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January 13, 2009

「プリントする」という、「ソリューション(課題解決)」

「デジカメによってアナログ時代の写真アルバムの思い出が失われた」こんな一文をある記事で読んだ。

<プリクラ第一世代をターゲットに開発 スペックよりプリントの楽しさを訴える タカラトミー「プリンター一体型のデジタルカメラ」>
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090109/124074/?P=1

<撮ったらその場でプリントして写真を友達と交換し合い、コミュニケーションをとって遊ぶ>という、プリンタ内蔵のデジタルカメラ、「xiao(シャオ) TIP-521」の開発物語だ。「シャオ」の原点は女子校生を中心に国内で350万台を売り上げたという1998年発売・、ポラロイド社と共同開発した世界最小のポラロイドカメラ「xiao(シャオ)」である。
女子高生ならぬ筆者も実は1台持っていた。その場でプリクラ大のインスタント写真が撮影でき、透明シールを上から貼ると、プリクラのような仕上がりにもなったものだった。飲み会、旅行などではなかなか盛り上がるツールだった。

記事によれば「xiao(シャオ) TIP-521」の開発者は友人同士の旅行のシチュエーションをイメージしたという。<(友人同士で)「あとで写真を送るね」というんですが、実際は意外と送らない。プリントした写真を手紙で送るのは面倒だから。だったら、その場で出力してあげればいい>
確かにその通りだ。しかし、昨今、写真を「出力する」という機会は滅多にない。

さてここから、話題は「シャオ」から離れていく。
おいおい、いつものの「マーケティング的”話題の商品分析”」じゃないのか?と、思われた方、申し訳ない。

昨今の写真は撮影機材がデジタルカメラに置き換わったことによって、撮影数(ショット数)が爆発的に増えているのだが、プリント数が激減している。街の写真屋に出さないだけではない。家のプリンタで出力することもしない。パソコンの画面で見る。もしくは、デジタスカメラに使うメディアが大容量化していることから、そこに延々とため込んでいる。カメラの液晶画面も大型化しているので、溜め込んだ画像をそれで見るというような、カメラとアルバムが一体化しているような使い方をしている人もいるようだ。

「液晶画面で見る」ということに関しては悪いことではないだろう。デジタル化されて、バックライト付きの液晶で見るということは、「透過光」で画像を見ているということだ。
プリントしたものを見るということは、印画紙に焼き付けられた画像を光の反射で見ているということ。液晶のきれいさと、プリントのきれいさにもよるが、本来は透過光の方がきれいに見えるのだ。

しかし、問題は大容量化したストレージに収まっているデータの方だ。最近では切手の半分の大きさにも満たないマイクロSDカードですら、「テラバイト」という恐ろしい単位の容量にならんとしていると聞く。

「大容量のストレージの中でさまようデータ」。そんなキーワードは数年前から企業の情報システムの世界で課題になっている。企業内のほとんどの文書がデジタル化された。
マイクロソフトのオフィス系ソフトで作られた文書は、誰もが使えることから安易な複製や改編が行われ、爆発的に増加してく。「いらないデータは消しましょう」と情報システム部が声をからしても、ほとんど効果はない。ストレージが安価になったので、渋々、増設をする。さらにデータは増える。高度に発達しつつある検索技術によって、藁山の中から針を探すような取り組みもなされているが、それだけでは解決は困難だろう。

企業システムにおいてさえ、その状況だ。個人のパソコンの中や、何枚かのメディアに保存されているデータの中から、目的の一枚を探すことの何と難しいことか。
いや、できる人にはできるのだ。
パソコンに画像を整理するためのソフトを組み込み、きちんと管理している人も多い。
それは、企業内の情報システムも実は同じ。あるべきデータを、あるべきように、きちんと整理して保管すれば混乱は起こらない。検索技術に頼る必要もない。もしくは高度な技術を用いなくても、簡単に探すことができるはずなのだ。
だが、「ちゃんとできるユーザー」に対して、「できないユーザー」の方が多いのが現実だ。
ここに、意外な企業システムと、個人のデジカメデータの共通点が見える。

企業システムの課題を解決するソリューションの登場には、もう少しだけ時間がかかるかもしれない。
しかし、個人の写真管理は意外と簡単な解決策が既にあるように思えるのだ。

写真を撮る→「プリントする」というソリューションだ。
デジタルカメラで撮影した際、失敗写真は保存されずに消去されているだろう。もともと、筋がいい画像が残っているのだ。その中から、気に入ったモノを時々ピックアップしてプリントすれば、手元に保存していつでも見ることができる。
単純な1枚1枚の写真ではなく、アルバム形式に仕上げてくれるサービスが「フォトアルバム」などの名称で、フジカラーやカメラのキタムラなどで行われている。

しかし、何といっても気になるのは冒頭の「シャオ」の開発者の言葉、<「あとで写真を送るね」というんですが、実際は意外と送らない>という不義理な問題だ。今、この原稿を打っているパソコンのデスクトップにも、1つ送りそびれたデータファイルが張り付いていて、どうしたものかとずっと悩んでいる。
<だったら、その場で出力してあげればいい>という開発者の言葉は正鵠を得ている。
盛り上がるところに出かけるのであれば、はじめからカメラは「xiao(シャオ) TIP-521」にすればいいのではないだろうか。(話、戻ってきました)。
<デジカメがはやっていることによって、コミュニケーションによる思い出というのが薄くなっているんじゃないか>と開発者は考え、<写真を友達と交換し合い、コミュニケーションをとって遊ぶ>という「原点回帰」を目指さすという。

企業の情報システムにおける情報爆発の解決も、実際にはシステムだけでは解決しない。「あるべきデータをあるべき所に整理する」という人の手を加えなければ解決しない。
こちらも今後、ある部分は「原点回帰」が求められてくるのだ。

まずは、今年、「プリントする」という原点回帰をして、「写真の楽しさ」や「写真を介したコミュニケーション」などというものを復活させてはどうだろうか。

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