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2008.01.29

それホント?の感覚とロジックチェック

JR東日本の社内中吊り広告で気になる調査データを発見。「毎日朝食を食べる子供ほど、ペーパーテストの成績が高い傾向」というもの。何となく違和感を覚えた。
電車の中で一瞬見ただけで細かい点を忘れてしまったのでWEBで検索すると、大本の調査結果が出てきた。http://www.hayanehayaoki.com/database/tairyoku.html

子供の生活習慣の悪化を食い止めようと、一昨年「早寝早起き朝ごはん運動」を開始。活動推進母体として全国協議会が設立され、各地で啓発活動を行っているという。調査もその一環のようだ。
活動主旨を見ればとても賛同できるのだが、しかし、件の調査はどうもいただけない気がする。

確かにグラフを見れば朝食を「必ず摂る」「たいてい摂る」「摂らないことが多い」「全く、またはほとんど摂らない」という回答毎に、各科目のテストの成績が大きく異なり、有為な因果関係があるように見えてしまう。しかし、当たり前だが朝食を摂ればテストの成績がよくなるわけではない。「勉強時間に差異がないが、朝食摂取の有無で得点に開きが認められた」などの事実があるのであれば、まだわかるが、そんなデータは示されていない。

因果関係が合致しないのに断定的な結果を提示する。これは「バイアス」というものだ。結果ありきでそれを補強する事実を集める「確証バイアス」。

同協議会の主旨である「早寝早起き朝ごはん」に代表されるような、規則正しい生活を送れば学習意欲も向上し、計画的な学習を行うようになり、成績も向上するということを言いたいのだろう。しかし、それを述べるためにデータを後付けしたような調査結果はどうもいただけない。せっかくの立派な活動主旨が台無しになってしまうのではないだろうか。


しかし、こうした因果関係が明確でないものでもそれらしく語られることは世の中で数多い。
例えば、「インフルエンザの予防接種を受けている人は風邪をひきにくい」ということを語る人がいた。当然、インフルエンザのワクチンは普通の風邪に効果はない。にもかかわらず、差異があるとしたら、予防接種を受ける人は健康意識が高く、うがい、手洗い、マスク着用などを行っているから風邪の罹患率が低いという結果だろう。

まことしやかに語られていることを、「それホント?」と感じる直感と、冷静なロジックチェック。情報が氾濫する世の中で、ますます必要になっていくのだろうと考えさせられた。

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