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2008.04.15

「その了簡になれ!」落語家の学びと顧客視点

「顧客の立場で、顧客の目線でものごとを考えよう」という「顧客視点」を日々、力説するものの、では「それは具体的にどうやればいいのか?」の例示は意外と難しい。しかし、一つの逸話を見かけたのでご紹介したい。

読まれた方も多いかと思うが、日経新聞4月13日の「春秋」。
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20080412AS1K1100612042008.html
1週間で上記リンクは消失するので、以下にその要約を記す。


落語家の柳家小三治さんと師匠である故五代目柳家小さんの話。師匠の十八番、「気の長短」という噺を聞いてもらったところ、「面白くねぇな」と評された。
「気の長短」は度外れて気の長い男と短い男の掛け合いで笑わせる滑稽(こっけい)噺。師の教えはただ「その了簡になれ!」だった。

注目したいのはこの後の、「了簡になる」とは、どういうことかということ。
ちなみに「了簡(りょうけん)」とは「考えをめぐらすこと。思案。所存。(広辞苑)」

ある日、師匠の高座をそでから見て気づく。師匠は自ら気の長い男の話をしながら、足の指がピクピクしていたという。客から絶対に見えない足の指まで、間の抜けた話しっぷりにイライラしてくる短気な男の了簡になっているのだと。


春秋はこの後、新入社員に向けて、入社以来2週間あまりで色々あっただろうが、<周りに目を凝らせば、ヒントがきっとみつかる。>と優しく語りかけて結んでいる。
いいまとめだが、これを新入社員だけに理解させるのではもったいない。


「その了簡になれ!」は顧客視点そのものだ。そしてマーケターや接遇を教える講師などが、懸命に伝えようとしているものでもある。
相手の立場に立ってものごとを考えよう。相手の望むことを的確に捉えようと、言葉にすることは簡単だ。しかし、本当に「その了簡」になれていたのか、思い起こせば忸怩たるものがある。

人の気持ちを読めなくては落語家はつとまらないであろうが、さすがである。「その了簡になれ!」。しっかりと胸に刻みたい。


ついでに、顧客対応の極意を伝える落語家の例として、過去に書いた記事であるが、桂文珍さんの話を紹介する。

大阪で980円カメラのワゴンセールをしていた。
そこはさすがに客の心が良くわかる大阪の商人がすることで、東京だったら『激安!!』と書くところを、ズバリ一言。

『写る』。

980円が安いのは当たり前で見てわかる。
「おっ、カメラ980円か。やっすいなぁ。でも”ちゃんと写るんやろか?”」という客の不安を先回りして取り除くことが大切。

 

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