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2007.11.19

パナソニックのPC流通戦略を推察する

メーカー直販で購入したLet’s noteが届いた。
タイトルほど大げさなことではないのだが、購入前後で気づいたことなどを記してみたい。


今回購入したのはCF-W7。独立の時購入したのがW2なので、わずか3年あまりで5世代も進んだことがわかる。何ともモデルチェンジの早い世界だ。
選んだのは、OSがWindows Vista Business、CPUはインテル(R) CoreTM2 Duo プロセッサー超低電圧 U7600(1.20GHz)、ハードディスク160GBというモデル。
実はパナソニックの場合、選択肢はあまり用意されていない。CPUとハードディスクがU7500(1.06GHz) 80GBのものと、さらにOSがXPにダウングレードされている3タイプしかないのだ。(メモリは512MBと1GB増設が選べる)。
例えば他社、NECダイレクトなどは選択肢としてCPUは3種、メモリは7段階、光学ドライブ3種、液晶3種などなど・・・、選択肢の多さはかなりのものだ。しかし、3年前にW2を購入したときは、パナソニックもそうだったはずだ。


直販モデルの魅力は何といってもカスタマイズだ。自分の使用用途と予算に合わせ、廉価に抑えることもできるし、やたらとハイスペックにもできる。もちろん、ほどよいスペックにする賢い買い方が一番だろう。
しかし、パナソニックは大きくスタンダードとハイスペックの2つの選択肢しか用意していない。
察するに、これは流通(チャネル)対策ではないだろうか。
DELLのような直販専業ではなく、販売の多くを量販店と、まだまだ数多く残る小売店に依存している以上、直販が上回ることは許されない。
前述のNECや、かつての自社と比べて、カスタマイズの魅力を自ら封じているのは、流通対策をさらに強化したからではないだろうか。そして、直販ではハイスペックモデルの購入に誘導することによって、量販店をはじめとした流通とのコンフリクトを回避しようとしているように思える。


さらにパナソニックの場合特徴的なのが、「カラーバリエーション」を流通と直販で棲み分けている点にある。
昨今、パソコンはカラーバリエーションが盛んだ。これは、本体機能ではもはや差別化ができなくなっているからだ。マーケティングの世界では「カラーバリエーションはマーケティングのどん詰まり」ともいう。つまり、ほかに打ち手がなくなったときに盛んに行われるのだ。
問題は、カラーバリエーションを多数展開すると、流通在庫がふくらむという点にある。リスクが大きく高まるのだ。NECやソニーがノートPCのカラーバリエーション展開を強化しているが、相当なリスクを覚悟してのことだと推察できる。

その点、直販はBTO(Build To Order:受注組み立て)が基本のため、カラー部品の在庫だけですみ、流通在庫を避けることができる。DELLも現在、カラーバリエーションに乗りだしているが、パナソニック同様、リスクは低減できているはずだ。

このことから、パナソニックの展開は本体とカラーのバリエーションの考え方に特徴があることがわかる。
本体のバリエーション、つまり、前述のCPUやハードディスクをはじめ、光学ドライブ、液晶の組み合わせ選択肢を極力少なくする。
これには前提条件がある。元々、Let’s noteは高額でハイスペックだが支持されるというポジションを獲得しているからこそできることなのだ。
そのメリットは大きい。部材の在庫を抱えなくてよい、組み立てが簡素化できる、さらに、組み立てたモデルの数が少なくなることから流通在庫も削減できるのである。
もう一つのカラーバリエーションに関しては、前述の通り、流通モデルで展開すると、流通在庫が深刻になる。これを直販だけで展開する意義は大きい。

つまり、値頃感のあるスタンダードモデルを主に流通で販売させ、直販ではハイスペックモデルを中心にカラーバリエーションで展開するという棲み分けを行っていると考えられる。
コンフリクトと在庫対策という意味において、これはうまくできた設計だといえるだろう。


今回のことは一ユーザーとしての、あくまで推測に過ぎないが、自らの購入プロセスから様々なことがわかる。正解がどうかはともかく、思考訓練としてはなかなか楽しいものだ。

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Comments

松下は量販店だけでなく昔ながらの特約店もいまだに健在です。
従って、いろいろと大変なんでしょうね。
年輩の顧客は最新のPCをドンドン買う財力はあるものの使い方を
完全にマスターしている人は少なくそう言う場合は特約店等の方が
直接対応できるので直販よりも有利なので大切にする必要があるのではとも感じています。Y電機等も結局はその点を外注化して
対応していることが求人から容易に察することができます。
 
それと、カラー展開についてですが、自動車のバンパー色、そして
設備機械の色についての知識をお持ちですか?
これらの製品は、保守用を含めて在庫を最小化する目的で下塗り
で標準色以外は保管しておいてオーダーが入ってから任意の塗装
をして販売店に納める手法が採用されていることが多いそうです。
だとすると、今回の記事のようにすると、工程が一つ省けることに
なるので、安価に、且つ、短納期で納品ができる点で、採用されて
いるんだと個人的には感じています。当然この点は御存知ですよね。

Posted by: たぁ坊 | 2007.11.19 09:42 AM

>標準色以外は保管しておいてオーダーが入ってから任意の塗装
をして販売店に納める手法が採用されていることが多いそうです。

販売が直販でなくとも、オーダーから納品までに時間的余裕があるものならではの手段ですね。その意味ではご指摘の手法はBTOと同じです。
店頭および流通在庫をいかに削減するかは、アパレルで大きな問題であり、革命的だったのがベネトンが生み出した「後染め」です。
バンパーの例と同じで、縫製済みの白地の服を在庫しておき、売れ筋にあわせてそのまま染色し出荷します。
パソコンを組み立て後に染めるわけにいかないので、カラーバリエーションは大変ですね。

Posted by: 金森 | 2007.11.19 10:08 AM

PCの組み立てって、実は簡単ですよ。
特にデスクトップは。ノートは分解にはコツがありますけど。
適当に分解すると壊れます。(笑)お陰でパート仕事です。
そして、パイロットランプが逆になって違う色のLEDが点灯/点滅
したり。取付穴が同じ形状なんで仕方ないですけどね。

もしも金森さんが自作のPCの手順書を観たことがなければ一度
見てみると一目瞭然です。それに、一度経験すると改造が自分で
簡単に出来て、今までの自分に、きっと腹が立つことでしょう。
購入PCを後で適当にアッセンブリーもできるようになったり、故障
部品だけ更新して、それを機会にバージョンアップしたり色々です。

Posted by: たぁ坊 | 2007.11.19 11:00 AM

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