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2009.12.16

現代のマーケティング環境は「ガンダムの世界」であるという話

 筆者は「ガンダム世代」といわれる年代ながら、実はあまり思い入れがなかった。しかし、改めてその世界観を考えてみると今日のマーケティング環境に似ている気がする。

 マーケティングという概念が確立する以前から存在した、それこそ戦いに勝つための「ランチェスター戦略」や、競合をいかにに勝ち抜くかを考えるマイケル・ポーターの「競争優位戦略」など、その概念がしばしば戦争に例えられることが多々あった。そして、今日に至る市場環境の変化もまたそうだ。

 1955年代から73年までを中心とした高度成長期。消費者は人よりいち早く、または人並みに家の中に揃ってくる家電製品などを楽しみにしていた。誰もが同じモノを手に入れ満足し、むしろ同じであることを喜んだ。「作れば売れる」という時代。さしたる狙いも定めずに兵力・物資の力だけで勝てた時代だった。「絨毯爆撃」の戦い。KSF(Key Success Factor=成功のカギ)は「迅速な生産・供給」。「作れば売れる」という環境に適合した戦い方であった。大軍を率いたマスの戦いだ。

 80年代から90年代にかけて市場は成熟し、1986年から91年のバブル景気を迎えた。人々の家々にも一通りのものが揃い、生産者は買い換えか買い増しをさせることが生き残りの法則となった。限られたパイの食い合いの時代への突入である。そんな時代の戦いは、湾岸戦争のニュース映像に想起されるような、極めてピンポイントな戦いになった。あたかもテレビゲームの如く高精度なミサイル爆撃が繰り返される。レーダー等による、ターゲティング精度の向上である。それは、「ターゲットマーケティング」といわれる概念と相似している。

 バブルの崩壊と共に市場は完全に飽和し、人々はもう既に手に持っているもので十分。「買わない自由」もあることに気がついてしまった。そうなると、「消費者」などという大括りな生活者の捉え方はできない。

 ガンダムの世界観のキモは「ミノフスキー粒子」という存在だ。それによってレーダーが無効化され、長距離誘導ミサイルが使えなくなり、有視界戦法によるロボットを用いた白兵戦が展開されるようになった。
 レーダーによるピンポイントな爆撃は、戦場全体を見渡して、どこを攻撃すればいいかがわかっていることが必須である。しかし、昨今は消費環境が多様化し、さらにそれを取り巻く環境も複雑化しているため、全体像をMECE(モレ抜けのない)なセグメンテーションマップで描くことができない。 セグメンテーションマップが描けない状態は、ガンダムの世界の「有視界戦法」に似ている。絶大な効果な長距離ミサイル≒マス媒体は無効になり、有視界戦法、白兵戦となる。
 では、目で見るのは何をみればいいのか。目で見て戦う場所を見つけるには、顧客の「ニーズ」もしくは「ニーズギャップ」を探して、そこを徹底して叩くしかない。昨今のマーケティングはハイテク装備を装備しながら、白兵戦的な前近代的戦い方に逆行した世界だ。しかし、そこで目でよく見るべくは、「敵」である競合の動き以前に、「顧客」の姿、心理に注目することが欠かせないのである。

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Tracked on 2009.12.18 07:14 PM

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