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2008.03.24

シャーボ 顧客最適化戦略の30年:定番のヒミツ第8回

日本実業出版社の季刊誌「ザッツ営業」好評発売中です。

ザッツ営業 http://www.njh.co.jp/that/that.html

同誌に連載中のコラム「定番のヒミツ」第8回が掲載されています。

前回は花王のメリットシャンプーで編集部のリクエスト通り、コモデティー品を取り上げてみましたが、
また、文具にしてしまいました。担当さん、スミマセン。だって、金森は文具オタクなんですもん・・・。

以下、転載。

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世の中には常に売れ続ける「定番」と呼ばれるものがある。なぜ定番は売れ続けることができるのか。
当連載はその謎をマーケティングのセオリーから考察する。


「シャーボ 顧客最適化戦略の30年」

 「右へまわすとシャープペンシル、左へまわすとボールペン」。ゼブラ株式会社のシャーボ。1977年に放映された「1本で2本分!」というコマーシャルを記憶している人もいるだろう。その後、4ヶ月で80万本の販売を記録し、以来、多くの人々に愛用されて発売30年を迎えた。もはや日本人にとっての筆記具の定番ともいうべきポジションを獲得している。

 1984年に刊行された日本文化論の名著、李御寧の ”「縮み」志向の日本人”では、俳句、石庭、扇子など、ざまざまな物の中に、日本人の「縮小」という美意識を見いだし、それがLSIや電卓を生み出していったと看破ている。
 「縮み文化」の傑作としてウォークマンがよく引き合いに出されるが、シャーボも負けてはいない。
 同著において「縮み」は六類型で示されているが、一つに「折詰弁当型」がある。古来用いられている弁当箱は、持ち歩きの利便性だけでなく、何を詰めてあるのかという工夫を楽しむ物であると李御寧は解釈した。「1本で2本分」で便利だからだけではない。工夫して2種類の筆記具が詰め込まれているという日本人好みな感覚も愛され続けている理由なのだろう。

 しかし、日本人好みという理由だけで物が売れるのであれば苦労はしない。その秘密は何なのか。ダイレクトマーケティングの創始者・レスター・ワンダーマンは語る。「顧客とのリレーションシップは幻想に過ぎない。例えば歯ブラシを通じて顧客は企業と”つながり”を意識するのか。否である。大切なのは、顧客に”自分にピッタリだ!”と思ってもらえる、適切性、”relevant”である。”relationship”ではない」。
 シャーボは数多くの製品インナップを展開し、顧客に幅広い選択肢を提供している。そして30周年を迎え、筐体と中に入っているシャープペン、ボールペンを数多い選択肢から顧客自らが組み合わせられるモデル、「シャーボX」を発売した。さらに顧客最適化戦略とも言うべき挑戦を続けているのである。
 顧客の志向やニーズは多様化している。しかし、それをくみとり「自分にピッタリだ!」と思ってもらえるか否かが、定番となれる分水嶺の一つなのだろう。


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