スーパーホテル 顧客満足の秘密 「選択と集中」編
一泊4980円のロープライスホテル、「スーパーホテル」が最近メディアでしばしば取り上げられている。「コスト抑制のしくみ」と顧客の「安眠へのフォーカス」が成功のポイントと伝えられている。
しかし、同社の「高効率&顧客満足」の秘密は他にもまだまだあるのだ。
日経新聞10月14日夕刊。スーパーホテル会長 山本梁介氏が、インタビューシリーズの「人間発見」に登場していた。
残念ながら、ネットに掲出されていないので、ほぼ同様のインタビュー内容がまとめられている以下のダイヤモンド・オンラインの記事を参照されたい。
<チェックアウト不要で合理化満載の「1泊4980円ホテル」>
http://diamond.jp/series/entrepreneur/10045/ (1~3ページあり)
一つ目のポイントは4980円というプライシングだ。<ビジネスマンに絞り込んでニーズを突き詰めると、「出張宿泊予算は8000~1万円。夜の一杯を宿泊予算で賄うために、1泊5000円以内に抑えたい」>というターゲットニーズに応える価格設定は、「知覚価値価格設定(perceived value pricing)」をとっている。
<マーケティング・リサーチなどにより、「売れる価格帯」を発見し、原価がそれよりも高い場合には、コスト削減や製品仕様の見直しなどを行い、その価格帯に原価を近づける手法(グロービス経営用語辞典より)>である。
ターゲットニーズに間違いはないだろう。そして、そのニーズに応えつつ、顧客満足も両立する<コスト削減や製品仕様の見直し>をしたことが大きなポイントなのだ。
コスト削減は、大胆な機能の簡素化が第一に上げられる。
<ビジネスモデル特許を取得した自動チェックインシステム>によって、<チェックアウトの手続きは不要となり、人件費は3割削減>を実現した。他にも、精算の手間をなくすため、客室の電話や課金式冷蔵庫もなくした。
最近のインタビューで触れられていないが、顧客満足を高める目玉の一つである「無料朝食」も、実は機能の簡素化をしている。無料ということは、同じく精算のプロセスが削減できる。有料化して精算したり、内容に対するクレームに応えたりするよりは、無料の方がコストが安くつくのである。
もう一つの目玉である「天然温泉大浴場」も<客室での光熱・水使用量の抑制につながる>という狙いがあるという。
簡素化した分、集中したのが「眠りの質」だ。
顧客であるビジネスマンの多くは<ホテルでの滞在時間は約十時間で、この七、八割を睡眠が占め、お客さんはベッドにいるわけです>と山本会長は語っている。(10月14日日経夕刊)
そこでフォーカスしたのがベッドだ。
<ここ四、五年に出したホテルでは幅1.5メートル、長さ2メートルのサイズ。どんな大手のシティーホテルのベッドにも負けません>と日経のインタビューで会長は語っている。
「集中と選択」というキーワードは、言うは易く行うは難い言葉の典型だ。集中すべき絞り込みがうまく選択できない。そんな例は枚挙にいとまがない。
その点、同社にはブレがない。4980円というターゲットニーズとしてとらえ、そこに向けた大胆な簡素化をし、さらに満足度を高める、同社の提供価値の根本である「良質な眠りの提供」に対しては大胆な提供をする。
これが、目に見えるところでの、同社の「顧客満足の秘密」である。
(つづく)
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