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2009.07.19

加ト吉×永谷園=「製品」ではなく「商品」。

8月25日から加ト吉は、自社の無菌包装米飯と、永谷園の具材入り粉末味噌汁をを組み合わせた新商品「明日の朝ごはん 味噌汁付」を発売する。忙しい朝に向けた"朝専用のご飯"をコンセプトに開発した提案商品で、食品業界初のコラボレーションだという。

ご飯にみそ汁という当たり前な組み合わせだが、同社はニュースリリースで<無菌包装米飯は電子レンジで2分加熱するだけ、味噌汁はお湯を注ぐだけで>と利点を強調する。「忙しくて、つい朝食を抜いちゃう!」という人にとっては画期的なソリューションとなる。コンビニで前夜にもう1品ぐらい総菜を買っておけば、完璧な和朝食の完成である。農水省は朝食欠食問題の解決のため「めざましごはんキャンペーン」を提唱している。時流をとらえた商品でもある。

加ト吉と永谷園のコラボレーションは実は初めてのことではない。今年4月に永谷園の「松茸の味お吸い物」を加ト吉の「冷凍さぬきうどん」と生玉子とをからめて作る「釜玉うどん」をCMキャラクターとして玉木宏を使って提案している。
加ト吉×永谷園の、「松茸風味釜玉うどん」は、いわゆる共同販促であるが、今回の「明日の朝ごはん 味噌汁付」は無菌包装米飯に粉末味噌汁が1つずつセットされて商品化されている。コラボレーションが一歩進んだ状態であるといえるだろう。

カテゴリーをまたいで、商品を関連づけてレシピや使用用途提案をすることを、流通の現場では「クロスマーチャンダイジング」という。店頭の棚の配列は、カテゴリーできれいに分類され目的を持った買い物客には利用しやすい。反面、買い物客には買い回りをさせることになる。
例えば花火をしようとすれば、花火セットにロウソク、ライター、バケツと各々のコーナーで商品を探さねばならない。「花火遊びコーナー」を作っておけば、顧客の利便性は向上する。
顧客の利便性向上だけが効果ではない。第一にさらなる関連商品販売効果が期待できる。「花火遊びコーナー」に虫除けスプレーを置いておけば、「おっと、虫除けも大事だな」ともう1品売れる。
第二の期待は「ああ、夏だから花火もいいなぁ」と、需要を喚起できることだ。加ト吉×永谷園の「明日の朝ご飯」も「やっぱり朝ご飯はきちんと食べなきゃ!」という需要を喚起する提案であるといえる。

ソニーの創業者、故・盛田 昭夫氏は著書「21世紀へ」の中で「製品を商品としようとする場合には、その製品を手に入れたいという欲求を人々の間に喚起させなければ、いかに優れた製品であっても商品にはなり得ない」と述べている。
流通の現場では頻繁に行われている、消費者目線での組み合わせ提案である、クロスマーチャンダイジングも、メーカー同士の壁を越えての組み合わせ例はなかなかない。しかし、「当社の製品をどうぞ」と、市場に投入し、広告をし、店頭に並べただけではそれはただの「製品」だ。
何気ない組み合わせでも、それが消費者にとって有益な提案になっていれば、売れる。単に製品を店頭に並べていても、売れないのである。

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