ブレてない! ロッテ・フィッツのプロモーション!
「かむ~とフニャン、フニャン・・・」パパイヤ鈴木振り付けの「フィッツダンス」が大人気なロッテのガム「フィッツ」のCMが装いも新たに帰ってきた!しかも、その狙いは寸分もブレていない見事な内容なのであった!
今年春に売り出され、バカ売れすぎて、一時は3つのフレーバーのうち1つが店頭から姿を消すという未曾有の大ヒットを飛ばした「ロッテのフィッツ」。日経MJのヒット商品番付にも取り上げられた。
今回のCMも「たむらぱん」の楽しいボーカルに乗せて、今回も佐々木希と佐藤健がフニャフニャと「フィッツダンス」を踊る。ちょっとダンスの難易度が上がっているのに気付く。それだけではなく、バックダンサーが変わっている。山本ひかる、西内まりやはそのままだが、前回マネキンやペットの犬に扮して見事なダンスを披露していた、ビヨンセのモノマネでブレイクした渡辺直美の姿が消えていることにも気付く。代わりに着ぐるみが・・・。お~っと、渡辺直美の扱いは着ぐるみレベルだったのかと思いつつも、その着ぐるみである、ゆるキャラのチョイスの渋さに思わず唸る。
今回のCMの一つのミソは、地方別であることだ。佐々木希が秋田、佐藤健が奈良で踊る。各々、バックには「たんぽ小町ちゃん」と「まんとくん」が踊っている。
秋田の「たんぽ小町ちゃん」。はぁ?誰ですかそれはと思ってしまうのだが、もしかして地元では有名なのだろうか。全国区で秋田のご当地キャラといえば、「超神ネイガー」しかあり得ないと思うのだが。
知らない人のために説明しよう。超神ネイガーとは、「海を、山を、秋田を守る、秋田発・地産地消ヒーロー」だ。とは、 主人公のアキタ・ケン(秋田県在住・農業)が、豪石(ごうしゃく)!のかけ声と共に謎の石の力によってネイガーに変身するのである。(詳しくはこちら→http://homepage1.nifty.com/nexus/neiger/)・・・失礼。ちょっと、筆者の趣味が入ってしまった。
一方の「まんとくん」は全国区であるといえよう。2010年に開かれる平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター「せんとくん」に対抗して市民団体が作ったキャラクターである。平城遷都1300年記念事業協会が作った「せんとくん」ではなく、あえて「まんとくん」を出演させている。
実は「たんぽ小町ちゃん」「まんとくん」。というチョイスこそが大正解なのである。
フィッツはそもそも、ガムを噛まなくなった若者向けに開発された商品である。若者は言う。「何か、ガムって固くね?」。そのニーズギャップに応えやわらかな食感にこだわって製品を作り上げた。キャッチコピーは「噛むとフニャン」。そしてダンスがフニャフニャ踊る「フィッツダンス」だ。全てがフニャンで整合している。
CMのキャラクターはどうか。もし、秋田編で佐々木希の後ろで「ネイガー」が「豪石!」とキビキビ踊っていたら台無しだ。「たんぽ小町ちゃん」のゆるさがちょうどいい。
もし、奈良編で佐藤健の後ろで「せんとくん」が頭から鹿の角を生やして踊っていたら、きもちわ(以下略)。「まんとくん」のゆるさがちょうどいい。
この整合性。ブレのなさが素晴らしいではないか。
前回のCMと連動したYoutubeでのダンスコンテストも今回はさらに工夫がしてある。「フィッツダンス」を踊る姿を自ら動画撮影し、アップする。その閲覧回数を競い合うしくみであるが、今回は都道府県選抜方式になっている。CMで前回は佐々木希であれば、曲の冒頭が「の~ぞの~ぞのぞみ~」と名前を言っていた部分が「あ~きあ~きあきた~」と地名になっている。同様に全国の県名でダンスが始まる。全国一律より、まず、地域勝ち上がりで盛り上がるという寸法だ。全国大会ではさらに盛り上がるだろう。CMと連動した、「盛り上げ」の仕掛けが見事である。
たかがガムというなかれ。ガム離れした若者を巻き込むには、これぐらいの仕掛けがなければうまくいかない。その中で、少しでもコンセプトがブレればおもしろさが半減することは必定である。遊んでいるようで、しっかり計算し尽くされているこのプロモーション、見事というほかない。
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