« 都市伝説化する理論やセオリー | Main | お知恵拝借:ドネーションプログラム »

2007.08.09

スポイルされる善意と形骸化する遵法

私憤ではない。私憤ではないが、少々気になったので記したい。

先週のうだるような暑い昼下がりのことだった、ある交差点で電子マネーカードを拾った。
カードのプラスチックも溶け出しそうに熱を持っている。
表に返して眺めてみると、JR西日本発行の”icoca”である。
随分珍しいものを拾ったと思いつつ、いくら中にチャージされているかはわからないものの、うっかり落としてしょんぼりしている関西人の姿が脳裏に浮かび、すぐさま交番に届けようと思いたった。

西城秀樹が熱唱する、かつての「ちびまる子ちゃん」のエンディングテーマ「走れ正直者」の主人公のようだ。
交差点で100円を拾い、すぐに交番に届けようとする”俺”はいつだって正直だという歌詞を思い出す。
いや、くだらないことでも考えていないと、この暑さの中、わざわざ遠回りして交番に行こうという気持ちが萎える。頑張れ、俺。


程なく交番に到着。私服と制服の警官がいた。
拾得物を提示して、「JRが調べてくれれば、カードの番号で持ち主に返せるでしょ」と言うと、「あーこれね、買った時に氏名登録してないから、本人が取りにこなけりゃわかんないナー」との返事。
そうか、定期のsuicaしか使ったことがなかったから忘れていた。あー、無駄足か?

「一応、預るかけど、”拾得物の権利放棄”でいいですよね」。

別に欲しくて届けたわけではない。結構ですと応える。
が、何か勝手に断定されるのはオモシロクナイ。
それに市民のささやかな善意に対して「暑い中、ご苦労様です!」のねぎらいぐらいあってもいいんじゃないの?

「一応、こっちで書類作っとくけど、拾得者のサインだけこの書類にしてください」。・・・また、一応か。
一応、サインをする。

「あ、あと念のため、住所と電話番号、この紙に書いてもらえますか」。
真っ白いコピー用紙とボールペンを手渡される。

「え、何で?」
「あー、別に書類が必要になった場合、こっちで作っておきますので念のためお願いしますよ。」
えぇー、何の説明もない白紙に、住所と電話番号を書けと。先にサインをしているから、氏名、住所、電話番号がセットになれば、立派な個人情報ですよ。
それに、何か書類が必要になったら勝手に作られちゃうの?何の書類?

しばし渋ったが、警官相手に押し問答するのもさらに気分が悪くなりそうだ。
後ろには何やら用事のありそうな人も並んでしまった。
”一応”、日本の警察を信用することにして、白紙に記入する。嫌な感じだ。

「はいじゃぁ、これで」。と受領される。
で、交番を退出。最後までねぎらいの言葉はない。

せっかくの市民の小さな善意がスポイルされている。
これだけ世間で騒がれている「個人情報保護法」に対する遵法精神が徹底されていない。

いつも気にしている、「世の中の箍の緩み」。
全ての交番の対応がそうだとは思わないが、
何だか社会の規律を守るべき交番という、とても大切なところでそれを見てしまった気がした。

|

« 都市伝説化する理論やセオリー | Main | お知恵拝借:ドネーションプログラム »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference スポイルされる善意と形骸化する遵法:

» 電子マネー [宮脇 のブログ]
一昔前までは電子マネーというとものすごい最先端のイメージがありましたが、現在では当たり前のように利用されております。めまぐるしい発展ですよね [Read More]

Tracked on 2007.08.09 12:24 PM

« 都市伝説化する理論やセオリー | Main | お知恵拝借:ドネーションプログラム »