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2009.07.06

さらにパワーアップ!『マックスコーヒーV』の狙いはなんだ?

なんと、「バニラ風味&ビタミン配合」である。練乳100%使用。「マジ ハンパなく バリ 甘い」とのコピーを引っ提げ、今年2月、発売以来33年ぶりに全国販売を開始した「マックスコーヒー」の新作だ。今度はどんな狙いが隠されているのか。

千葉・茨城県民のソウルドリンクともいうべき「マックスコーヒー」は利根コカ・コーラが独自開発し、後に日本コカ・コーラの「ジョージア」ブランドに組み込まれたもの。
(全国販売の経緯は過去の記事参照→ 「マックスコーヒー」33年目の全国侵攻・その勝機

マックスコーヒーの公式サイト( http://www.georgia.jp/max/ )では、以下のように製品を紹介している。
<[特徴]元気を補給してくれる、やみつきになるうまい甘さ。[成分]コーヒー+練乳 その他[原産]利根>

マックスコーヒーの超絶的な甘さに惹かれてヤミツキになっているコアなファンは多い。そのファンの声を同サイトが紹介しているが、多くが「疲れた時にこの甘さがいい」「甘さにホッとする」などの意見が多い。見事に、「疲れを癒して元気にしてくれる」というポジショニングを獲得しているといっていいだろう。

その商品にバニラ風味が添加され、ビタミンが配合されたという。それは何を狙っているのか。新製品のコピーは以下のようなものだ。
<ビタミン入りで バニラ味で ヤル気スイッチ入りMAX V!>

東京ウォーカーの同製品紹介( http://news.walkerplus.com/2009/0705/8/ )によれば、ジョージアの担当者が「何かをはじめる時に飲みたいチャージ飲料」というポジショニングを紹介している。
このポジショニングをオケージョン(occasion)という概念で考えると、新製品の狙いが見えてくる。
基本のマックスコーヒーが、何かをやった後、「疲れを癒し、元気にしてくれる」というポジションなのに対し、マックスコーヒーVは、「これからいっちょ、やったるか!」的な、何かをはじめる前に気合いと元気をくれるというポジションだ。明らかに別のオケージョンを狙っている。

「朝専用」などとして、1日のはじめに飲ませるというのは、缶コーヒーの常套手段だ。その意味では、マックスコーヒーもその定石にしたがったといっていいだろう。しかし、マックスコーヒーの場合、その意味合いはさらに重要だ。

同製品の中核価値である、超絶的な甘さは、恐ろしいほどのカロリーを伴っている。平均的な缶コーヒーの1.5倍だという。そのカロリーを摂取し続けるのを厭わない層は、カロリーが気にならないスレンダーなすてきなボディーをもった人々か、もはや、「メタボだなんだとか、関係ねー!」と反動的需要に走っているそうだといえるだろう。確かにコアなファンは抱えている。しかし、世の中の流れから考えて、その拡大はあまり望めない。

ターゲットを拡大できないとなると、ターゲットの購入機会を増やすしかない。そこで、「元気の補給」や「事後の癒し」というオケージョンに加えて、「これから気合いを入れる」というオケージョンに注目し、新製品を開発したわけだ。つまり、明らかに既存ユーザーへのアップセリング(買い増し)狙いである。

マーケティングのフレームワークは一見、MECE(モレなくダブリなく)になっているようで、実はそうなっていない。具体的な施策を検討する、マーケティング・ミックスの4Pには、時間の概念やオケージョンといった概念が含まれていないのだ。故に、実際の展開を考える際には、フレームワークに含まれない要素を見つけ、考慮することが求められる。
マックスコーヒーの新製品は、その一つの好例といっていいだろう。

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