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2007.11.23

ついに「偽装」にヤラレタ:愛する箱根の湯

「吉兆」とは幸か不幸か縁がなかった。
が、不二家の製品も白い恋人も赤福も、甘いものが好きではないので摂取量は少ないだろうが、お土産でそれなりに食べていた。比内鶏は赤坂あたりの串焼き屋で何度かありがたがって食べた。なんちゃって牛肉ミンチはどこかで食べたかもしれない。

偽装国家ともいうべきこの日本。耐震基準偽装などの建築物は厳に取り締まり、必要な措置を施さねばならないが、まぁ、それ以外はそんなモンだろうとの思いがあったのも確かだ。
だがしかし、やはり愛して止まないものが「偽装」と言わないまでも、「本物」であると言い切れなかった時のショックがいかに大きいか、ようやく身をもって知った。

Blogの自己紹介欄で趣味の一つに掲げるほど箱根の湯は愛して止まないものであった。が、ヤラレタ・・・。
週刊文春のスクープ記事「箱根の湯の16%は人工の温泉であった」。
今日の帰宅時、電車の吊り広告を見て、コンビニで雑誌を買い記事を読んでからどうにも脱力感にとらわれて仕方ない。


箱根の「ゴールデンルート」と言われる、元箱根から登山鉄道からケーブルカーに乗り継ぎ、大型ロープウェイを降りた所に箱根の名所であり、火山火口である「大湧谷」がある。火口の熱湯で茹でた「黒温泉玉子」も有名だ。
そこからゴールデンルートは更に小型ロープウェイに乗り換え、芦ノ湖畔に続く。芦ノ湖から少し登れば、秋はススキ野原で有名な仙石原である。
ありふれた観光ルートであるが、このゴールデンルートは筆者の幼少期からの最も愛するスポットなのだ。

信じていた、というより疑いもしていなかったのだが、記事によると箱根の湯は本来透明で、筆者の好んでいる白濁湯は人工だという。大涌谷から噴出する火山ガスを水にくぐらせその成分を含ませて温泉にしているということだ。

何より、大型ロープウェイの眼下に広がる火口にいくつも並び煙を上げる煙突を見て「さすが火山らしい!」と興奮し、小型ロープウェイに乗り、乗り場の駅にほど近い貯水池に「防火用水でもないのに何に使うのかなぁ」などと子供と話していた自分の間抜けさが哀れだ。
何のことはない。その水を煙突のあたりまで運び、ガスを含ませ温泉に仕立て、そこから仙石原まで運んでいたのだ。
「この湯は大涌谷から運ばれています」と旅館から説明され、「さすが、火口から来る湯はたっぷり白濁だね!」と喜んでいた自分が情けない。


箱根は温泉としては全国的な人気スポットであることは間違いない。日経新聞の土曜別刷・プラスワンの先週の一面には「行ってみたい古湯」大規模温泉の部で7位にランクインしている。が、古来「富士山の見えるところに温泉は出ない」といわれていたようで、その中でも芦ノ湖周辺、つまり仙石原周辺はほとんどが人工であるようだ。

人工の白濁湯は火山成分がたっぷり含まれていることから、温泉の分類でいう「療養温泉」としての大いなる価値があるとの関係者のコメントも記事には取り上げられていた。確かに湯から出てからの体の温かさは特筆すべきものがある。その効能を人工温泉を作っていた関係者は強弁する。また、問題の旅館・ホテルも効能があることを理由に人工であることを明示しなかった言い訳をする。

効能はありがたい。更に完全なる偽装であった白骨温泉の「入浴剤使用」などに比べれば成分自体は天然だ。
が、やはりきちんと言ってほしかった。

人工温泉の歴史は古く、記事によれば昭和初期からのことだという。
白濁湯が天然のものでなく人の手が入っていたとしても、成分が人工であるわけではない。入浴剤なら興醒めであるが、成分はきちんと火山由来のものでもあるし、今となっては歴史もあり効能たっぷりの人工温泉は、人間の英知の結果としてきちんと説明してくれれば筆者は納得できる。


この人工温泉は法的には何ら問題がないようだ。また、ここまで歴史があり、効能もあるのなら今更やめることもないだろう。
だがしかし、今まで「説明責任」を果たしていなかったのも事実だろう。

本来であればこうしたスクープが出る前にきちんとしてほしかったことであるが、報道されたからには、一連の偽装問題と同列に扱われたくなければ関係各所からの公式の説明を求めたい。さらに、各温泉の効能書きにも「人工であるが成分はたっぷり」という旨を明記してほしい。

この週刊文春のスクープ記事を書いた記者は箱根育ちであり、体を壊したときに箱根の湯に救われたという。筆者も幼少期から馴染んだだけでなく、独立時の忙しさと少々の体調不良を癒した思い出がある。そして忙しい時には常に「時間ができたら箱根に行く」ということを夢見てがんばっている。今日もそうだ。
愛するものに裏切られることは悲しい。
しかし、見苦しい姿を見るのはもっと悲しい。
どうか胸を張って、きちんと説明をしてほしいと願っている。

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Comments

そう言えば、少なくとも数年前にTV取材も受けてましたね。
 
ナントその人工温泉を造っているのは、列記とした会社として
登録運営されていると放送されていました。その人工温泉も
組み上げ水量が減って困っていて供給がストップして閉館を
余儀なくされた地域が箱根の某温泉街で起きているとして特集を
組んだものであった。実は、マスコミに良くありがちな含みを持たせ
視聴者に白骨の如く連想をさせる意図があったのかもしれません。
 
ところで、白骨の件は、報道よりも、かなり前に乗鞍高原にスキー
に行った帰りに、日帰り入浴をお願いしたのが、正に、あの旅館で
あったのですが、何故かお湯の準備があるんで、30分だけ待って
戴ければ、入れると言われ、しばらくすると、疑惑の入浴剤である
ムトーハップとモップを持った番頭さんが忙しく湯船の方に向かい
約束通りに入浴すると乳白色が広がり、若い女性もバスタオルを
巻いて混浴し、中に入ると、バスタオルも取って入浴している人も
いたのがBlog記事を拝見し懐かしく感じました。
 
ある意味では、必要悪だったのかもと思います。ツンドラの道路を
死にそうになりながら温泉に向かい、期待の乳白色がないとき、
文句を言う旅行客にも問題がありそうです。温泉は生き物のようで
火山の爆発や地震があると湯量が増えたり泉質が大きく変わると
聞かされたことがあります。白骨も、有馬の金泉、銀泉のように、二つの泉質があって、遠い場所から温泉を引くと湯温が冷めたり
逆に乳白色でなかったりと、今となっては、色々と良い訳のように
聞こえますが、そのような説明もありました。
 
今はどうなってるんでしょう。ドラマの撮影で訪れた男優や女優の
色紙や写真で壁が埋まった蕎麦屋さん等懐かしさが蘇ります。

Posted by: たぁ坊 | 2007.11.23 10:30 AM

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