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2008.01.25

オープンマインドがブランドを作る:二つの港町の物語

隣り合った二つの港町。一方は「ブランド魚」を水揚げし隆盛を誇る。もう一方は衰退。同じ海に面し、同じ魚が取れるにも関わらずだ。その両者を分けるのは何だったのか。

二つの街の漁師たちは、不思議なことに随分と気質が違ったという。二つの街、仮に一方を甲、もう一方を乙としよう。

甲は何事にもオープンで、「今日はこれぐらい魚が捕れました!」と毎日発表し、大漁の日には人を招き、宴を開いた。
乙の漁師たちは内に籠もる性格だった。どれくらい魚が捕れたかを発表することはない。むしろ大漁の時こそ、その数を過小に申し立てた。過小申告すれば、税金が抑制できるからだ。その甲斐あって、乙の漁師たちは豊かになった。テレビや家電が揃い、いい車にも乗っていた。

だが、次第に甲の港の名声が高まり、魚も珍重されるようになり、高く売れるようになっていった。いわゆる「ブランド魚」となったのだ。そして誰も乙の港の魚には見向きもしなくなった。同じ魚なのに、実に三倍の値段の差がつくようになってしまったのだ。

両者の決定的な違いは「オープンさ」だ。甲がどれだけ魚が捕れたかを発表したことによって世間の人々から、「甲は随分とたくさん魚が捕れるらしい」と喧伝されるようになった。大漁の成果を祝い、周りの人々にも利益配分をすることによって、更に「甲の港はすばらしく景気がいい」と評判が加速された。乙は自らの利益のために漁獲高を隠蔽し、過小申告し続けた。その結果、一時的には利益が高まったが、「甲は賑わっているのに、乙はダメらしい」と人々から評されることになってしまったのだ。

あえて街の名前を甲・乙として伏せたが、この話は寓話ではない。日本海に面した二つの港町にまつわる実話だ。とかく物事を隠蔽する風潮のある昨今、この話から学ぶべき所は多いのではないだろうか。オープンマインドによって、世間の人々から評価され、それが自らのブランドを高めていく。それは魚や漁業の話だけではないのは明らかである。

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