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2007.12.04

因果関係を見抜け!根本原因を突き止めろ!

某ニュースで不思議な発表を発見。しかし、こうした勘違いは実際のビジネスでも散見される。ビジネスパーソンはどのような視点を持つべきなのか。


インターネットのニュースで<エコノミー症候群 女性客に集中発生>というタイトルをみた。このタイトルだけ読むと、「女性は発症の危険性が高いのか!」と勘違いしてしまいそうだが、記事をきちんと読むとそうではない。
「女性患者にはトイレに行きたくないから水分を取らなかったという人が多い。水を飲まないのはよくない。」という医師のコメントが記載されていた。


エコノミー症候群→女性に発症が集中、という勘違い。
エコノミー症候群→[血液濃度の上昇によりうっ血性心不全や肺血栓塞栓症を発症する→水分の摂取と体を動かすことが対策として必要→女性は飛行機内でトイレに行きたくないと考える→結果として水分を取らなくなる→トイレに行くために体を動かすこともしなくなる]→女性に発症が集中、が正解だ。
つまり短絡的に考えると[ ]内をすっ飛ばしてしまい、根本原因を見誤るのである。
因果関係を明確にすれば、エコノミー症候群→水分摂取をしない・体を動かさない人に集中発生という従来から知られた結果となり、今回の報道は女性に集中発生のメカニズムを実証したことに価値があるのだと理解できる。

こうした過ちはビジネスの世界でも散見される。
マネージャーが呈する自部門における問題点。代表的な意見に「業務ミスがなくならない」というものがある。
「業務ミス」は問題ではあるが、それは「現象」であり、「根本原因」ではない。
先の例における「女性に集中発生」のようなものだ。そこに至る因果関係が重要なのだ。

業務ミスの原因は何か。ちょっと考えれば、業務知識が足りないのか、モチベーションの低下により集中力を欠いた状態なのかが推察できる。
問題は知識か意識か、もしくは複合的なのか。
根本原因を追及しなければ対処方法はわからず、「業務ミスが多いという問題が発生している」→「ミスを削減するため全員慎重に業務を遂行するように」という解決に至らない指示を出すことになってしまう。

数学者のジェフリー・S・ローゼンタールもベストセラーの著書、「運は数学にまかせなさい」(早川書房)で因果関係の重要性をおもしろい例で示している。
<現代では喫煙によって肺癌になる危険性が大幅に高まるというのが定説だけれど、かつてはこの関係が議論の的になっていた。ところで、タバコのせいで喫煙者の指にうっすらと(無害な)黄色い染みができることがあるのも事実だ。(喫煙にあまり詳しくない研究者がいたとして)本当は指の肺癌も黄色い染みも喫煙が原因だけれど、それを知らなければ勘違いして”黄色い染みが肺癌を引き起こす”と結論する可能性がある>。
もちろん、ローゼンタール自身、誇張した例だとしているが、先のエコノミー症候群の例のように、よく考えれば、またはきちんとした情報解釈をすればわかる因果関係を取り違えている例である。


問題解決能力は全てのビジネスパーソン、とりわけマネージャーのスキルとして求められるものである。その根本には原因追及と、因果関係の解明能力が欠かせないことを忘れないようにしたい。


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Comments

ブログ記事ならまだしも新聞記事の見出しで詐欺に近い標題は最近顕著になってきました。誤字脱字も横行している荒れようです。検査部門がなくなったのでしょうか。
 
ところで、「エコノミー・・・」の件は、最近の記事の標題としては、あんな感じで使われることが多い傾向のようですね。日本語に大切な修飾語の脱落であって、プレゼンの記事のとき、指摘のあったフレームに気を使い過ぎると肝心な意味が分からなくなるというものに非常に似ている気がしました。
 
さて、業務ミスに関しては、最近の不祥事の会見場でも使われることが多いですが、公の場で、苦し紛れで使っているだけで実際には、きちんとした理路整然とした対策がなされるとしても外部には言えないことがあって、実際の対策とか方法を明かせない事情もあるのではと感じています。例えば、購入部品の不良が多発して物品を提出して不良解析報告書の提出を求めるとき、答はあいまいなこともあります。しかし、次ロット以降に納品される部品を観ると明らかに改善されているということも、しばしばだからです。自社製品自体に問題がある場合でも実際に同じ行動を上司から求められ報告書の書き直しの命令を受けた経験もあります。広告業界では、その経験においては、なかなかないことだとは思いますが、いろんな意味で、人あるいは会社としての立場や対応策が見えないときの一時凌ぎとしての言動には苦慮するものです。
 
最後の「喫煙と肺癌の関係」についても、最近の薬害問題の報道を観ていると、実際の問題は別にあるのかと思う節もあります。喫煙者より、周辺の人の方が肺癌になる確率が高く、副流煙による影響だとも言われていますが、実際には、薬、あるいは、食品添加物と煙草の成分が化学反応することが、きっかけとなって体内の組織を激しく溶かすのが初期癌で、ある一定の限界を超えると自然治癒能力が追いつかなくなるのが真実と言うこともあり得る話だからです。
 
要は、公開できるかできないかは別問題として、業務の内部処理としては、地道にコツコツと調査をして、それを元に、過去のデータを参考に決めるしかないんだと感じています。でも、その過去のデータが、前述の理由で、ガセの場合が多いのが巨悪ではないかと感じている今日この頃です。かと言って、正直なデータや資料を残しておくと、マル秘資料を取引先等を含めた社外に流してしまう心ない社員の存在もあって苦汁を飲んだ経験もあるので複雑な心境です。

Posted by: たぁ坊 | 2007.12.04 12:03 PM

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