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2007.10.30

オリジナリティーなき”コピペ”からの脱却を

近年のPC普及は私たちの生活やビジネスに多大な恩恵をもたらしてくれている。
しかし、「光あるところには影がある」。負の側面も見逃せない。
今回はその負の側面の中から、一つを切り取ってみたい。


キーボードの”アップル”+”C”。指定位置にポインタを移して”アップル”+”V”。
初めてMacintoshでコピー&ペースト、つまり「コピペ」を覚えた時、その便利さに驚いた。
さらに、その後Windowsに転んで、MS-Officeを利用するようになってから、プレゼン用のパワーポイントに、ワードやエクセルのデータまで貼り付けられるようになり、コピペ機能はもはやビジネスに欠かせないものになった。
他の人が作成した文書を再度利用する。つまりDuplication(複製)が日常化した。
確かに便利になった。効率的になった。だが、そこには大きな落とし穴があったのだ。


「呪いの企画書」という現象がある。
パワーポイントのよくできた企画書だ。全体の流れもいい。気の利いたグラフィックも貼り付けてある。アニメーションもなかなか凝っている。
こんな企画書を社内のファイルサーバで見つけたら、誰しも自分の業務に使うプレゼンに使ってみたくなるだろう。
全くそのまま使うわけにはいかないが、必要な部分を加筆修正すれば使えるように思う。修正して、全体を見直してみる。うまくできている。
かくして、そのデータをノートPCに仕込んでクライアントにプレゼンを行う。しかし、その反応はイマイチさえない。何が起ったのか・・・。

何が起ったのかといえば、「企画書の呪い」だ。
いや、ホラーな話ではない。
その企画書データは、実は社内で何度も「負けプレゼン」を引き起こしている経歴があったのだ。
「よくできている企画書」のはず。なぜ、そんなことになるのか。


「誰が見てもよくできている企画書」。
果たしてそれは、クライアントの求める内容にフィットしているのだろうか。
何らかのソリューション。つまり、問題解決を求めているのだとすれば、求められている内容はそんなに一般的なことなのか。
もちろん、再利用の際には加筆修正を行ったかもしれない。
しかし、見た目でよくできたパワーポイントは一種の思考停止をもたらす。「こんなにわかりやすいなら、きっと受けるだろう」と。
「わかりやすい」や「見た目のきれいさ」は当然、問題解決とは別次元のことだ。
そこを見失っては、当然、評価されることはない。
だが、「呪い」ともいうべき連鎖にはまる例が後を絶たない。

「コピペ」によるDuplication(複製)の容易さが根源であることはいうまでもない。
オリジナルを創り出すことは多大な苦労が伴う。
しかも、見栄えのするプレゼンに仕上げることは、更なる時間と労力を要する。
そうした時、「よくできたパワーポイント」を見つけてしまったら、その魔力に抗うことは難しいだろう。
良心の呵責からか、若干の手直しは行う。
しかし、それとても、さらにそのパワーポイントを魅力的に装飾するだけかもしれない。
そして、本質的な部分を置き去りに、さらに呪いの企画書はその魅力を増す。


今日のPC環境からすれば、Duplication(複製)は無限に可能だ。手間もかからない。
しかし、あえてそれを断ち切るべきなのだ。これは「呪いかもしれない」と。
容易にできるコピペと複製。オリジナリティーの喪失。
人は易きに流れるものであるが、「企画書は問題解決の道を示すものである」とい本質を忘れないようにしたい。

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Comments

毎度どうも。
 
PCのヘルプ画面や各企業のトラブル・マニュアルに似てますね。
作者にセンスがあれば非常に綺麗にまとまっているんです。
でも、肝心なことに対して記載がない。所謂プロファイル化してる部分の長所と短所が浮き彫りになるんではないかと思っています。過去の事象、過去のアイデアを基に新しい事を創造したり、予測することは必ずしも問題がないとは言えないんですが、どうも綺麗にまとまった画面を見ているとすべてが正しいと思えてしまうのが、危険性を増長しているのかもしれないと実は自分自身も注意するよう心掛けています。情報の洪水が逆に真実にマッチした対応策を選択、考案できない原因になっていることも多いのではないでしょうか。IT技術も大切ですが、生の声、自然の感覚が大切です。だって、人間はデジタルではありません。アナログ的性格なんです。特に日本人は中間色を好むことからも顕著であると思います。

Posted by: たぁ坊 | 2007.10.30 12:05 PM

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