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2008.06.23

「なーむくん」でも「せんとくん」には勝てない!

6月4日に以下の記事を記した。『「せんとくん」に勝てない?「まんとくん」の悲劇』
http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2008/06/post_ddfa.html

何とも評判の悪い平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター「せんとくん」への、”刺客”として誕生した「まんとくん」。
記事にて筆者は<「キャラがかぶる」という事態は「チャレンジャー」に取っては最悪なポジションである。>として、標題のように「まんとくん」は「せんとくん」の刺客たり得ないと評したのである。
はたして、ネットを中心としたそれ以後の反応はと言えば、やはり「きもかわいい”せんとくん”の勝ち」という意見が大勢のようだ。

確かに「せんとくん」の悪評は高いものの、次第に”慣れ”によって「きもかわいい」というポジションを確立しつつある。さらに、「まんとくん」は「キャラがかぶっている」という問題だけでなく、インパクトにも欠けているのだ。


そして、満を持して登場した第三の男、「なーむくん」。
<第3の遷都キャラ「なーむくん」登場 仏教界が「擁立」>
http://www.asahi.com/national/update/0620/OSK200806200100.html
・・・これまた、イタダケナイ・・・。

新たなキャラクターを作ったのは、<奈良市や周辺の19寺でつくる親睦(しんぼく)団体「南都二六会(なんとにろくかい)」>という団体。<十七条憲法を制定した太子にちなんで眉と目で「一七」を表現し、愛称は南無阿弥陀仏などからヒントを得た>という。

別の報道によれば、南都二六会は<記者が「せんとくんはライバルですか?」と質問すると、「ライバルではなく、せんとくんを超越した存在。一緒に並ぶこともないと思う」と突き放した返答だった。>とのことだ。


うーん、何だか超越できない気がする・・・。


最大の問題はやはり「まんとくん」同様、2つ。キャラがかぶることと、インパクトだ。
「インパクト」に関してはデザインクオリティーの問題もあり、「まんとくん」「なーむくん」とも、「せんとくん」とは費用のかけかたが何桁も違うので如何ともしがたいが、せめてキャラがかぶるという、「まんとくん」の轍を踏むことは回避できたのではないかと思う。

繰り返すが、「チャレンジャー」は「リーダー(もしくはチャンピオン)」と同じ土俵で戦ってはいけない。

しかし、「まんとくん」同様、「なーむくん」は幾重にもかぶっているのだ。


まず、ネーミング。
「~くん」。
・・・どう考えても前の2つのキャラクターとかぶる。
ネット上に「なんだ”おくとくん”(億とくん)じゃないのか」と多くの意見が記されているように、間に「まんと」がいるだけに、連続性を期待されてしまう。
かぶらないためには、絶対に「~くん」は避けたかったところだ。
イラストレーターのみうらじゅん氏が命名した、全国各地でPR活動に活躍する「ゆるいキャラクター」、略して「ゆるキャラ」は、概ね「~くん」と名付けられる場合が多い。だが、今回ばかりはそれを踏襲する必要はなかったのではないだろうか。


次にキャラクターのモチーフ。
今回は「聖徳太子」という実在の人物がモチーフであるが、「せんとくん」の「童子」、「まんとくん」の「鹿と朱雀門を合体させ擬人化」したのとと同じく、人の形をしている。
「ゆるキャラ」は着ぐるみとなる場合が多いので、やはり人の形をしていた方が便利かもしれない。しかし、各地の特産品をアピールするキャラクターは、その特産品を模して、かなり人が入るのには無理がある形状をしているものもある。今回はそんなガッツを見せてほしかったところだ。

・・・ちなみに、全国にはどんな「ゆるキャラ」がいるのかといえば、年1回、鳥取砂丘でゆるキャラたちが集まって運動会を開くという、これまた脱力ものの「キャラカップin鳥取砂丘」の画像を見るとよくわかる。
http://www.tottori-guide.jp/fileyurukyara02.htm


と、ここまで筆者もつられて「ゆるキャラ」前提で論を進めてしまったが、そもそも、キャラクターが「ゆるキャラ」である必要はないのだ。
彦根城400年のキャラクター「ひこにゃん」 http://hikonyan.hikone-150th.jp/ 以来、ご当地キャラと言えば、広い年代から愛されそうだという無難さから「ゆるキャラ」が一つのスタンダードになってしまった。
通常ならそれでいいだろうが、今回は”刺客”だったり”超越した存在”を目差すのであれば、もっとエッジを効かせても良かっただろう。


考えてみると、このあとも”刺客”が送り込まれるのかもしれないが、もはや「ピン」で戦うこともどうかと思える。
「せんとくん」「まんとくん」「なーむくん」の三人(?)を並べてみると、トリオ漫才でもやれそうだ。
1300年祭事業組合は<「まんとくん同様、新しい友達が増えたという印象」>という余裕のコメントを発している。明らかに取り込まれている。
確かに、「なーむくん」は聖徳太子のキャラクターであり、眉毛とまぶたが「十七」の文字になっており、聖徳太子が制定した「十七条の憲法」を表している。十七条の憲法は第一条に「一に曰く、和を以て貴しとし」とあるので、みんなで仲良くするのは得意そうなのだけれど・・・。


ともあれ、新キャラクターを出すのであれば、最初から「セット売り」にしてはどうだろうか。少なくとも3~4体がまとまっていれば、取り込みにくいだろうから。


さて、「ではこれでどうだ!」と、代替のキャラクター案を描いてみせる度胸は筆者にはないが、ここまで記した条件をまとめてみよう。
・脱ゆるキャラ
・人の形にこだわらない
・セット売り
・ネーミングも「~くん」的なゆるいものではなくする。


例えば、人の形にこだわらないのであれば、「まんとくん」の頭に載っている平城京のシンボルである「朱雀門」の「朱雀」なんてどうだろう。描き方によっては結構カッコよくなりそうだ。「白虎」「青龍」「玄武」とのセット売りも可能だ。
・・・と、しかし、よく考えたら「朱雀」「白虎」「青龍」「玄武」の「四神」に護られているのは「平安京」の方だった。


うーん、ここまで書いてきて結論がいささか情けないが、キャラクター作りは「言うは易く行うは難し」なのであった。
だが、今後も1300年祭のさらなる”刺客キャラ”を作るのであれば、何度も言うようだが、くれぐれも「同じ土俵で戦わないこと」をオススメしたい。


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