« アフリカの「プレイポンプ」に学ぶ仕事の変革 | Main | “現場に効く”マーケティングの基本理論・第8回 »

2008.06.25

ファンと拓く新たな1ページ・カップヌードル:定番のヒミツ第9回

日本実業出版社の季刊誌「ザッツ営業」好評発売中です。

ザッツ営業 http://www.njh.co.jp/that/that.html

同誌に連載中のコラム「定番のヒミツ」第9回が掲載されています。


今回は、定番商品中の定番商品ともいうべき、「日清のカップヌードル」を取り上げてみました。

季刊誌故、だいぶ前に入稿した原稿なので、こんな事態は予測もできなかったのですが、結果として、少々タイミングの悪い感じになってしまいました。
過日、当Blogにて記したように、原材料の値上げによって、やむなく値上げに踏み切ったカップヌードルは、前月比-52%という売り上げになってしまいました。

カップヌードル・「苦渋の値上げ」で「売り上げ半減」の衝撃
この数字はユーザーに「NO!」を突きつけられたともいえるでしょう。

記事は複数のニュースサイトにピックアップしていただきましたが、「論者としての解決案が提示されていない」とのコメントもいただきました。
Pricingは非常にデリケートな問題で、「ではこうすれば解決する」と簡単に論じられる問題ではないと思うのですが、この「定番のヒミツ」で紹介した新商品などは一つの解決策になるのではと思います。
つまり、「値段が安いから買う」ではなく、「愛着があるからかう」というパーセプション・チェンジです。
「ユーザー共創型商品」は愛着を持ちやすい商品ですので、なるべく数多く、このような商品を作っていくことが売り上げ回復の一手になるのではないでしょうか。


では以下、記事転載。

--------------------------------


世の中には常に売れ続ける「定番」と呼ばれるものがある。なぜ定番は売れ続けることができるのか。
当連載はその謎をマーケティングのセオリーから考察する。


「ファンと拓く新たな1ページ・カップヌードル」


 連載のタイトルどおり、定番商品には各々、「売れ続ける秘密」があり、それを支える人々のたゆまぬ努力が存在する。定番たるべく長所は頑なに守り、時流や市場のニーズに合わせて改良を重ねていくことが一つの成功法則である。しかし、昨今そのあり方が少し変わってきているようだ。

 日本が世界に誇る定番商品といえば、「日清のカップヌードル」を挙げる人も多いだろう。日清食品の創始者の発案と開発者の苦労が結実し、1971年9月18日に発売された。その開発物語は様々なメディアや書籍で紹介されているのでご存知の読者も多いだろう。カップヌードルは、今日では日本だけでなく、世界80カ国以上で愛され続け、より人々の好みに応えるべく、様々な味のバリエーションを生み出している。

 そんなカップヌードルに新展開の兆しが見えている。新たな味の開発にコアなファンが関わり始めたのだ。「シーフードヌードルを温めた牛乳で作ると美味しい」。そんな噂を商品開発担当者が耳にしたのは約10年前。インターネットの普及とともに、その話題はさらに広まり、ついに新製品開発のアイディアとして取り上げられたのだった。1年半にわたる開発の試行錯誤を経て、2007年11月に「ミルクシーフードヌードル」として発売された。この原稿を執筆している時点は、次なる「カップヌードル・ミルクカレー」の発売直前だ。ミルクシーフード同様、インターネットで「カレーヌードルをホットミルクで作るとうまい」という噂が開発のきっかけとなった商品だという。だが、まだまだネットの世界には、シーフードヌードルをトマトジュースで作るというような猛者もいるのだ。今後の商品開発はどうなっていくのだろう。

 商品の基本コンセプトには、創始者の天才的なひらめきと、商品化にこぎつけるために開発者が様々に詰め込んだアイディアが凝縮している。その上に、これからはファンが開発者と共に新たな商品を開発していくことになるのだろう。売れ続け、人々に愛され、さらに売れ続け、そしてファンが新たな魅力を発見して広めていく。企業と生活者の関係をインターネットが変え、定番のヒミツにも新たな成功法則ができつつあるのかもしれない。

|

« アフリカの「プレイポンプ」に学ぶ仕事の変革 | Main | “現場に効く”マーケティングの基本理論・第8回 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ファンと拓く新たな1ページ・カップヌードル:定番のヒミツ第9回:

« アフリカの「プレイポンプ」に学ぶ仕事の変革 | Main | “現場に効く”マーケティングの基本理論・第8回 »