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2007.05.15

「秋のゴールデンウィーク構想」に対する違和感

「秋のゴールデンウィーク構想」に対する違和感

昨日新聞で「11月初旬に既存の祝日の日程を移動させ、連休を増やす構想が与党内にある」という報道があった。11月3日の文化の日の前後に体育の日(現在10月第二月曜)と勤労感謝の日(同11月23日)を移し振替休日などで四連休以上を作ろうというもの。論拠としては、「働き過ぎを減らす」と「(連休による)名目家計消費アップによる経済効果創出」であるようだ。
しかし、この構想、どうも違和感が否めない。そもそも、こうした祝日を流動化させ、連休を創出するという考え方は、2000年に制定された「ハッピーマンデー法」の流れを汲むものであると思われるが、今回候補になっている「体育の日」は同法により、10月10日から10月第二月曜と既に流動的な休日に既に変更されている。

体育の日は1966年に、「祝日法」によって「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」事を趣旨とし、1964年東京オリンピックの開会式のあった日に因んで祝日に制定されている。もう一方の勤労感謝の日 は「旧・新嘗祭」である。「新嘗祭」は「天皇が五穀の新穀を天神地祇に勧め、また、自らもこれを食して、その年の収穫を感謝する祭儀」であり、転じて1948年に「勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあう」ことを趣旨として同「祝日法」によって「勤労感謝の日」と制定された。詳しい制定の経緯が調べ切れていないが、自らの労働の成果たる“新穀”を天神地祇に勧めるとともに、自らもこれを食することを、広く労働の成果に感謝するという主旨に転じたのではないかと思われる。
報道には「伝統的な祝日を移動させることは保守系の議員を中心に反発も予想される」とある。しかし、祝日には「そもそもの謂われ」がある。保守云々ではなく、「体育の日」は高度成長期の成果の象徴たる「東京オリンピックの開催という成果を記念として残そう」としたものであろう。「新嘗祭」=天皇=保守というような単純な連鎖で拒否反応をする人がいるかもしれない。しかし、保守なのか否かはともかくとして、前述の「そもそもの謂われ」をないがしろにして「顔のない休日」にしてしまうことには抵抗を感じる。祝日には休日という時間的な余裕の中で、その節目でそもそもの意義を考えたり、感謝の念を感じたりすることに意味もあろう。それを流動化させるのは、どこか物事の節目と礼節を失った今日の社会を反映している気なしてならないのだ。

また、今日の環境の中でなぜ「連休を創出」する必要があるのか。一つには団塊世代の大量定年~高齢人口の増加である。「毎日が日曜日」である人が増えていくのだ。その人達にとっては、「連休」という機会に、民族大移動とも揶揄されるような集団行動に巻き込まれることはあまり嬉しくはなかろう。今年の連休明けの日経新聞コラムにも、現役時代のクセで、つい夫婦で連休に旅行に出かけ、ひどく疲れてしまったという人の話しが紹介されていた。
また、「連休を作るより、そもそも休暇を自由に取れる環境を作るべき」という指摘もある。実際、一律に連休を作られてしまっては、祝日に休暇を加えて「自分だけの連休」を作ること。即ち、有給休暇取得の機会を喪失させることにもなりかねない。多様な労働環境が求められている中で、休日が固定化されるということは、どうも前時代的な気がしてならない。

(今回の祝日の起源に関してはWikipediaの記述を参考にした。)

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