コンビニはケイコさんがいなりずしを買うところなのか?
日曜日の昼、なぜだか突然あるものが食べたくなった。
昔の大ヒットCM的に表現するとこうなる。
「私は(夜中ではなく)昼下がりに突然(いなりずしではなく)焼きそばが食べたくなったりするわけです。それはもう食欲とかそんなことではなくて、ただもうなんだか(いなりずしではなく)焼きそばのことで頭が一杯になってしまうわけなんです。そこでこうやってセブンイレブンへ。こんな自分を私はかわいいと思います。」(セブンイレブンCM・ケイコさんのいなりずし編:1995年)
で、セブンイレブンに行ってきた。すると、いなりずしやら、焼きそばどころではなく様々な弁当を手にした同年代、中年男女の人々ががレジや店内にいた。カゴの中には弁当は3つ4つ。日曜日に「外食」はもはや贅沢で昔日の風景となり、さりとて休みに料理の手間はかけたくないといった風情が今日的なのだろうか。
それは、さすがに出来合の焼きそば味気ないと思って材料を買いにスーパーに行こうと思った。が、大手スーパーに行くには駅を超えて10分ぐらいの距離。たかが10分、されど10分。さらに、その時間だとレジの行列も想像に難くない。さりとて、個人商店の八百屋は今日は休みだ。平日でも商店街は閉まっている店が多いのも事実だが・・・。
と、すぐ近くに100円コンビニ・スーパー「ショップ99」があるのを思い出す。品数は少なく品質もそこそこだが、何より気軽に入れるし、商品が小分けで買いすぎないのがうれしい。何といってもこちらは衝動的に焼きそばが食べたくなって、それだけを作れる材料が手に入ればいいのだ。
店内には驚くほど高齢者の姿が目についた。おばあちゃん後ろに並んでレジで会計。
かくして、自称・メタボ予備軍の予備軍である筆者は、本来禁忌すべき高カロリーな焼きそばにありつくことができたのであるが、それを食しながら目にした光景を反芻してみた。
その光景は、実はネット調査の通りである。
<コンビニ来訪客の世代分布をグラフ化してみる(2009年11月版)>
http://news.livedoor.com/article/detail/4476715/
上記統計によれば、1995年に20代とおぼしき「ケイコさん」がセブンイレブンに、夜中にいなりずしを買いに走った頃に近い1998年、20代の来店客は、客層中最多の35%を占めていたが、今日では筆者と同年代の30~40代が合わせて41%を占める。(95年は合計で29%)。人口分布の変化を反映しているに加えて、10~20代においてコンビニに慣れ親しんだ層がそのまま年を重ねたというわけだ。
もう一つ。<100円ショップ来訪客の世代をグラフ化してみる>
http://www.garbagenews.net/archives/708901.html
記事で示されているのは、いわゆる雑貨中心の「100円ショップ」ではなく、筆者が行った100円コンビニ・スーパー「ショップ99」である。記事の分析によれば、40代の利用が最多であるが、次いで、ほぼ同数で50代以上、30代。30代以上は女性客の割合に変化はなく、固定客化していると推測できるという。さらに<Shop99は元々生鮮食品を多く取り扱うタイプの100円ショップなため、食品をはじめとした生活必需品を買い求める主婦層が多く来訪するということだろう。特に50歳以降になっても来客数が落ちないのは注目に値する>としている。加えて、高齢者は世帯人口が少なく、少量しか食料を使用しないため、小分け販売に対する支持が高いことも理由の一つだろう。さらに、必要なものを必要なだけ購入し、無駄を省きたいという傾向は世代に関係なく高まっているだろう。
まさに、統計的に見ても、筆者が目にした風景通り。人口動態的な変化。経済環境の変化。人々の意識の変化。
商店街の隆盛は昔日のこと。さらに、大手スーパーでなく、コンビニが食材供給を担う。買い物風景はどんどん変化している。