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2009.12.23

チョコレート携帯の購入は「コト消費」?

 徹夜の行列も出た大人気の「チョコレート携帯」。ドコモとジュエリーブランド「Q-pot.」がコラボした携帯電話「docomo STYLEシリーズ SH-04B」のことだ。その携帯からの考察は先週『ハートをとろかす「チョコ携帯」の可能性』として記したが、さらに一歩進めて考えてみよう。

 前回の記事でも取り上げた東京ウォーカーの記事にある購入者のコメント<「もともと『Q-pot.』が好きなんです。携帯のデザインを見て、すぐに買うことを決めました。価格? 気にならないです」>。6万円後半~7万の価格であるが、実は本当に高いものではないのではと思う。確かにブランドのファンであれば、購入して手にした喜び、所有し使う喜びは高いだろう。だが、それ以上に「チョコ携帯」を持っていることで実現できることがある。「なにそれ、スゴ~イ!」と仲間内で話題になることだ。話題になる、羨望されるというなら、アクセサリーや服でも良いじゃないかと思うかもしれないが、同じアクセサリーを付けっぱなし、着たきり雀ではちょっと悲しい。その点、携帯電話は毎日持ち歩くのが当り前で、しかも常に自分から20センチ以内のところにあるモノである。

 実は筆者も同様の経験がある。ゼロハリバートンのアタッシュケースを愛用しているのだが、色は鮮やかな赤なのだ。「きれいな色ですねぇ」「こんな色あるんですね!」と間違いなく会った人が話題にしてくれる。印象に残って覚えてもらえる。トレードマークになる。価格は8万円弱であったが、費用対効果を考えると実に安い買い物であった。つまり、「チョコ携帯」の購入者と同じ感想だ。

 日経新聞12月22日の消費欄。<Xマスギフトは「挑戦権」 パラグライダー・陶芸・・・ 体験講座・ツアーを贈る モノよりも印象深く?>とのタイトルが目につく。プレゼント商品のツアーを企画したJTBの担当者が<プレゼント慣れした若い世代はありきたりのモノでは飽きたらず、「新しいタイプのプレゼントをしたい人に体験型ギフトが受けている」>とコメントしている。
 若者の消費意欲、購入意欲に体験ギフトがどの程度刺さるのか、クリスマス狙いのマーケティングにどの程度踊ってくれるのかはわからないが、モノの飽和によって、若い世代ほど「モノからコトへ」の傾向が顕著なのは間違いないだろう。

 昨今の若年層の大きな関心事は、「仲間とのゆるやかな“つながり”」。携帯電話はもともとコミュニケーションツールであるが、「チョコ携帯」は電話やメールをしていなくてもコミュニケーションが促進できる。つまり、「チョコ携帯」の7万円という価格には、「仲間とのつながり」「コミュニケーション」という「コト」の価値も含まれているのである。

 「モノが売れない」という言葉は何年も前からいわれてきた。「モノからコトへ」もいわれて久しい。ならば、それをさらに進めて、「そのモノは、顧客にどのようなコトを実現できるのか」を精緻に考えるべきなのだろう。顧客のココロの中をよくのぞき込むことだ。単純な思いつきでは「モノ」も「コト」も売れないのは同じだ。

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