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2007.12.26

花王『メリット』 売れ続けるとは、変わり続けることでもある:定番のヒミツ第7回

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ザッツ営業 http://www.njh.co.jp/that/that.html

同誌に連載中のコラム「定番のヒミツ」第7回が掲載されています。

これまで、「BMW」「銀座伊東屋」「L.L.Bean」「万年筆・モンブラン」「江戸和竿」といった内容で執筆してきましたが、一気にコモデティー品です。
こうして書いてみると、コモデティー品の生き残りがいかに大変かがわかりますね。

以下、転載。

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花王『メリット』 売れ続けるとは、変わり続けることでもある

 今回はこれまで取り上げてきた「逸品」的な定番ではなく、身近な商品に目を向けてみたい。日常何気なく使っている物にも、定番は存在する。いや、定番というより「ロングセラー商品」と表現する方が適当だろう。
日用品というカテゴリーは常に数多の商品が上市され激しい競争を繰り返し、POSの販売データ一つで売れ筋・死に筋が判断され多くが消えていく。そんな多産多死の世界でもしっかりと生き残りっている商品も存在する。ひとつの例として、花王の「メリットシャンプー」を見てみよう。

 メリットシャンプーが登場したのは1970年のこと。コマーシャルは女優の田中裕子が「フケ・かゆみを防ぐ」という効能を若い女性に向けてアピールしていた。現在ではイメージキャラクターとして、仲村トオル・鷲尾いさ子夫妻が男女の子役と共に登場し、「家族全員が健やかな髪と地肌で過ごせる」ということを訴えている。
メリットシャンプーの変化は、生き残るための大きな賭けが奏功した結果である。「製品コンセプト」で重要なのは、「誰に」「どんな効用」を約束するという点にある。発売当初、身だしなみの観点からもフケ・かゆみを何とかしたい若い女性をターゲットに、新開発成分を武器にその問題をすっきり解決するというわかりやすいポジショニングで大成功した。

 それから四半世紀以上が経った今日、シャンプーに何か特別な成分が配合された商品は珍しくなく、何よりフケ・かゆみに悩む若い女性はほとんどいない。まして、若い女性向けシャンプーは最新の成分を配合し、華やかな広告で訴求する新しい商品が目白押しだ。

 そんな中でメリットシャンプーは、長い年月、市場で培われたネームバリューを「安心感」と置き換え、フケ・かゆみをおさえるという効能に、さらに地肌と髪の潤いを保つという効果を加えて「家族全員のためのシャンプー」というポジショニングに変化を遂げたのだ。

 生き残ってロングセラーを記録し定番化している商品は、単なる幸運に恵まれているわけではない。まして、安寧としたポジションが用意されているわけでもない。生き残るための、弛まない「変化」を繰り返し、自らポジショニングを創り出しているのに他ならないのである。

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