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2008.07.17

ミスタードーナツ&モスバーガーの提携効果と今後を考える

ミスタードーナツとモスバーガーが初の連携商品を期間限定で発売した。今年2月20日に発表された資本と業務両面にわたる本格的な提携契約が、初めて消費者の目に見える形で現れたわけだ。

<[ミスタードーナツ]モスと初の連携商品、期限付きで発売へ>
http://news.livedoor.com/article/detail/3732731/
<両者の名称をとった「MOSDO!(モスド)」マークを作り、今後、販売促進に活用していく>

今回の提携内容は、2月20日にミスタードーナツの運営会社であるダスキンから発信されたニュースリリースを改めてみてみよう。
http://www.duskin.co.jp/ir/information/pdf/20080220.pdf

上記によると、提携内容は7項目にわたる。
(1)販売促進:両社の強みを活かした共通の販促手法の相互利用を検討する。
(2)オリジナル商品の共同開発:共通のオリジナル商品を共同開発する。
(3)品質管理:両社の衛生管理、品質管理システムノウハウの共有を図る。
(4)購買:共同購買することで、コスト削減を図る。
(5)物流:共同配送を促進することで、物流システムの効率化を図る。
(6)共同展開
-1両社の出店情報及びノウハウを活用し、共同出店を図る。
-2両社の加盟店による出店の促進を図る。
-3東南アジアを中心とした海外展開に関する戦略の共有と実行の連携を検討する。
(7)業態開発 :カフェ等の新業態を共同開発する。

今回の展開は<モスは2種類のトマトを使ったピリ辛ソースの「ホットチキンバーガー」(300円)を今月18日から8月25日まで限定発売。><ミスタードーナツは辛口のサルサソースと数種類のスパイスで味付けした「ホットチキンパイ」(210円)を今月23日から9月30日まで販売。ただ、鶏肉やソースなどの食材はそれぞれで仕入れていて、共通化はしていない>とのことなので、現状は「MOSDO!」マークを作るなどという、提携内容の(1)販売促進に留まっているということになる。


消費者としては、味や様々な好みによって選択を行うが、実体としてはファストフードの業界ではマクドナルドが紛う事なき「リーダー」のポジションにあり、「コストリーダーシップ戦略」をとっている。その強大なパワーによって、100円プレミアムコーヒーやパン類のカフェメニューでファストフードだけでなく、カフェなどの周辺業界まで浸食する積極攻勢をかけている。

企業の競争環境においては、そのポジションは4類型に分類できる。
「リーダー」に対して、差別化を武器に戦いを挑む「チャレンジャー」、独自の得意領域やファン層を武器にしぶとく生き残りをかける「ニッチャー」、いずれの特徴も出すことができない「フォロアー」。
ファストフードの業界を見渡すと、かつてはモスバーガーは「作りたて」「手作り感」という特徴や、オーガニックメニューなどでリーダーのマクドナルドに対し、「チャレンジャー」のポジションにいた。しかし、後発のフレッシュネスバーガーに同質化され、そのポジションが危うくなっている。
一方、ミスタードーナツはドーナツというカテゴリーで「ニッチャー」として独自の生存領域を確保しているものの、徐々に新進の外資系ドーナツ店に話題をさらわれがちなだ。
後発の追い上げによって、「チャレンジャー」や「ニッチャー」のポジションにとどまれなくなると、「フォロアー」というポジションになってしまう。しかし、ファストフードに限らず独自性が乏しいそのポジションは、なかなか生き残りが難しいのが現実なのである。
ミスタードーナツとモスバーガーの提携は本来のポジションを取り戻すためのものであるともいえるだろう。


そうした観点から改めて2月20日の提携内容を見直してみる。
(3)品質管理 、(4)購買 、(5)物流 、(6)共同展開の以上4項目は、両社が共同展開することによって効率化を図る狙いだが、その根本には規模を増して「規模の経済」を図ることがキモである。個別最適化ではなく、両社がより一体となることで効果を増すわけだ。

その他の3項目、(1)販売促進 (2)オリジナル商品の共同開発、 (7)業態開発は両社がノウハウを持ち寄って新たな差別化を図る点がポイントだ。単純に規模を増すだけでは、そもそも規模において優位であるコストリーダーには抗しきれない。チャレンジャーとしての差別化ポイントを創出するために「経験効果」を発揮するしかないのだ。両社が今まで培ってきたノウハウを結合し、簡単には模倣できない商品や販促手法、店舗オペレーションを実現することが必要なのだ。

今回の「MOSDO!」としての展開は、本格的な提携効果としてはまだまだ限定的なものでしかない。消費者の目に見えないところで、規模の経済を発揮すべき改善が行われているのかもしれないが、販売促進だけに留まらない、明確な差別化ポイントが今後、どんどんと発信されることを期待したい。

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