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2008.11.19

混ぜるなキケン

洗剤の使用上の注意の話ではない。
これは、モノゴト全般の話。
物事を「混ぜこぜ」にして考えると、わかるものもわからなくなる。

こんな広告を見た。「○○のプロショップオープン・どんな相談も承ります」。その道のプロとは頼もしいものだ。
しかし、オープン告知の横にこんな文言が。
「新規従業員募集」。・・・新規は従業員プロなのだろうか。もしかすると、プロフェッショナルを募集しているのかもしれないが、ともかく、オープン告知と募集告知は「混ぜる」ことなく、別々に行った方が見る者に誤解を与えないであろうことは確実だ。

上司が部下を叱っている。「おまえは指示したことを忘れすぎだ。だいたい、話を聞くときメモも取っていない。その態度がいかん。そういう態度だから、得意先からの信頼も低くなって、ほかの部員より売り上げも低い成績になっているんだ。」
「指示を忘れる←メモを取っていない」という因果関係の指摘はいいだろう。しかし、「態度が悪い」「顧客の信頼」「売り上げの低迷」の関連付けは明らかに論理の飛躍がある。そうした無理な論理を混ぜこぜにして諭したら、本人の納得考えられない。「指示を忘れないためにメモを取れ」という論点に集約して話をすべきなのだ。


「混ざっている」状態にも様々なパターンがあるが、混ざった状態から「分解して考えること」の効用を次に示そう。

例えあなたが個人経営の小さなスーパーのオーナーだったとする。月末に締めた売り上げの数字を見て頭を抱えている。今月もまた、「売り上げが落ちている」と。
さて、このまま売り上げの数字を眺めていても、事態は打開できない。「売り上げ」というものを、適切に「分解」指定いく必要があるのだ。
原因を推測してみる。駅前にできた大手スーパーに客を取られた影響が大きいのだろうとすぐに思い至る。
では、売り上げを最もベーシックに分解すれば「売り上げ=客数×単価」である。競合に取られているのであれば、客数にまず、注目したい。確かに減っているかもしれない。客を取られているのだろう。
客単価はどうだろうか。ここも減っていたとしたら、大手スーパーの安売りの影響が出ているのかもしれない。
ここまでは、ごく普通の「分解」だ。もっと「売り上げ」を低下の原因追究と打開策がわかる切り口で分解しなくてはならない。「時間帯別」に売り上げを分解してみる。すると、大手が進出してくる前に比べて、通勤客の帰宅時間に当たる時間帯の売り上げが減っていることに気づく。駅前立地を活かした帰宅時の買い物需要にやられているのだ。だとすれば、いつものチラシにその時間帯の「タイムセール」を告知してはどうだろうと考えられるあろう。
「天気別」で分解してみる。実は、雨の日の来店客数が依然と同様堅調であることがわかったとする。「雨の日に駅前まで行きたくない」という近隣客の維持が自然とできていたことが推測できるだろう。だとすれば、より近隣客の雨の日需要の囲い混みを図るためには、「雨の日セール」もいいだろう。
まだまだ、切り口はたくさん考えられるが、このように「分解」することで、様々なことが見えてくるのだ。

分解せずに「混ぜて」考えられている例は、気にしてみれば日々、枚挙に暇がない。
「ターゲットは30代男性」。よく聞く話だ。しかし、「30代」はもっと分解しなければ、すべてか同じ購買行動をとるはずもない。30歳と39歳は同じか?地域差はないのか?収入は?心理特性は?などなど。いくらでも分解できる。

分解して考えることは、ある意味面倒だし時間もかかる。しかし、あえてそれをしなければ、わかるものもわからない。そのためには日々のトレーニングが必要なのだ。

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