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2009.04.27

「ケータイ疲れ」なユーザー動向・携帯電話業界はどう動く?

4月21日に『KDDI(au)の新ブランド「iida」。その先鋭的な狙いとは?』という携帯電話に関する記事を書いたばかりだけれど、その後、いくつか気になる報道を見つけた。
今回は、それらの情報をつなぎ合わせてので、携帯電話ユーザーの動向について少し深掘りしてみたい。

■「過去最低」の携帯電話出荷台数の真の原因は?

<2008年度の携帯電話出荷台数が過去最低を記録――2010年度まで減少傾向>
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/cnet/20090423-OYT8T00686.htm

MM総研の調べによる2008年度通期の国内携帯電話出荷状況を次のように報じている。<2000年度の調査開始以来初めて4000万台を下回り、過去最低となった>。そして、2つの原因を挙げている<新端末の価格高騰やキャリアによる期間拘束型プランの浸透や消費低迷などによる買い替えサイクルの長期化><通信キャリアが大幅な在庫調整を実施し(中略)市場の端末を売り切るためにメーカーからの仕入れを抑えたため>

業界筋の分析としてはそうなるのだろうが、真の原因を捉えてはいないように思う。
前者の「買い替えサイクルの長期化」は確かにユーザー動向を表わしている。そして、わかりやすい原因としては「価格高騰」「期間拘束型プラン」「消費低迷」も間違っていないだろう。しかし、ユーザーのココロの中をもう少しのぞいてみたいところだ。
後者は在庫調整が必要になったのは、ユーザーの買い換えが鈍化したから。前者と原因は共通する。

■ユーザーは「ケータイ疲れ」していないか?

ユーザーと携帯電話の関係を表わす、おもしろいインターネット調査の結果が発表された。
<約半数が、家の中でも「携帯電話を持ち歩く」――ネプロジャパン調べ>
http://japan.internet.com/wmnews/20090424/10.html

記事のタイトル通り、もはや現代人にとって、携帯電話は切っても切れない関係になっていることが示されているが、反面、ネガティブな意見も目立つ。
<携帯電話が手元にないと不安になるかどうかを聞いたところ、「不安になる」という回答が6割近く(58%)を占める><携帯電話による悪影響については、「携帯電話に縛られるようになった(18%)」>など。
筆者はユーザーの「ケータイ疲れ」を見て取ったが、どうだろうか。

■飽きられはじめた先進技術?

携帯電話といえば、かつてはモデルチェンジが頻繁になされ、その度高機能化していくのが常だった。そして、多くのユーザーがそれを熱狂的に追いかけた。筆者もその一人だ。
先のMM総研の調べをもう一度見てみよう。メーカー別の出荷台数だ。
<AQUOSケータイのシャープが4年連続で1位となった。ただし、出荷台数は前年同期比35.3%減>、2位はVIERAケータイの<パナソニック モバイルコミュニケーションズで、出荷台数は同13.6%減>。
目玉の高画質ワンセグ携帯を抱えていてもシェアの低下に歯止めがかからない。その背景には、高機能を追求していくユーザーの減少が隠れているのではないだろうか。筆者も、昨年末、久々の機種変更をしたのだが、もはや新機能を追いかけはしなかった。

■「安けりゃいいじゃん!」「新しくなくてもいいじゃん!」

販売奨励金を使った0円携帯が市場から一次姿を消したが、姿を変えて2007年頃から「ほぼ0円」が復活しはじめた。不景気の影響でさらに買い換えの長期化が顕著になり始めた昨年末に、投げ売り状態の「実質0円」が活発化したという。
<投げ売り激化で「0円携帯」復活も 携帯業界に市場拡大の打開策はあるか>
http://diamond.jp/feature/mobile_dw/10002/

実質0円で提供されるのは、人気がなく、在庫化している型落ちの機種だ。しかし、かつてなくそれがよく売れているという。もちろん、販売方式の変更による端末価格の高騰に不景気が重なった影響は大きい。しかし、それ以上に、新機種や高機能を求めるキモチがユーザーから急速に消失していっているのも大きな原因ではないだろうか。

さらに、中古携帯活況だという。
<不況の影響? 「中古」携帯電話が広がる>
http://www.j-cast.com/2009/04/15039410.html

中古品の買取・販売会社の広報担当者は語る。<「昨年(08年)の10月に中古携帯電話を取扱い始めてから、販売も買取も、毎月数百台単位で増加していますよ」>。
<機器が故障してしまった人や、とにかく安く機種変更をしたい人、短い利用期間で機種変更したい人>が店を訪れるという。
かつては携帯は自分自身の分身のような存在で、どんな機種を持っているかが重要だった。ちょうど、自動車がステータスシンボルであった時代のように。その自動車はステータスシンボルとしての機能をすっかり失った。携帯以上に乗り換えサイクルは長期化している。
携帯に対するユーザーの関心の低下は、自動車のそれを後追いしたような感がある。

■今後の携帯業界を占う「iida」?

「LIFE > PHONE」というコピーが印象的なauの新ブランド「iida」。2001年から脈々と続いたauのデザインプロジェクトを引き継いだ意欲的な展開である。
「機能競争は終わった」と小野寺社長が語るが、同社も各社同様に高機能路線は継続している。つまり、デザインやライフスタイルを訴求する「iida」と既存路線は二枚看板なのだ。
ここまで見てきたユーザーの動向から考えると、高機能路線は苦戦が予想される。しかし、auには、デザインプロジェクトの支持層という手堅い票田があるはずだ。その層が反応してくれるかどうか。そして、「iida」の魅力が伝わって新たなユーザーが取り込めるか。今後の動向を占う上では極めて重要なポイントだといえるだろう。
「iida」はデザインプロジェクトを引き継ぐ、auにしかできない独自のニッチャー戦略である。もし成功すれば、他のキャリアは、高機能路線から転換して、「自社ならではの価値」をどのようにユーザーに訴求していくのかを血眼で模索することになるだろう。
一方、「iida」が不発に終わったら。同時に高機能路線も縮小傾向が顕著だったら。その時は、機能を絞り込み、とにかく安くといった携帯ばかりになるのかもしれない。

もはや、筆者は携帯に以前のような熱い思いは抱かなくなっているが、さりとて、全く無個性な携帯ばかりになってしまったら、それはそれで少し悲しい。今回、携帯業界のユーザー動向を考察してみて、まずは「iida」の成功を祈り、各社も何とか、ユーザーが反応するような独自の価値を見つけ出してもらいたいと思った。
やはり、このままではダメだ。ユーザーは疲れ、関心を失っている。


※関連記事:『KDDI(au)の新ブランド「iida」。その先鋭的な狙いとは?』

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