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2008.08.14

蒼い朝顔に街の活性化の秘密を見る

いつも訪れる名古屋から少し足を伸ばし、高山に行った。高山は豊臣秀吉の命を受け、金森長近が三木氏討ち飛騨の領主になって、6代100余年を治めた地。金森姓としては縁深いのだが、なかなか訪れる機会がなかった。

特急「ひだ」がディーゼルエンジンをとどろかせ、山間の単線をひた走る。車窓からは飛騨川などの渓谷が目に美しい。名古屋から2時間と少しで高山駅に到着。

列車の中から気付いてはいたものの、駅前で改めて外国人観光客の多さに驚く。昨今の日本を訪れる外国人観光客の傾向通り、中国をはじめとしたアジア圏の人も多いということだったが、この日は北京オリンピック開催中という影響も多いのだろう。欧米人が過半を占めていたようだった。バックパックを背負った比較的若い人が多い。

欧米人が多いのはもう一つ理由がある。高山は2007年に初めて刊行されたミシュランの日本に関する観光ガイド「MICHELIN Voyager Pratique Japon」に「必ず訪れるべき場所」として、三つ星で紹介されたのだ。ユーロの強さも手伝ってか、独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)によれば、日本を訪れるフランス人は2004年から2006年の2年間で22 %増加しているという。旅行ガイドがフランス語で書かれているためか、やはり英語よりもフランス語が多く飛び交っているように思われる。旅行ガイドを片手に海外の街を歩く。「地球の歩き方」を片手に旅行している日本人のようで、ちょっと面白い。

とはいえ、他所の国で刊行された観光ガイドに地元が頼っているわけではなく、外国人観光客のブームに対応する街の取り組みも見事である。駅正面の観光案内所には各国語のパンフレットがぞろりと揃っている。パンフレットによっては距離の単位をキロだけでなく、マイル表記にするなどの細かい配慮もなされている。
現在、国を挙げた「ビジット・ジャパン・キャンペーン」が展開されている。しかし、かけ声だけではなく、こうした細かな配慮こそが重要なのだ。既存の観光資源があるだけでも、新たな「ハコモノ」を造るのでもなく、ソフト面の充実こそが求められるのだ。

そうした細かい配慮の一つとして、地元のすてきな取り組みを見つけた。
Heavenly_blue
高山市内を歩くと、古い街並みにもよく似合うきれいな蒼い朝顔を随所で目にする。なぜか、昼日中でも花がしおれていない。
地元の人に聞いてみると、「ヘブンリー・ブルー」という名の西洋朝顔だという。婦人会が中心となって、高山の街を訪れる人に、朝だけでなく昼間でも花を楽しんでもらおうと各家々に苗を配ったのが始まり。開花時間が長く、花芽が多くついてきれいに咲くこの品種を選んだという。今では市も協力し、小学校で栽培・観察し、各家庭に児童が持ち帰るのもこの品種だ。
古い街並みを流れる用水から打ち水をし、目に涼しげな蒼い朝顔で旅人を迎える。そんな細やかな心遣いこそが、単に観光資源を有しているというだけでなく、街を活性化させることにつながるのだろう。

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