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2009.10.08

渋谷駅に『立ち食いどん兵衛』登場 その意図は何だ?

 渋谷駅山手線内回りホームに、リニューアル発売された「日清のどん兵衛」うどんシリーズをその場で食べられる『立ち食いどん兵衛』が登場した。

<渋谷駅に「どん兵衛」の立ち食いアドスタンドがオープン>(アメーバニュース)
http://news.livedoor.com/article/detail/4383049/
 日本レストランエンタプライズとジェイアール東日本企画が共同で出店している広告ラッピングカフェ「アドスタンド」が行う、10月1日から25日までの期間限定展開である。

 「日清のどん兵衛」はぶっといのどごしの『ぶっとうどん』にリニューアルした。そのリニューアルをアピールするため、巨大どん兵衛オブジェを渋谷109前に設置したという。
 だが、どれぐらい「ぶっとい」のかといえば、従来比約120%のめんの厚みだという。が、なかなか120%といわれてもピントこない。そこで、駅のホームで体感させようというしくみである。

 渋谷でカップ麺といえば、今年9月18日に開催された過去最大・カップヌードル3万個が無料配布されたイベント『9.18 HAPPY BIRTHDAY カップヌードル in SHIBUYA 2009』が思い起こされる。無料配付に人だかりし、現場はかなりの混乱をきたした。しかし、今回は200円、しっかり有料だ。
 但し、この200円という価格、駅で食べる麺類といえば立ち食いそば屋うどんであるが、カップ麺とはいえ、純粋に価格で比較すればかなりオトクであるとも考えられる。

 「アドスタンド」では、過去に角川メディアハウス発行のフリーペーパー「シネコンウォーカー」がスポンサーとなり、毎月1本、映画をテーマにした「Cinema Cafe」を展開していた。映画情報を提供し、映画グッズを販売するほか、JR東日本グループで駅弁などを手がける、日本レストランエンタプライズが自家製「たまごドック」と4種類のホットドックを中心に、コーヒーや各種ソフトドリンク、ポップコーンなどを販売していた。映画館メニューの定番である

 そのアドスタンドが、大変身したのが今回の『立ち食いどん兵衛』だ。<外観は、「どん兵衛」の広告の世界を反映、店内では「どん兵衛」の商品の特徴を紹介。また、映像でCMも放映し「どん兵衛」の世界を体感できるようになっている>(同)という。

 忙しく人が往来する駅のホームに、ふと和む映画の拠点があるのも悪くない。しかし、ちょっと小腹が空いたり、ササッと軽食を済ましたい時に『立ち食いどん兵衛』はうれしい存在ではないだろうか。たぶん、映画グッズとサンドイッチがあるよりうれしい人も多いだろう。カップヌードルへの反応の高さから考えても、カップ麺の消費者としての往来する人々の親和性も高そうだ。

 日清はぶっといのどごしの『ぶっとうどん』には、並々ならぬ自信を持ているのではないだろうか。一度試させて味を納得させれば、それ以後、反復購入させることができると。

 消費者の購買に至る態度変容モデル「AMTUL」というものがある。A(Attention:注意喚起)→M(Memory:記憶)→T(Trial:試用)→U(Usage:日常利用)→L(Loyal:ファン化)である。
 AMTULで重要なのは、まず「試す」点である。しかし、反応が出やすいカップ麺では無料配付したら、また、混乱するかもしれない。無料でもらってそれまでというリスクもどうしてもついて回る。
 それならば、関心を持って一度、身銭を切って試して(Trial)もらう方が、以降のU(Usage:日常利用)→L(Loyal:ファン化)へと至る可能性が高い。また、その段階を進ませるだけの自信があったのではないだろうか。

 昨今の新製品における問題は、一度試させる「接点」が消費者との間に、昨今は構築しにくくなっている点である。店頭では流通のプライベートブランド(PB)商品が台頭し、新製品といえどもナショナルブランド(NB商品)は埋もれがちであり、価格的にもアピールに欠けることになる。故に、PBとの競合にさらされない場所で体験し、気に入ってもらって、指名買いのポジションを獲得しようという意図が『立ち食いどん兵衛』にはあるのだろう。
 思わぬシチュエーションで接触し、街で食べるには安価な価格で試せて、食べながら映像で「どん兵衛」の世界を体感するなど楽しめれば、その評価もさらに何割増し価になるのではないだろうか。

 黙っていれば、PBの圧力が日増しに高まるNB。突如駅に出現した「どん兵衛」の立ち食いアドスタンドは、メーカーの必死の展開を表わしているともいえるだろう。

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