「隙間時間」は「埋める」から「作る」へ
仕事の効率と生産性を向上させるコツである「ライフハック」においては、ちょっとした空き時間、いわゆる「隙間時間」の有効活用術は定番だ。しかし、ふと考えてみると、最近、「自分に時間の隙間はあるのだろうか」などと考えてしまう。いや、筆者だけのことではないと思う。世の人々、特にビジネスパーソン全般、そうなってはいないだろうか。
「隙間時間」の定義は様々あるものの、予定と予定の間にできたふとした時間を指すことが多い。さらに今回は、予定と予定を繋げるための移動時間などもそこに入れて考えたい。つまり、ぼうっと過ごしてしまえばそれまでだが、何か目的を持てば有効活用できる時間のことと定義すればいいだろう。
と、考えると、常に何か時間ができたらやろうということを決めておき、実行することが有効活用のポイントとなるわけで、資格取得や語学学習なでおにおいては成功の必須条件となっている。「隙間時間をいかに埋めるか」が課題なのだ。
前述の資格や語学などであれば、参考書やテキストを開くこととなるが、一般に隙間時間の定番といえば、情報収集ではないだろうか。そして、昨今、情報収集の定番といえばインターネットだろう。こんな記事もその一端ではないだろうか。
<超小型・軽量のモバイルノート、「できれば欲しい」と4割強が回答>
http://news.livedoor.com/article/detail/3719591/
筆者の所有しているASUS社のEeePCを追撃する、日本 HP や工人舎小型軽量のモバイルノート PCが話題になっている。記事にある、本来モバイル用でありながらいつも持ち歩かないユーザーは、軽量とはいいつつもB5サイズ1㎏強あるPCが文字通り重荷なのだろう。超小型・軽量化でようやく弾みが付きそうだ。マクドナルドやスターバックスでPCを使っている人がさらに増えるだろう。
ネットワークへの接続環境もさらに整備されてくる。
<新幹線無線LAN開通でビジネススタイルが変わる!>
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080708-00000002-dol-bus_all
<JR東海は、東海道新幹線最新車両「N700系」に於いて、平成21年3月を目処に、無線LAN接続の導入を開始すると発表した。>
現在は東京を出て、熱海あたりからか、トンネルが多くなって接続が安定しない。その区間を抜けるまで、約30分ぐらい軽くまどろむ時間があったが、その間もつなぎ放題となり情報収集タイムとなるのだろうか。
だが、ちょっと違う種類の気になる数字もある。
<PCからのネット利用時間、初めて減少 博報堂DY調査>
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/09/news058.html
<東京に住む人のPCからのネット利用時間が2004年の調査開始以来、初めて減少した。携帯電話からの利用時間は増えている>という。実際の数字は、まだまだPCの方が多いのだが、徐々に携帯にシフトしてきているとも言える。
PCと携帯の大きな違いは当然、その手軽さだ。PCが超小型化したとしても、「さて、使うぞ」という感じになるが携帯ならポケットから取り出してすぐ接続できる。今日、PCサイトも携帯での閲覧用に変換する技術が進んでいるので、かなりの部分が携帯で閲覧できる。
さて、こんな環境の中で、隙間時間は特にネットからの情報収集はいつでも・どこでもできるようになっており、PCか携帯の液晶画面をいつでもにらんでいる自分に気付かされる。
確かに日々のネタ収集にはこの上なくありがたい環境だが、これで良いのか?とも思う。
視覚を液晶画面に固定し、思考力をその情報処理だけに割り当てる隙間時間の使い方。どこか不自然な気がする。しかし、情報収集というインプットはある種の中毒症状を引き起こしがちだ。暑い時、水を飲み始めると止まらなくなるのに似ているかもしれない。
アルキメデスが「浴槽からあふれ出るお湯」を観察し、「浮力の法則」を発見したのは有名な話だ。入浴というある意味の、ふとした「思考の隙間」に視覚から「あふれ出るお湯」という新鮮な情報が入り、解放していた思考が起動し理論に結実したということだろう。
習慣的な情報収集行動で隙間時間を埋めていたら、そんな新鮮な発見と、自由な思考ができるだろうかと考える。恐らくは難しいだろう。
これからは、意図して「隙間時間」を作らないといけないのかもしれない。
ピーターパンの作者である、サー・ジェームス・マシュー・バリー(1860~1937)の言葉。『珠玉の時間を無為に過ごさないようにと注意を受けたことがあるだろうか。そうなのだが、無為に過ごすからこそ珠玉の時間となる時もある』。
世界の誰からも愛されるピーターパンも、バリーの「無為の時間」、つまり「隙間時間」から生まれたのではないだろうか。
「時間の隙間を埋める」のではなく、「珠玉の無為の時間」の過ごし方をこれからは考えてみたいと思う。
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Tracked on July 09, 2008 at 10:01 PM








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