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2007.12.28

2008年のキーワードは「共」

今年の漢字は「偽」という誠に悲しい文字となってしまった。振り返ってみれば、それが何とも今年の本質を突いているだけに、より情けない。
そこで、明年に希望を託し「共」というキーワードを考えてみた。


共にある場として、人が多くの時間を過ごす職場と家庭を見てみよう。

ふと気づけば職場で上司・同僚・部下の別なく、共に過ごすという時間や場が減っている。
もちろん執務中は机や作業場を並べていることが多いが、それは各々の仕事だ。
「最近コミュニケーションが足りないな」などと、思いついたように上司が部下と面談をするも、実に散発的である。
一昔前はもっと職場全体が自然と共に過ごす時間を持っていなかっただろうか。
業務時間後の飲み会は、個人主義を尊ぶ風潮から敬遠されるようになって久しい。
禁煙運動の高まりからタバコ部屋が廃止され、喫煙者たちのコミュニティーもなくなった。
経費削減や利用率の低下から、社員食堂や社員寮、社宅なども廃止されつつある。

「同じ釜の飯を食うということが大切」という論を今更展開するつもりはない。
しかし、個々の担当者や自分の属する部門の業務やミッションを離れたコミュニケーション、価値観の共有の途絶は、不正発生の歯止めの喪失に繋がってはいまいか。
個々人で閉じた業務。部門の外と交流のない業務。そこに過大な目標設定がなされたら、邪な心が芽吹きはしないか。
昨今の不正や偽装は特定部署が密室状態で行ったことが発覚する例が多い。
問題を起こさないよう、部署内の担当者相互、部署を離れた社内の人間同士が「それはマズイんじゃないの?」の一言でもかけられるような環境があれば、幾分は防げるのではないだろうか。

過去の家族主義的な経営に逆戻りすることがよいとは思わないが、何らか、企業内で「共にある」状態を作る試みがもっと行われてほしいと思う。
筆者の専門領域であるナレッジマネジメントの世界でも、いわゆるエンタープライズ・ポータルの機能の一つに社内SNSを組み込むような取り組みがなされている。
さらにアナログな取り組みとしては、一部の企業では社員の家族も招待して「社内運動会」を開催するような動きもあるようだ。
是非とも各社とも妙案をひねり出してほしいものだ。


一方、家庭に目を移すと、個々でも家族が「共にある」シーンが何とも乏しくなっている。
家族が食卓を共に囲むことは週に何度あるのだろう。
冬には家族で鍋を囲む姿が思い起こされるが、その鍋物とて、今日では「個別鍋化」が進んでいるという。
昔はお茶の間のテレビを家族で囲んだものであるが、テレビが大画面化してもそれを共に見ている姿は余り見受けられない。各々が交互にホームシアターを楽しんではいても。又は、自室に薄型コンパクトになったテレビが持ち込まれ各々が楽しむとか。
テレビに光回線が接続されて、インターネットも家族利用が進むともいわれているが、現状から考えると、家族で楽しむ姿は余り想像し難い。
電話も固定電話から個々の携帯電話利用が主となり、家族が相互に電話を取り次ぐようなこともなくなり、家族の交友関係もお互い全く与り知らぬものになっている。

家族人数の減少や、時間感覚の変化などにより昔のような大家族的な家族像が復活することはもはやあるまい。しかし、余りにも家族が個別化すると、家族というものの意味すら曖昧になってくる。
お互いに愛情が持てない親子・夫婦。子供の変化に気づけぬ親。家庭内で巻き起こる事件。子が事件に巻き込まれることを回避できない家庭。何とも冷え冷えした情景だ。

ベタベタするのだけが家族ではないだろう。時間が合わないなどの問題もあろう。
しかし、最低限の価値観は共有し、家族の意味を問い直さねばならない時期に来ているのではないだろうか。
家族の崩壊は地域や社会の崩壊に繋がり、ひいては国家の崩壊に繋がる。巡って個々人の不幸にも繋がる。家族が「共にある」ということはどういうことか、今一度考えてみたいものだ。


十分な論拠もないままに、ここまで話を展開してしまったが、2008年は今年の「偽」のような文字ではなく、振り返ってもっと意味のある文字が描かれるような年にしたい。
そのために、筆者は「共」という文字を掲げてみた。
お読みいただいた方も、各々キーワードを考えて新しい年を迎えてみてはどうだろうか。


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■お知らせ■

当Blogは12月29日より更新をお休みします。

再開は、たぶん、1月7日です。
ただし、もしかすると、気まぐれで1月1日あたりとか、更新するかもしれません。
お暇なときには、過去の記事もご参照ください。

また、左メニューにある写真アルバムも最近、割と更新しています。
併せてご覧いただければ幸いです。

では、皆様、よいお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。

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