クラシエフーズ・オンナ心をつかむスポーツ関連商品・その2
アディダス編の続き。もう一つオンナ心をつかむスポーツ関連商品を発見した。
コンビニの店頭でソイジョイやカロリーメイトやら アミノ酸やらと一緒に並んで売られているその商品。「香り発散スポーツウォーター・アロマアクティブ」。水に溶く粉末タイプのスポーツドリンクである。
販売元は クラシエフーズ。そう、「オトコ、香る」のガムと一緒のメーカーだ。同様にバラ由来の香り成分を配合しているという。
この商品はまた、女性が「香りたいのはどんな時か」を上手に調べたニーズ、潜在ニーズを的確に捉えた商品だといえる。
日常では、お気に入りのフレグンランスがある。TPOに合わせて選べる。けど、スポーツの時は・・・。
軽いスポーツの時はまだしも、レグランスなんか確認できないほど汗をかく時がある。特に昨今はマラソンブーム。長距離のランニングには給水が欠かせない。実に大量の水分を摂取し、それだけ大量に汗をかく。
スポーツの汗は体表の大半に分布している汗腺であるエクリン腺から分泌され、体温調節の機能を担っている。腋の下にあるのがアポクリン腺である腋窩腺であり、ストレスなどによって分泌される。エクリン汗の成分はアポクリン汗に比べて薄いため、本来あまり臭いを発しない。
しかし、その量が多く、しかも走るうちに空気と一緒になって飛んで入るチリやホコリやいろんなモノが合わさって、次第に汗の体は匂いを発することになるという。マラソン大会では、レース後にシャワーを浴びる場所がない会場が多い。女性ランナーに聞いたが、会場の体育館や仮設テントの中で着替えはそりゃもう大変だそうだ。熱気さめやらぬムンムンの場内では、「しゅーしゅー」と制汗剤の濃い匂いが立ちこめ、むせるようだという。
天然の汗の方がマシなのでは?と思うが、そこはオンナ心。シャワーがない以上、そうするしかない・・・ハズだった。
「アロマアクティブ」を飲むと、香気成分の「ゲラニオールリナロール」が体からイイ匂いを発散させてくれるとの事。
では「アロマアクティブ」がどのようにターゲットのニーズに応えているか、アディダス同様に「3層モデル」で分析してみよう。スポーツ時に必要な「水分補給」というニーズにいかに応えるか。中核としては「水分を補える」とうそのものだ。ミネラルウォーターでもいい。実際、アスリートではない筆者は、運動の時にはマイボトルに入れた水を呑んでいる。しかし、激しい競技になればなるほど、水分がスムーズに体内に吸収されることが求められる。その吸収という要素を製品の「実体」として高めたのがスポーツ飲料だ。
さらに、「水分補給」という要素を実現するためにはなくても構わないが、あればその製品の魅力を高める要素となる「付随機能」として、「アロマアクティブ」は「イイ匂いを発散させる」というプラスαの機能を実現させたのである。
アディダスのウェアと同じく、アロマアクティブ」は基本機能をしっかりおさえている。L-カルニチンビタミンやナトリウムなど、スポーツドリンクに必要な成分はもちろん入っている。しかし、本来の機能はちゃんとあって当然だけれど、訴求しているのはそこではない。
スポーツ飲料も液体・粉末の別なく、もはや成熟期に達している。プロダクトライフサイクルが後半に達するに従って、競争のステージは「中核」→「実体」→「付随機能」へと移行していく。つまり、基本的な機能はあって当たり前な環境の中で、機能プラスαがどれだけターゲットのハートに「きゅん」とくるか否かが運命の分かれ道となるのである。そのためにはターゲットは誰か、そのニーズは何かを的確に捉えることが求められるのだ。
その点、スポーツ関連に参入するには超後発のクラシエフーズは、セグメンテーションとターゲティングを極めて巧みに行ったといえる。
「スポーツする・しない」という大括りなセグメンテーションではなく、「スポーツした後の自分(の臭い)を気にする・気にしない」というセグメントによって、「スポーツ好きだけど、人の反応がきになるわん!」というターゲットを見つけたのだ。
セグメンテーションは本来、「ニーズで括る」ものである。単純に性別や年代などの括りをしていたら、適確なターゲティングはできない。
やはり、マーケティングのキモはニーズの深掘りなのである。
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