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2008.06.30

本日発売・伊藤園の「 お〜いお茶 お抹茶 」は救世主となりえるか?

何ともユニークなペットボトル緑茶飲料の発売が報じられた。「 お〜いお茶 お抹茶 」。
何でも<「抹茶入りキャップ」を採用。新鮮で豊かな旨みの抹茶を手作りで味わえる 飲用時に抹茶と天然水を混ぜ合わせて作る抹茶飲料>とのことだ。発売の狙いは何だろうか。


「 お〜いお茶 お抹茶 」は6月30日(月)、つまり本日より発売開始。
発売エリアは1都9県(東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木、茨城、群馬、山梨、長野、静岡)ということなので、まだテスト販売の段階と考えた方がいいが、エリア内の人はまずは、お店にGo!だ。
http://www.itoen.co.jp/news/2008/062607.html

その製品仕様はかなりユニークである。
<キャップを開栓すると、抹茶が内フタとともにペットボトル内の天然水に混ざり、溶け合います。再度キャップを閉めて、よく振っていただくと、鮮やかな緑色をした抹茶ができあがり、お飲みいただくことができます。>
キャップに抹茶が仕込まれており、ボトルの中身は天然水のまま。つまり無色透明のミネラルウォーターそのものの状態。「お〜いお茶」のラベルが貼ってあるとはいえ、緑茶飲料を買おうとして、何やら水しか入っていないように見えるボトルにに手を伸ばすのはちょっと抵抗感があるが、慣れてしまうのだろうか。

しかし、自分で振って混ぜて完成させるというのは、なかなか斬新であり楽しそうだ。煎茶・玉露なら、ちゃんと淹れてくれてないと、これまたちょっと抵抗感があるが、抹茶だと聞けば、混ぜ合わせていただくのもなんとなく納得してしまう気がする。


では、この製品が上市される意味とは何だろうか。
伊藤園は6月4日に2008年4月期の連結決算を発表している。1992年の上場以来、初の営業減益である(前期比16%減)。売上高は6%増の3280億円。主力の「お〜いお茶」も販売数量5%増であったが、急速に伸びてきた反動で緑茶市場が縮小した影響とのコメントであった。
この先は分からないが、目下、主力市場が縮んでいる。伊藤園には野菜飲料もあり、こちらでも熱い戦いを繰り広げている。コーヒー飲料はタリーズブランドを手中に収めてから、得意のコンビニルートで拡販中だ。しかし、緑茶飲料が最も重要であることは変わらないだろう。

縮む市場を前に、どう動くのか。一つは新たな顧客層を開拓して、パイを拡大すること。もう一つは、限られたパイをよそから奪うしかない。

新しい顧客層の開拓という意味では、「 お〜いお茶 お抹茶 」の「振って飲む飲料」という新規性が、あまり積極的に茶を飲まない層の開拓に効果を発揮できるだろう。
また、「開封して作る新鮮なお茶」という側面は、ペット容器に入ったまま売られている緑茶飲料に、「淹れたてでない茶は飲まない」という抵抗感を示す層に対してアピールできるだろう。キャップを開け閉めして水に抹茶を落とし、振って飲むという、一見、面倒そうなプロセスは一つの突破口となるかもしれない。

もう一つの、他社からパイを奪うという側面はどうだろう。希望小売価格は275mlで税込 198円。この値段は昨年秋から始まった、プレミアム緑茶飲料への参戦を意味している。

(参考:「緑茶飲料・秋の陣を占う」2007年10月18日 http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2007/10/post_7cea.html 

伊藤園プレミアムおーいお茶、キリンビバレッジ生茶玉露、日本コカ・コーラ綾鷹上煎茶の三つ巴で幕が開いたが、現在の所、目立っているのは「綾鷹」ぐらいではないだろうか。
事実、綾鷹はうまい。425ml・158円とちょっと両少なめ、値段高めなのだが全く気にならない、味わいの深みがある。

綾鷹の特徴は、何といっても「にごり」にある。「にごりの中に茶のうまみが含まれている」と言いきり(筆者としてはかなり納得してしまっている)、それを目に見える形で製品化している。
製品登場時のCMでは真田広之が舞妓さんに「振っておくれやす」と言われ、ペットボトルの振り方を指南される内容であった。キャッチコピーは「ボトルを振るとお茶が目覚める」だ。

こうして考えると、何やら「 お〜いお茶 お抹茶 」は「綾鷹キラー」とも思えてくる。
抹茶なら、当然透明ではなくにごるだろう。何やらうまみたっぷりな気配だ。
また、粉を水と混ぜるのだ。「振っておくれやす」どころではなく、かなり強烈に振らなければならないだろう。しかし、そうすることによって、自ら美味しいお茶が作れるというのはなかなか楽しい体験に違いない。


伊藤園の真の狙いがどこにあるのか、また、この製品をテスト販売後に、業績回復の起爆剤として期待しているのかも分からない。しかし、うまくすると、新たな顧客層開拓と、綾鷹ユーザーの取り込みで結構検討するのではないかと思う。
そのためには、今までなかった「振って飲む、新鮮でうまい抹茶飲料」という切り口と、「強烈に振る」という今までにない体感を訴求すべきではないかと思う。

元々は「お〜いお茶」派でありながら、最近、綾鷹に転んでいる筆者は密かに応援しているのだ。

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