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2007.12.13

ASIMO(アシモ)と失われていく所作

百貨店の売り場を商品を見ながらゆっくり歩く。
年末だが、平日の日中なので店内はすいている。
何人もの店員が各コーナーに待機し、時折「いらっしゃいませ」の声がかけられる。
だが、ふとしたことでひどく違和感を覚えた。
店員と目が合うと、なぜかその多くが、すっと視線を外すのだ。


辞書をひもとけば、目礼とは 「目つきで会釈すること」(広辞苑第五版)とある。
教えられたのは親からか学校か記憶は定かではないのだが、多くの人がごく普通に行っていることだ。と、思っていた。
客に対し目礼することは、店員が客の存在を認識し、何かあれば声をかけてくださいという無言のメッセージになる。客も目礼を返すことで必要あれば声をかけるという、暗黙の約束ができあがるわけだ。
無論、目礼を欠いたからといって、その店員に声をかけても答えないということではなく、ごく普通に応対をしてくれるだろう。しかし、こちらから声をかける前に、声をかけられる用意ができているという、サインを受け取っているといないのでは随分と気軽さが違うように思える。
店員の非礼を責めているわけではない。事実、店員にこちらから声をかければ実に丁寧に応対をしてくれた。その百貨店の教育がどうなっているのかはわからないが、店員には目礼という習慣、もしくは認識がないのではないかと思える。

客と店員の関係だけではなく、町中で袖すり合う他人同士でも、何んらかのきっかけで目礼を交わしあうこともある。
歩行中に進路が交差するようなとき、一方が道を譲り、互いに目礼を交わす。取り立てて「どうぞ」「ありがとう」と口に出さずとも、目礼だけできちんとコミュニケーションがとれているのだ。
そういえば、昨今路上や街のそこここで見ず知らずの人同士が諍いを起こし、傷害事件に発展するようなことまでが起きている。
もしかすると、目礼という所作が現代において失われてきたこともその一因かもしれない。


ホンダの人型ロボット「ASIMO」がまた進化したと11日発表された。互いの状況を把握し合うネットワークシステムによって、複数のASIMOが自立的に協調しあい、共同作業ができるようになったという。また、正面から人が来ると、一歩下がって道を譲ったり、迂回路を選択するなどの人工知能化技術も追加された。

互いの状況を把握し合い、人を認識して道を譲る。ふと考えれば、人間が忘れ去ろうとしている所作をロボットが身につけている。
ロボットは人の写し身であるが、その創造主たる人間より礼儀正しくなっているのは何とも皮肉な話だ。
ロボットに感情が備わるのはまだまだSFの世界のことかもしれないが、昨今の技術の進歩を見るとそんなに遠いことではないようにも思える。
その日がきたとき、ロボットから笑われないことを祈りたい。


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Comments

ロボットも進化してきましたね。それが良いか悪いかは別の話です。
あまり進化するといろんな問題があるからです。
 
実際には、映画の如く、作為的に、あまり進化しないようにしている部分もあると
自分では感じています。そう言う意味ではロボットはプログラムの想定範囲内で
動いてくれないとダメな訳で礼儀正しくないと困る訳です。そうでないとすれば、
暴走していることになり、何を仕出かすか全く未知数になってしまいます。
まだまだ、ぎこちない動きで安心している気持ちが正直あります。
 
ところで、店員の話は難しい話ですね。あまり目を合わせ過ぎても、従来のように
微笑んでも、現代のような喧騒で心の通じ合っていない社会では、それによって、
特に女性の店員さんでルックスの良い方は、場合によっては、それによって気が
あると勘違いされてストーカーに直結する事件もあるので、特に異性に対しては
目が合った途端に視線を外す人も多いのだと思います。店員の人でなくても、
自然に同じように相手によって目線を合わしたり、ほほ笑んだりしているものです。
それだけに、目を合わせると、逆に悪い意志も伝わるので、特に、高級感を装う
客商売には難しい側面があるのではないでしょうか。

Posted by: たぁ坊 | 2007.12.13 09:58 AM

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