iidaの新機種「misora」こそ、真の次世代ケータイか?
au(KDDI)の夏モデルが出そろい広告も賑やかになった後で、KDDIの別ブランドiidaから第2弾の端末が発売された。
今年の春からau(KDDI)は明らかに戦略を二面作戦で展開をはじめた。その動きがこの夏、一層顕著になったといえる。
春モデルでは「auケータイでサプライズな日々を」。と、様々な機能を盛り込んだ携帯端末を投入した。夏モデルは「去年と違う夏」のコピーだ。充電用ソーラーパネルなどの目新しい機能を搭載した機種のほか、まるで携帯電話機能がオマケに付いているかのような、「電子ブック」や「ハイビジョンムービー」という機能特化した機種もある。確かに使われ方や使用目的は「去年と違う」ことになるだろう。
もう一方の動きが、今年の春から投入された別ブランドiidaである。ブランドの発表会において、小野寺社長が「機能競争は終わった」として「次の競争」として示したのがiidaである。
(関連記事:KDDI(au)の新ブランド「iida」。その先鋭的な狙いとは?)
ところがどっこい、本体のauブランドは夏モデルが示すように、さらなる機能強化が図られているが、iidaにおいては、確かに機能ではない、その正反対の性格がさらに強められている。
最初に登場した「G9」はシャープな男性仕様と感じられたが、今度はシンプルでスマートな女性ターゲット仕様といったところだろうか。
<au、iidaブランドの第2弾「misora」を6月27日発売>
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20395610,00.htm
この「misora」はau(KDDI)のデザインプロジェクトを吸収したiidaブランドの真骨頂といえるだろう。<理屈抜きに手にしっくりとなじむ、触っていて気持ちのいいデザインにこだわった>との同社デザインプロデューサーのコメント通りの仕上がりだ。気持ちの良さへのこだわりは、カラーリングにも現れている。white、pink、blackのカラーは水と空を表わすといい、時間によって表情を変える空とそれを映し出した水面を表現しているようだ。
機能的に特筆すべきはメールのさりげない機能だ。<待ち受け画面から直接文字入力ができる「すぐ文字」機能を搭載>だという。
コミュニケションツールである携帯の中核たる価値の一つであるメールの機能を、コミュニケーションが取りたい時、すぐに入力ができるという実体の要素を付け加える。さらに「手にしっくりなじむ」という「持ちやすさ」は付随機能として考えられる。
製品の価値構造はこのように「中核」「実体」「付随機能」に分解して考えるとわかりやすい。本体のauケータイはもはや、「中核」とは関係ない「付随機能」をひたすら高める方向で走っている。一方、「misora」の価値は「付随機能」をも超えた、「気持ちの良さ」という価値を提供することを目指している。
どちらを選択するかは、ユーザーの価値観の問題であるが、au(KDDI)はauケータイ本体で他のキャリアと機能競争をする一方、全く異なる価値観を持ち込んで「次の競争」に向けて加速を高めている。
他のキャリアが「次の競争」へと追随するかわからないが、徐々にユーザーの支持は高まっていくように感じられる。
「ケータイ疲れ」なユーザー動向・携帯電話業界はどう動く?
以前、上記の記事で、高度複雑化した機能を追いかけるのに疲れ、携帯にいつでも縛られているかのような息苦しさと、高価格化した端末の費用負担をユーザーが感じていることを紹介した。
「気持ちの良さ」にこだわった「misora」はシンプルな機能に徹し、価格も2万円台前半だという。ターゲットの女性という枠を超えて多くの支持者を獲得できるのではないかと筆者は考えている。
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