自動車。ファストフード業界でいえば日本マクドナルドである。

 低コストを実現するためには、生産数を上げて固定費比率を低減する「規模の経済」と、生産性を高め単位時間あたりの人件費比率を低減する「経験効果」が重要になってくる。つまり、「数を売る」ことが重要なのだ。故に、コストリーダーの戦略は、より幅広いターゲットを狙う「全方位戦略」となる。

 日本マクドナルドが今年の夏から展開していた、チキンタツタやグラコロなどの懐かしの日本オリジナルメニューを復活させた「NIPPON ALL STARS」キャンペーン。チキンタツタなど「キャベツがこんなに美味しかったとは!」と懐かしさとその味に大満足した筆者であるが、舌鼓を打った同年代の人は多かっただろう。そのキャンペーンの狙いは、6~7月に展開したクォーターパウンダーの販促キャンペーン「日本バラ色計画」で若年層に振れたターゲティングの修正を図ったのである。
 そして今度は「Big America」だ。懐かしの日本オリジナルメニューの次は、「本場アメリカ!」の訴求と「クォーターパウンダー」シリーズで使用している4分の1ポンドのパテを使ったボリューム感で迫る。右へ左へと巧みにポジショニングを調整し、メインとなるターゲットも切り替えて「全方位戦略」を展開しているのだ。

 マクドナルドのバランス感覚はターゲティングとポジショニングの調整だけでではない。商売の基本である「客数×客単価の最大化」を愚直に追求している面もある。低価格メニューで集客し客数増を図り、高価格メニューで客単価向上を図るというマージンミックスである。今年展開した無料コーヒーで客数は増加している。今度はボリューム感に比例して高価格な「Big America」メニューの投入である。

 リーダー企業こそ、奇策で勝負するのではなく基本に忠実な戦略を徹底するという姿勢に学ぶところだ。

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日本マクドナルドの恐るべきバランス感覚


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